GWが終わって次の祝日までの日付を指折り数えて待っている……そんな日々を送っています。
島鉄です。
いきなりですが、この緑に囲まれた山村に島鉄はGW中、滞在していました。
どこだと思いますか……なんて聞くまでもなく記事タイトルに思いっきり書かれているのですが、ここは東京都の奥座敷である西多摩郡檜原村です。
そう、島鉄は「どこか遠くに行きたい」と思いつつ、GWの交通費と宿泊費のあまりの高さから、近場で済ませよう……と180度方向転換したのでありました。
八丈島も頭をよぎりましたが交通費を比較検討した結果、前述の檜原村に決定!
なにせ奥座敷と言えど檜原村まで電車とバスを乗り継いでも5千円もしませんからね。
……はい、関東どころか東京在住の方も檜原村がどこら辺にあるのか御存知でないかと思います。
檜原村は……東京の西の端っこです!!
www.metro.tokyo.lg.jpそして島嶼部を除いた東京都本土では唯一の村なのが檜原村なのです。
どうでしょう、がぜん檜原村に興味が湧いてきませんか??そうでもないですか?
とりあえず檜原村に行くには、まず武蔵五日市線という登山客でにぎわう路線に揺られて終着駅の武蔵五日市駅まで向かわねばなりません。
終着駅、というのが旅情を誘いますね。宇和島駅、島原港駅、阪急梅田駅、近鉄名古屋駅、京王新宿駅……レールの終わりを見ると遠くに来た感じがしませんか??
後半の駅は通勤路線なのでそこまで旅情はないかもしれませんが、島鉄的には今でもワクワクします*1。
閑話休題。
この青空と緑のまぶしい武蔵五日市駅からバスに揺られて15分少々で東京と本土唯一の村に行けちゃうんです。なかなか「東京感」のない景色かもしれません。
でも東京タワーや雷門、高層ビル群と比べてもひけをとらない素敵な景色ではないでしょうか。
クリーム色と赤色の多摩登山をする人にはおなじみ(?)の西東京バスに乗って、いざ檜原村へ!
バスに揺られて15分。ほとんどのお客さんは秋川渓谷に行く人たちだったようですぐに降りていきました。島鉄は勝手ながらみんな檜原村に行くのかと思っていました(んなわけない)。
おそらく地元の方と思われるおばあさんに席を譲ったり、荷物が転がったおじいさんの手伝いをしたり……と車内が『鶴瓶の家族に乾杯』みたいな雰囲気で包まれる中*2、お目当ての檜原村観光名所である払沢の滝に到着しました。
バス停には地元の小学生の環境美化啓蒙ポスターなどが飾られておりホッコリしました。
さて、ここは厳密に言うと滝の目の前……ではなく払沢の滝入口バス停です。滝を見るには500mほど歩いていかねばなりません。レッツ森林浴!
新緑にさえぎられて淡い陽のさす正午前。ずんずん緑のトンネルを抜け川と並走しながら払沢の滝へ。
実は払沢の滝は日本の滝100選にも選ばれた名誉ある滝なのです。
それほど落差はなく大瀑布……というわけではありません。
しかしながら冬季は凍り、夏季は人々に涼を与え、四季を通じて様々な顔をもつ滝ゆえに日本の滝100選に選ばれたのでしょう*3。
てくてく歩いていくと、ひときわ目立つ建物に出くわします。
ここは旧檜原郵便局(森のささやき)。昭和4年に建てられた局舎をここに移築してきたそうです。
その他にもレトロ郵便局は多摩地域に残っているようで……ヒジョーに興味深いです!
しかし、ここまで移築したとゆーのもなかなかスゴイなあ。情熱を感じます。
この森のささやきでは木製ハガキ(?!)や木工細工、払沢の滝のポストカードなどを販売しています。檜原村土産を買うのもいいかもしれませんね。
さらに、店先にある望遠鏡からは天狗の滝が覗けます。一見の価値アリ、です。
歩いていくと河原に降りられる場所も。でも、ここは大事な水源地。ペットの遊泳禁止と看板が建っています。払沢の滝を落ちる水は北秋川となり、やがて合流し多摩川(東京と神奈川の県境を流れる河川)と名前を変えます。
綺麗な水に驚きます。多摩川も荒川(秩父)も上流は当然綺麗、なんですけど。
着きました!!
心なしか涼しいです。たしかに水量はそれほどないですね。
穏やかな滝壺が見えます。
亡き祖父と来た轟滝を思い出しました。あそこも大瀑布ではなかったけど、ひんやりしてて気持ちよかったなあ。
さてのんびり水の流れを眺めたあとは、昼食がてら払沢の滝入口付近の喫茶店に向かいます。
てくてく来た道を戻ると、突如現れる謎の建造物が?!写真の右端にちらりと映っていますが、ここがお目当てのギャラリー喫茶やまびこです。
行きはまったく気づきませんでした。素通りさせない作戦でしょうか。
窓の外から新緑を眺めながら珈琲を……。また陶器を愛でながらうどんを啜ることもできます。
珈琲にうどんはなあ、と思いフレンチトーストを注文しました。
店内に文化の貧困が村の過疎を進める、と題した新聞記事のスクラップがありました。
村役場をやめて檜原村に小さな美術館を建てた……そう、このギャラリー喫茶やまびこは文化の貧困を防ぐべく作られた憩いの場所なのです。
「四万十の娘達」と題された作品を見ると、四国の山間の過疎地域が思い起こされます。ここ檜原村も東京とはいえ、山間部で過疎化に悩む地域です。
映画館が無くなり、本屋がつぶれ、文化が失われていく地域を思うとこういった志を持ち、実際に行動にうつした人たちには頭が下がります。
↑↑秋田の映画館「御成座」とかですね。
フレンチトーストはふわふわで甘くてとっても美味しかったです。
ぜひ払沢の滝を訪れたあとはコーヒーブレーク&美術鑑賞と洒落こみましょう。
このあと次のバスが出るまで時間もあるので、村役場近くのバス停まで歩いて向かいます。
どこか懐かしい田舎道を歩いて村役場近くまで来ると、ひときわ目立つ建物があります。
村社の春日神社です!村社、とゆー響きがいいですね。
戦前までは神社の格式が決まっており、官社と諸社、そのなかでもイロイロと区分が分かれていたのです。
そんな歴史の名残を感じながらこの春日神社に旅の無事を祈願します。
神社の杜を形成する立派なケヤキの木の近くには教育委員会による公式の看板だけでなく、村の言い伝えレベルの札もかけられています、このゆるさがいいですねえ。
お参りをした後はこの役場近くのエリアの名所、口留番所へ向かいます。
口留め番所とは?
甲州から江戸へと結ぶ街道の結節点であるここは、江戸時代に通行を制限する重要な場所だったんですね。
明治維新(1868)の直前までこの口留番所は現役だったということに驚きを覚えます。
ううむ、150年前まで日本国内の移動は「厳しく」制限されていたんだ、ということが分かりますね。
いまは役割を終えた口留番所に最敬礼して、バス停へ。
ここから檜原村の名所、神戸岩へ向かいます。続きは別記事で。