埋物の庭

埋物の庭

街中にあるつい見落とされがちで埋もれてしまっているもの(=埋物、まいぶつ)を紹介します。

はにわ通信 第17号「雨」

雨という文字の象形が好きだ。

「`」の水滴っぷり。

文字を眺めているうち、ザーという音が聞こえて、身体に雫がついているような気がしてくる。

 

梅雨

関東地方は梅雨入りしたようだ。

雨は嫌いではないのだが、雨と一緒に訪れる急な冷え込みはやめてほしい。

せっかく徐々に暑くなる日々に慣れてきていたのに、調子が狂ってしまう。

 

サウナ

不調なのでサウナに行ってきた。

最近は一時期と比べてぼくのサウナ熱はクールダウンしていたが、久々に入るといいものだ。

汗をかき、水に浸かり、外気に身をさらす。

椅子に座って空を見ていると日々の悩みが小さくなっていった。

 

King Gnuの『傘』。雨の日に聴きたくなるね。

 

長崎空港まで最寄り駅から歩く

長崎に行くことが度々ある。

数年前から長崎市内に親類が住んでいるのだ。

 

東京からの交通手段としては安いジェットスターが飛んでいて便利だ。

そして長崎空港からはバスで市内まで40~50分で行ける。

空港から市内へのアクセス方法は他になにがあるだろうか。サイトを見てみる。

 

 

 

連絡船というのがある。

そう、言っていなかったが長崎空港大村湾のなかに浮かぶ海上空港なのだ。

 

Wikipediaより ブルーノ・プラス氏撮影 

 

ただ船はハウステンボスには行くが長崎市内へは行かないらしい。

では、車(バス)以外の手段はないのだろうか?

グーグルマップを見る。

 

 

鉄道が東を走っている。

JR大村線諏訪駅が近そうだ。

距離は?4.5kmらしい。

 

歩けそう。歩いてみた。

 

歩く

諏訪駅

 

19:21、諏訪駅に着いた。

無人駅だった。

 

4.5kmなら1時間ちょっとで歩けるはず。

21時台の飛行機の最終便に乗る予定だ。

 

単線だ

 

電車が通り過ぎるとあたりは静かになった。

想像以上になにもないところだ。不安になってくる。

 

不安だ

 

けれど降り立ったからには歩かなければならない。

飛行機の時間もある。先を急ごう。

 

住宅街

 

住宅街を歩く。夜にひとりで知らない住宅街にいるとすごい孤独を感じる。

まわりを見渡してもだれも空港まで歩いている人なんていない。

これは空港のアクセスに載っていないのも納得だ。だって夜暗いもん。

 

電柱が続く

電灯で照らされてはいるが、住宅街は暗かった。

空を見ると星が輝いていた。

 

電柱と電線と星

 

不安と孤独感を写真を撮ることに集中して紛らわせる。

長時間露光で星が写り嬉しかったがこれを撮るために10分以上かかってしまった。

目的を見失ってはいけない。時間がなくなってきている。

 

大通り

 

残り時間に焦りながら早歩きで大通りを歩く。

 

大きな病院

 

ひたすら歩くことにだけ心を傾ける。

なくなってきている時間への不安、夜道にひとりでいる不安。

しかし不安に囚われてはいけない。ぼくにできることはただ歩くこと。

 

長崎空港の看板

 

長崎空港の看板がやっと見えた。

少しだけ不安が薄れる。歩き続ければたどり着くのだと自分を鼓舞する。

 

只今の風速

 

4m

 

やっと空港手前の橋まで来た。

あとはこの橋を渡れば空港だ。

 

あとはこの橋だけなんだ

 

暗すぎる

 

歩くことは”行”だと思う。

一歩に集中し、呼吸を整えているうちに意識が自己から離れていく感覚がある。

ここに来るまでに乗ったバスや電車、ホテルや食事のサービスを提供してくれた人たち、橋を走っていたランナーへ感謝の気持ちが不思議なくらい高まる。

 

大丈夫、もう不安はない。

 

箕島大橋。長さ970m。

 

約1kmの箕島大橋も半分を過ぎた。

 

光だ

 

空港の灯りが見えてきた。

時間は20:10。なんとかなった。

 

