皆さんこんにちは。いそのです。
桜、散ってますね(※大阪では)。
お住まいの地域ではいかがでしょうか。
桜前線は今青森に到達しているらしいです。
たとえ自分のまわりでは葉桜になっても、日本のどこかではまだ咲いているという事実にちょっとだけ勇気をもらえますね。
あ、葉桜も好きです。

葉桜
さて、桜の咲く前の、そのさらに前の梅も咲いていない頃に、知らない街に行ってきたので記事を書きます。
訪れたのは藤井寺市。
なぜ行こうと思ったかというと、藤井寺市の道明寺がどんなところか以前から気になっていたからです。
和菓子の桜餅には、関東風(長命寺)と関西風(道明寺)がありますね。

長命寺桜餅 https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=38376165による
関西風桜餅の発祥の寺はいったいどんなところなのか。それを知りたいのです。
貼れと言われた気がするので有名な増田の記事を貼っておきます。
私自身はこの増田さんほど桜餅に思い入れはありません。なんなら関東に住んでましたが、関東風桜餅を食べたことがあるかどうかすら記憶がおぼろげです。私は草餅を好んで食べます。桜餅についてはとくにコメントを持ち合わせておりません。
そんな私ですが、これを機に道明寺で道明寺を食べれたらおもしろいなと。というわけで行ってきました。
大阪阿部野橋駅から近鉄南大阪線に乗り、藤井寺駅で降ります。

藤井寺駅

藤井寺駅の南口は住宅街
歩いていると神社に突き当たりました。
辛國神社です。

辛國神社
辛い国の神社とは?と不思議ですが、漢字がそうなっているだけで、由来は物部韓国氏にあるそう。お隣の韓国で功績を上げて姓をもらったとのこと。なるほど。
賑やかな境内だと思っていたら、市が開催されていました。
緑で囲まれた参道に沿って店が並んでいます。

辛國神社の市
お手製のポスターもありました。
このポスターいいですね。道順もわかりやすくてイラストもあって…

お手製のポスター
…ってこれはAI製な気がします!
「道」の字の目の部分が日になっています。通常のフォントではなかなかこうならないはず。
こういう地域の手作りポスターにAIの手が入ってきたのは2024年頃からでしょうか。盆踊りやフリーマーケットのポスターが、あの妙に黄色い色調で、昔の英語の教科書みたいなキャラクターがいるテイストになってきました。
それまではいらすとやが覇権を握る時代が続いていたので、大きな変革です。

いらすとや 神社のイラスト
皆さんどう思われるかわかりませんが、私はAIの手の入ったポスターってけっこうおもしろいと思ってます。
個性がなくなって画一化してしまうみたいな論調はあまりピンときません。
このポスターみたいに使い方次第で個性は出ますし、きっと謎の黄色みもいずれはなくなるでしょうから(たぶん)、いまの時代を表しているとも思います。

いらすとや AIと仲良くなる人間のイラスト
さて、ポスターでもでっかく描いてあるとおり、ここ藤井寺にはとても目立つ建物があります。その名も「アイセルシュラホール」。
実は今回のお出かけのもうひとつの狙いはそれを見に来ることだったのでした。
行ってみましょう。

アイセルシュラホール
それは大きな船のようでした。地球から旅立つために古代人が造ったと聞いたら「なるほど、そういうやつね」と納得するでしょう。

アイセルシュラホール 横
アイセルシュラホールという不思議な名前は愛称で、正式名は「藤井寺市立にぎわい・まなび交流館」だそうです。地域交流と歴史文化の発信の場なんですね。
入ると1階は地域の人の集めたクワガタが展示されていたり…

元木氏のクワガタコレクション
お化け屋敷かな?と思ったら大谷翔平のWBSユニフォームが展示されてました。
こういうごちゃごちゃしたかんじ、Goodです。

大谷翔平のWBSユニフォームと「侍」の文字
解説を読むと、侍JAPANのタオルの文字は、藤井寺市在住の書道家「晃鳳」さんが書いているんだそうです。藤井寺市がWBSと関わりがあるとは。意外な出会いでした。

「大谷翔平」タオル

WBC負けてしまいましたね…
2階は博物館になっていました。
ここ藤井寺市は、古市古墳群のある地です。
実は堺の百舌鳥古墳群とともに世界遺産に登録されているのですが、ご存知なかった方もいるのでは。
堺の大仙陵古墳は日本最大だし、最近は気球も飛ばしていたりと注目を集めていますが、こっちも日本第2位の誉田御廟山古墳があります。富士山に対する北岳(日本第2位)のポジションです。応援してきたいですね。
展示は、古墳のミニチュアがあったり、古墳に置かれていた埴輪があったりと充実しています。

ミニチュア古墳
埴輪はいろいろな種類があり眺めていて楽しかったです。
私はとくに水鳥の埴輪が気に入りました。

水鳥くん

水鳥くんは重要文化財
実物大の存在感。優雅な曲線。いいですね~
古代の人々が水鳥を見て、「これ埴輪にしたらめっちゃいいじゃん!」とか話していたことを想像するとほっこりします。
また近くには船の埴輪もあり、これはアイセルシュラホールの形のモチーフになっているとのこと。

船形埴輪
またポスター展示で、「修羅」の説明がありました。知らない単語です。
古墳を造るときに重い石材を運搬するための木製の大型のそりのことらしいです。
これがアイセルシュラホールの「シュラ」の名前の由来だそう。

修羅
では「アイセル」は?
案内を見ると「アイセル」は以下の頭文字と説明があります。…なるほど?
A:ACTIVITY(活動)
I:INFORMATION(情報)
C:CONSULTATION(相談)
E:EXCHANGE(交流)
L:LEARNING(学習)
博物館を見たあと、1階で古墳の描かれた小皿が売られており一目惚れしてGETしました。かわいい!