長い橋だった

 

渡り終えた。

家に帰ろう。

 

長崎空港

 

振り返る

というわけで約1時間かけて諏訪駅から長崎空港までを歩いた。

人にはおすすめできないけれど、ぼくのなかでは得たものは大きかった。

 

実はこの企画は2021年の春にやっていて、ちょうど1年前のことになる。

黙々と歩いているうちに変わっていく自分の心の変化がおもしろくて、秋の大阪横断(同人誌『埋物の庭vol.2』の企画)につながった。

 

これからも長い距離を歩いていきたいな。

 

2022年春撮影

はにわ通信 第16号「ゴールデンカムイが終わり、ゴールデンではないカムイが始まる(嘘)」

皆さまご機嫌麗しゅう。島鉄ですわ。

ゴールデンウィークの記事を、もう水無月も近いのにうpあそばせたのですけど、もうご覧になって?

(以下お嬢様言葉が思いつかないので平民の文とする)

 

島鉄の展覧会行きたい熱(天気も手伝ってなぜか旅行先で2回も美術館に行った)は、誰であろうと抑えることはできません。そもそも抑えようとする人がいませんけど。

 

というわけで、ゴールデンウィークのあとはゴールデンカムイだ!!!

 

GW中に訪れた中之島美術館は雨の日、大阪市立美術館も小雨の降る日だったためそれほど大勢の観覧客はいませんでした。

 

が!ゴールデンカムイ展はやはり人気。

平日とはいえ、ヒトヒトヒトヒト……。

入場前からもう、げっそりとしてしまいました。

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とはいえ、すんなり中には入れました。

よかったよかった……。


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いや中も人多っ!(←トーゼン)

東京ドームシティでの展示ということもあり、館内は狭め。人混み大嫌いな島鉄にとってなかなかに厳しいコンディションです。土佐弁っぽい言葉も耳に入ったので全国のゴールデンカムイファンが集結しているのでしょう。

 

ここでサラッと『ゴールデンカムイ』について触れておきます。

舞台は気高き北の大地・北海道。

時代は、激動の明治後期。

 

日露戦争という死線を潜り抜け『不死身の杉元』という異名を持った元兵士・杉元は、ある目的の為に大金を欲していた…。

一攫千金を目指しゴールドラッシュに湧いた北海道へ足を踏み入れた杉元を待っていたのは、網走監獄の死刑囚達が隠した莫大な埋蔵金への手掛かりだった!!?

 

雄大で圧倒的な大自然! VS凶悪な死刑囚!!

そして、純真無垢なアイヌの少女・アシリパとの出逢い!!!

 

莫大な黄金を巡る生存競争サバイバルが幕を開けるッ!!!!

 

どうですか?ワクワクしません??

一言でなかなか言えないのですが、とにかく作者の野田サトルさんのやりたいこと全部詰め漫画です。

 

美味しそうなアイヌ(たまに和人や多民族も)グルメ、しょーもない下ネタ、個性豊かな犯罪者、猛威を振るうヒグマ、民族文化や道具、ときに垣間見える各キャラクターの暗い影、しょーもない下ネタ……。

このうち、どれかが刺さったらまぁハマると思います。

メインの金塊争奪戦・暗号解読も面白いのですけど、キャラクターやサブストーリーも魅力的なのですよね。

 

そんな『ゴールデンカムイ』の世界を展示しているのだとゆーのだから、これは行くっきゃない!

土日はほぼ埋まっていましたので、平日早退して向かいました。


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北海道アイヌの装束であるテタラペや作中でも最初と最後を飾る(?)ヒグマの剥製……。


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原画も飾ってます。間近で見られるのうれしい。

とにかく人が多いですけど、合間合間で写真を撮れる(ほぼ撮影OK)うえに皆さん優しいので譲り合いの精神で展示を一通り見られました。


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後半は北海道アイヌに限らず樺太アイヌニヴフ民族など、北アジア少数民族について文化が紹介されています。

少数民族について知るきっかけを生んだ点で『ゴールデンカムイ』は優れた作品ではないか、と個人的には思っています。f:id:haniwakai:20220528161821j:image

作中で出てきたキサラリ(泣く子供を驚かせる道具)が展示されています。

妖怪は文化を越える(ブギーマン、なまはげ、キサラリ) – 妖怪屋youkaiya.jp

 

こういった展示品を見ると大阪の国立民族学博物館や北海道のウポポイが気になってきますね〜。

そういえば、天理には大学附属の参考館*1があったな……。

国立歴史民俗博物館でもじっくり見られなかったし……。

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一枚だけ国立歴史民俗博物館で撮った写真。

藁の龍。ワラゴン。

 

あ、話題が逸れてしまいました。

ゴールデンカムイ』展では上記のような民族文化について紹介するコーナーもありつつ、個性豊かな囚人たちの紹介コーナー*2


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囚人のモデルとなった人物の新聞記事もあります。これはなかなか良き展示。

 

そして、ストーリー順に名シーンを集めた原画が並んでいます。

 

そしてカラーイラストコーナー、とファン大満足の構成。


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カラーイラストの次にある最後のコーナーだけは写真厳禁ですが、漫画アプリでの無料全話配信といい、集英社なかなか太っ腹ですね。

 

かなり激混みですがゴールデンカムイのライトファンでも楽しめる内容でしたので、足を運んでみてはいかがでしょーか。

展示最後に抜け目なくゥポポイの宣伝&自社の新書チラシが置いてあったの、好き。

 


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では、作者の最推しキャラである谷垣が落ちている写真でオチといたします。

アプンノ オカ ヤン

*1:天理教を世界に広める上で世界の風習を学ぶ必要があると考えられ設立されたとか

*2:こんな人いたっけ?となること請け合い

ゴールデンウィークの思い出

尾形効果なのかはともかく混んでました……

 

いやー、『ゴールデンカムイ』連載終わりましたね。

 

つい最近ゴールデンカムイ展に行ってきました、島鉄です。

ゴールデンと言えばGW中に展覧会行ったり、ビチョビチョになって”こうもん”撮影したりしてたな。

 

うん、これは記事にしよう。

 

雨の毛馬こうもん

大阪にまた行ってきました。

今年は京都文フリのあった1月、大阪公立大が生まれる前に大阪府立大学と市立大学を見に行った3月、と関西には2か月に1度行っている計算になりますね。

行き過ぎでは?と思われるでしょうが、意外と見どころがいっぱいあるんですね。

 

『さんぽ・まち・かんさい』で関西方面の散歩や観光地は紹介すればいいや……と思っていましたが、去るGWの大阪では割と酷い目に遭った(天気的な意味で)ので、記事にしました。

 

前置きが長くなりました。まず初めに行ってきたのはここです!!

毛に馬にこうもんって……しょーもない下ネタで心惹かれました

毛馬こうもん(すしざんまいと同じ響き)!!

いや、ほんと出オチでしかないんですけど、名前がファニーだし閘門ってなかなか見られないし……ちゅーわけで雨の降りしきる中、川に向かった*1わけなのです。

 

これが……閘門!

間近で見るとかなり大きいです。

ちなみにこのときすでに島鉄の足はビチョビチョでした。あれ靴脱いだっけ?ってくらいには濡れてました。おそらく軽さだけで選んだランニングシューズの通気性のよさがそうさせたのでしょうね。

閘門の仕組みはとってもかんたん。水位の異なる河川を行きかうためにA川の水位とB川の水位を人為的に同じ位置にしてあげる、というものです。この場合、淀川と大川(旧淀川)ですね。

閘門=水のエレベーターと称する場合もあります。なるほど分かりやすいたとえです。

そのためそれまでの間、船はおとなしく停止線より後ろで待っていなくてはなりません。

ちなみに毛馬こうもんでは1.5~2m程度の水位差しかないのですが、この遊覧船が通るまで20分くらいはかかりました。

5分くらいして動画を撮り始めたのを後悔。もう足が濡れてぬれて……。

まあ、遊覧船のヒトからすると「なんであの人ずっとカメラむけて待ってんねやろ、こわ……」という心境でしたでしょうから、何も言えません。

今度は船の中から毛馬こうもんの水のエレベーターを体験したいな、と濡れ鼠の私は思いました。

 