古墳小皿
アイセルシュラホールを後にして、住宅街を歩きます。
お腹が減ってきました。
国道170号線沿いにマクドナルドが見えたので入って小腹を満たします。

国道170号線

マクドナルド 外環藤井寺店

エグチ、アップルパイ、コーヒー
誉田御廟山古墳もぜひ見たい!ということで、向かいます。
宮内庁が管理している拝所がありました。被葬者が応神天皇陵と解釈されているためです。

宮内庁の札
こんもりした緑に覆われた山を背にして、水の張られた堀の際に鳥居がぽつんとあります。

応神天皇惠我藻伏崗陵 拝所
侘びですね。どんな神さまか知らないですが、かたじけないかんじがします(西行リスペクト)。
日が暮れてきました。道明寺へ向かいます。
立派な山門から境内に入り、本殿にお参り。

立派な山門

道明寺本殿
ん、本殿になんかいる?

キリン
キリンだ…
首が長いのはいつものことだけど、なんか足もめちゃくちゃ長い…
ジャコメッティの彫刻みたいです。
そして智慧のある眼差しをしています。徳が高そうです。

智慧あるキリン
道明寺に隣接して道明寺天満宮があるのでこちらもお参りします。
もともと一つのお寺だったのが、明治時代に神仏分離したようですね。

本殿 正面
本殿は立派な権現造り。
屋根は檜皮葺。圧巻です。

本殿 斜め

桧皮葺き
次の屋根の葺き替えのための寄付を募集していました。
寄付金を提供すると、檜皮に自分の名前を書いてお渡しできるとのことで、やってみました。

檜皮と石の重し

マイネーム入り桧皮葺き
自分の名前の入った檜皮が屋根の一部になると思うとうれしいですね。
境内には先ほどアイセルシュラホールで説明を見た修羅の復元がありました。

修羅(復元)
巨大です。実物は南河内の大阪府立近つ飛鳥博物館にあるそうです。そちらもぜひ行ってみたいですね。
そろそろ帰ることにして道明寺駅へ。残念ながら今回狙っていた道明寺桜餅は発見できませんでした。家の近所の和菓子店で買うことにしましょう。
駅前では、昔ながらの商店街の一角の店舗がバインミーのお店になっていました。

道明寺の商店街
元のお店の青いシートを活かしてその上からバインミーと書かれています。ベトナム系の飲食店ですね。隣が寿司店で新旧店舗が対照的です。
今回は近鉄の藤井寺駅~土師ノ里駅~道明寺駅の区間を歩いたわけですが、「土師」はまさしく埴輪や古墳を造っていた技術者の土師氏の名前に由来しています。1600年前の人の名前が駅名に残っていると考えるとすごいですね。
大陸から渡来してきた土師氏。土師氏が古墳を造った藤井寺市。
日本の文化は日本に住んだいろいろな人の手によって形作られてきたと考えると、これから日本にバインミーがどう定着していくかはぜひ注目していきたいですね。
文化には、だれかが始めた/持ち込んだサブカルチャーがやがてメインカルチャーとなっていく流れがあるようです。日本文化でいうと、ラーメン、仏教、歌舞伎、カステラ…
そういえば私たち「埋物の庭」は次のようなコンセプトで街歩きブログをやっているわけですが、
街中にあるつい見落とされがちで埋もれてしまっているもの(=埋物、まいぶつ)を紹介します。
サークル名が「はにわ会」(※8月28日にブログ開設を思いついたから)なのも合わさって、文学フリマなどのイベントではほぼ毎回「埴輪を研究してたりする考古学のサークルですか?」と尋ねられますが、全然違うので申し訳なくなります。ちなみに「埋物」は一緒にブログで記事を書いている島鉄くん発案の造語で、みうらじゅん氏の「マイブーム」からの連想であるようです。
それはさておき、カルチャーの語源が「土地の耕作」で、サブが「下」「副」であることを考えると、「埋物の庭」は実にサブカルチャー的なものを志向する名前のように思えます。ネーミングしたときはそんなことは考えていませんでしたが、それらしい後付けができてうれしいです。
これからも私たちの埋物を見つけて、自分の家の庭に飾るように集めていきます。そしてときどきこうして公開したいものですね、埋物の庭を(タイトル回収)。
そんなことを考えながら近鉄に乗って夕日に照らされた家並みを見ながら帰路につくのでした。

近所の和菓子店で買った道明寺、美味しかったです。いい香りでした。
『東方鬼形獣』の楽曲を聴きながら