ちなみに毛馬こうもんは歴史が古く、旧毛馬第一閘門および洗堰の一部が保存されています。

注意書きが怖すぎる。古いだけあって高確率で地震の際には倒壊するリスク大なのでしょう。

 

ここはかつて船が行き交った場所なのだ……と思うと不思議な気分です。蚊柱さえ目に入らなければ、レンガ造りのモダンで静謐な素敵なスポット。

写真の左右に写る鎖と高さの違う係船環。この場所がかつて閘門であったことを伝えています。

 

肝心の閘門の仕組み、全然わからないのが玉に瑕。

 

他にも大阪城建造の際に石垣に選ばれなかった残念石や淀川改修紀功碑があったり、淀川の歴史を学べるいいスポットです。

ぜひ、天気のいい日に淀川にお出かけしてみてはいかがでしょうか?

雨の日に行くやつはアホです。

 

毛馬と言えば、与謝蕪村の出生地でもあります。晴れた日に文学散歩をするのもよいでしょう。

なんか句碑が軒並みなぎ倒されているゾーンがありましたが、芭蕉の仕業でしょうか(濡れ衣)。

濡れた体のまま屋外から屋内へ行きたい……と考えた島鉄中之島に新しくできた美術館へ行くことを決めました。

とっても綺麗な中之島美術館

く、黒い!

雨の中バスを使ってたどり着いた大阪中之島美術館。ここは今年の春できたばかりのピカピカミュージアムなのです!

nakka-art.jp

すぐ隣には大阪市立科学館国立国際美術館があります。水都大阪を代表する中之島エリアに、また一つ文化的な場所が増えたのですね。

 

入口では巨大な猫がお出迎え。

大阪府茨木市出身のヤノベケンジ氏の作品です

作品名は『シップス・キャット(ミューズ)』。大航海時代の安全航海の守り神兼船乗りの癒し役である猫がモチーフです。

晴れの日であればゆっくり鑑賞したいところですが、濡れ鼠だったので館内に避難しました。

外観はポストモダンな黒い箱でしたが、館内も未来的です。シンプルで天井の高い広々とした空間。

中では「みんなのまち 大阪の肖像展」が開催されています。

構想40年の時を経て開館した大阪中之島美術館。

大阪の街の歴史が様々な展示品を通じて語られています。

各展示はエスカレーターを上り、入場するのですがワクワク感がありますね。

 

中之島を描いた作品。写真可の作品はそれほどありません。

今も昔も二つの川(堂島川土佐堀川)に挟まれ、橋の架かる中之島の姿は魅力的ですね。最近はなかなか船の行き交う姿は見られませんが。

 

大阪市立電気科学館(現在の市立科学館の元となった施設)のポスターもあります。

電気科学館の歴史はユニークで、大阪市の電気供給事業から宣伝塔として、また啓蒙施設としてつくられました。

電気科学館は、大阪市電気局が電気供給事業10周年の記念事業として計画した施設です。初期の建設計画案によると、館内設備は美容室、大衆浴場、大食堂、スケートリンクという内容で、電気利用のショールームとして考えられていました。その後、建物の建設と並行して、電気の原理と応用に関する展示物を陳列する展示場とプラネタリウムを設置することが決定され、1937(昭和12)年3月13日にオープンしました。

(中略)電気科学館の2階から5階までは「電気館」という名称の展示場で、電気知識の教育や電気応用の技術を紹介する装置が陳列されました。
開館時の施設は、2階はテレビ電話や真空管類などを陳列した弱電無電館、3階は発電所模型や電熱乾燥機模型などを置いた電力電熱館、4階は各種照明装置を展示した照明館、5階は電気の原理を解説する展示を置いた電気原理館という内容でした。
他の科学博物館で見られるような歴史的な展示は行なわず、電気の原理や応用技術といった科学の基本と最新知識の紹介に特化した未来志向の展示スタイルは、当時の日本では見られなかったもので、電気科学館が日本最初の科学館といわれるゆえんとなっています。

 

また、一度書籍で見たことのある作品が飾られており、オオッとなりました。

浪華写真俱楽部に在籍した小石清氏の『クラブ石鹸』の宣伝写真です。

1931(昭和6)年作ながら、いまにも通じるシンプルかつ目を引くデザイン。

my-butsu.hatenablog.com

☝この記事中で触れている西村智弘氏著『日本芸術写真史』に作品が載っていました。

 

展示を見終え上層階からエスカレーターを下ると、これはこれで違った見え方。

新しい美術館は中を見るだけでも楽しい*2ですね。

こちらもヤノベケンジ氏の作品

最後に『ジャイアント・トらやん』の写真でお別れです。

滅茶苦茶でかいです。隣のクレーンとダブって建造中のロボット感があります。

media.thisisgallery.com

もちろんただのデカイロボではなく、廃墟からの復興、未来の象徴たる子供たちとその夢を守る存在として作られたのだそう。

ちなみにトらやんは黄色いアトムスーツに身を包んだキャラクターです。

store.lammfromm.jp

てっきりメタリックなのかと……。不勉強ですいません。

ジャイアント・トらやん』のコックピット(?)にもトらやんはいます。足元からだとよく分かりませんが、作品のすぐ横に階段が設置されているので、上ると分かります。

なるほど色んな角度から撮影できるのですね~。

ここらへんで力尽き(足もビチョビチョだし)、宿へと戻った島鉄でした。

ラストチャンス?大阪市立美術館

雨の多いGW前半。朝から雨が降っていたので、毛馬こうもんでビショビショになっていた島鉄は、今日は屋内を楽しもうと決心し長年スルーしていた大阪市立美術館へと足を運びました。

なぜならこの歴史の長い美術館は、もうそろそろ改修工事で入場できなくなるからです!

うれしいことにほぼ撮影可能

もうこれが最後とばかりに写真を撮りまくってしまいました。

まず外観もすてきなのですが……。

背景にハルカス。無粋とみるか、歴史を感じるか。

中がメチャクチャ豪華です……!こんなラグジュアリー空間にわずか1,000円で滞在してよいのでしょうか。コインロッカーの100円も戻ってきますし(←どーでもいい)。

公営なので安くできる、税金の無駄ではないかという意見もあるでしょうが、私はお金をそれほどかけずとも文化に触れられるのはよいことだと思います。

なので、皆さんてんしばでBBQや、天王寺動物園で同じところをぐるぐる回っているオオカミ(あれストレスでそーなってるんじゃないでしょーか)を見るのもよいですけど、長期閉館前に市立美術館を見に行った方がよいですよ!!

 

はい。特段金銭の授受をしてないのに宣伝しました。

GWにやっていた特別展は「華風到来~チャイニーズアートセレクション~」でした。

正直に申し上げますと、私は中国美術にまっったく興味がなく、全然よくわからんけど美術館が閉まる前に入っとこう、てなスタンスでした。

 

ポスターやHP上にも載っているこの中華風の女の子の絵が気になったので、それだけ見られればいーかな、なんて低いモチベーション。

 

が……!前述のとおり外観もさることながら内装のゴージャスさに圧倒され、モチベーションがめきめき上がっていきます。

チャイナと言えば磁器、ですよね

うおおおおー!!景徳鎮*3の磁器!!!

花蓮池玉壺春瓶、だそう。元朝時代のものなので染付(青花)がまさしく始まったばかりのものです。

 

あ!街中で見た!!芸能人を見かけたときの気分です

ちなみにこれは島成園氏の『上海娘』という作品で、夫の転勤に伴い上海へ訪れた同氏が、現地の娘をモデルに描いたエキゾチックな雰囲気を湛えた絵です。

チーパオ(旗袍)は和服や漢・韓服と違った”騎馬民族の服“という印象で、エキゾチックに感じるのかも。

 

さらに中国といえば水墨画のイメージがありますよね。色々な水墨画が飾られています。写真は載せませんが、この他に拓本や工芸品、多くの書が展示されています。うーむ、大スケール。

わかりみ

そんな多くの展示品の中でもとりわけ心を打ったのがこの文と隠逸をテーマとする文人画です。

GW最終日だったこともあり、隠逸したいな……とゆー気持ちが増してしまいました。

隠居したくてもかなわないエリートの辛さ……は分からない*4ですが、隠逸したさだけは伝わってきます。

まあ、漁師は漁師で文人とは違う悩みを抱えていそうですが……。

 

中国と言えば、彫像も忘れてはなりません。

お寺で見るのとはまた違い、仏像を間近で裏も含めて見られるのが美術展示の良いところです。

この仏像の光背裏には中国古来の伝統図像である「巨大な太陽(内部に三ツ足のカラス)・月(内部にヒキガエル)・蛇をついばむ鳥」が彫られており、地域による仏教の受容をその目で確かめられます。

奥深いですね、チャイニーズアート。

 

さらに特別展のみならず、これまでの市立美術館の展覧ポスターやチケットの展示に、様々なコレクションも見られます。

こうしたコレクションを収蔵し、市民に触れる機会を与えてくれる美術館は貴重なのだな、と思わされますね。なにせコレクションできそうにないので。

また訪れる日はいつになることやら……。

さらば、大阪。

 

日本歴史民俗博物館の悔しい思い出

そんな大阪でのGWを満喫したのち、展覧会行かねばという思いが島鉄の胸に去来しました。毎度のこと少しでも気になったチラシはすべてもらってきて、いつのまにかほとんど会期終了している……なんて経験があります。

 

だからこそ!今持っているチラシの展覧会には必ず訪れるぞ!と部屋に貼り、忘れぬようカレンダーにも予定をセットしました(←あまりにも初歩的)。

 

しかし、残念なことに島鉄は時間にルーズです。それを知っているのでなるべく早めに行動しているのですが、最近失敗しました……。

それは『中世武士団展』が開催されている千葉県は佐倉市にある日本歴史民俗博物館に行こうとした日のことでした。

 

なんでまた、そんな展示をわざわざ見に行く気になったのかと言えばアニメ『平家物語』にドはまりしたのがきっかけです。

my-butsu.hatenablog.com

さすがに『平家物語』ロス、というほどではないですが、日本中世の武士について、より知りたくなりました。

 

アニメ『平家物語』は❝叙事詩ではなく、抒情詩として描いた❞ 

山田尚子監督が述べている通り、史実の「武家政権としての平家政権の隆盛」や「治承・寿永の乱源平合戦)」を描くというよりは、琵琶法師によって現代に至るまで伝えられた物語をアニメ化した印象が強いです。

 

琵琶法師によって脚色され、儚さと美しさを伝える『平家物語』の良さを知ったので、その元ネタ*5を見に行ったのです。

realsound.jp

 

ここは千葉だよ。



前述の日本歴史民俗博物館の最寄り駅は京成佐倉駅です。東京都からだと、まあまあ遠いのでありました。

それは分かっていたはずなのですが、遠いって言っても1時間くらいでしょ?

と舐め腐っていたため「予約した15時の10分前、博物館に着くくらいでいいだろう」なんてつもりで島鉄は家を出ました。

 

結果……!乗換駅を一つ間違え12分ほど無駄にした挙句、駅から15分の所をのんびり写真を撮りながら歩くという暴挙(←アホ)も合わさり、15時の10分前どころか15分後到着。

 

もっとも、再予約すれば入館できるとアナウンスがあったため余裕で受付へ向かう島鉄。中世武士団展がGWとはいえ、ここまで人気と予想していなかったのです。舐めてますね。

無情にも本日の予約枠は埋まっています、と宣告され(受付の人は申し訳ないですが、とおっしゃっていました。こちらこそ申し訳ないです……)、悔しいので今回の展覧会とは関係のない図録をじっくり見、買い物までしてしまいました。


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一応、根来寺の根本大塔の模型などは見られましたが。こちらもじっくり見ました。悔しいので。

↑↑見られた展示……以上!!

 

私の鬱憤を晴らすため国立歴史民俗博物館に誘ったところ、ついてきてくれたいそのくんに感謝です。

my-butsu.hatenablog.com

 

さよなら三角、また来て四角。

 

島鉄

 

*1:我ながら雨の日にこうもん見たさに川へ向かうってアホすぎますね

*2:翌々日に古い美術館もよいものだと気づきます

*3:島鉄でも知っている有名な陶磁器の生産地

*4:島鉄は多分いつ隠逸してもいい立場

*5:といってよいものか。現実の武士たちを見たくなった、ってことで

はにわ通信 第15号「ゴールデンウィークが終わり、ゴールデンではないウィークが始まる」

今週のお題「サボりたいこと」

 

ブログ投稿をしばらくサボっておりました(お題クリア)。どうも、いそのです。

 

終わってしまいましたねゴールデンウィーク。楽しかったなー。

長崎・福岡へ旅行に行ってきました。博多には行ったことがなかったので、行けてよかったです。大濠公園は想像の5倍くらい大きくて驚きました。

 

大濠公園

 

旅行から帰ってきてから家で気がつくと3日くらい溶けていました。

あの現象なんなんでしょうね。濃厚な時間を過ごしたあとそれを取り戻すような虚無の時間がやってくる現象。そのうち物理法則として証明されるとにらんでいます。

 

虚無の3日を過ごして、連休終盤に島鉄くんが行くというので千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館についてきました。

以前に一度行ったときも全然回りきれず、今回も展示室3つだけしか回れませんでした。広すぎなんですね。

 

道中で見た行徳富士。産業廃棄物でできた山。千葉方面への首都高速湾岸線から。

 

企画展示『中世武士団』は濃い展示でした。

説明文がハイレベルすぎて一部しか理解できませんでしたが、それでも史料の数々から多くの気づきがありました。

 

「武力だけで人を支配できるのか?」

 

この時代に生まれなくてよかったと思うほど暴力がものをいう世界でも、仏の教えを伝えようとする人、裁判を行う人、仏像を彫る人がいました。長い年月を経て目の前に遺る彼らの仕事からは感銘を受けます。

 

ゴールデンウィークは終わってしまいましたが、楽しかった思い出をかみしめながらまた日々を送っていきたいです。これから暑くなるんだろうな。

 

アクセス数1万PV突破!記念対談企画!(4/25文字起こし更新)

みなさんどうも、いそのです!

 

当ブログ「埋物の庭」の合計アクセス数が1万PVを突破しました!

記事を読んでるすべての人、ありがとう!!

2022/04/22現在

 

2017年6月から初めておよそ5年。続けるものですね。

 

せっかくなので1万PV記念になにかしようということで、いそのと島鉄で対談をしてみました。ふたり同時に出てくる記事って実はなかったのでやってみたかったのです。

 

対談をしたら文字起こしして記事にしようかと考えていたのですが、音声でも案外成り立っていたのでポッドキャストにしてみました。

 

というわけでポッドキャスト埋物の庭です!

ちなみに対談は島鉄くんの借りている倉庫で行いました。

 

 

対談中に撮った写真

島鉄くんの倉庫にあった古い雑誌とつくば万博のパンフレットです。

 

 

 

 

 

 

 

引き続き埋物の庭をよろしくお願いします!

 

+++追加文字起こし+++

この記事とポッドキャストを公開してから、なんと、だいなもくん(同人誌で書いてくれている)が文字起こしをしてくれました!すごい文量なのでありがたいことです。ちなみに本人は「二度とやらん!(笑)」と言っています。

 

いその「今、島鉄君の、倉庫で、録っていますと。」
島鉄「倉庫(笑)」
いその「転勤が多い仕事だから、倉庫を借りてますと。さて今日は、1万回突破記念と。」
島鉄「一万回?」
いその「一万回じゃない?」
島鉄「一万人じゃない?」
いその「一万回を突破したから」
島鉄「そこらへんも曖昧な・・・」
いその「一万アクセス突破記念ということですから。」
(拍手)
島鉄「弱小Youtuberみたい…」
いその「これYoutubeあげても別にいいんだけどね。文字起こししつつ・・・」
島鉄「きつ…」
いその「ということで、始めていきたいと思うんですけども。」
島鉄「はい。」
いその「あの~~、埋物の庭一万回ということで、まあ、何から聞いていこうかなと。まあ、なんだろ。最初これからいこうかな?自分で気に入ってるブログ記事。一応なんか我々ブログさ、書いて、これ始めたの2017年とかじゃなかったっけ?」
島鉄「そんぐらいだったと思うよ、確か。」
いその「2017年…あ!さんぽ・まち、更新されてんじゃん。」
島鉄「はい。さっきあの、一万アクセスいってなかったので、しました。」
いその「やるとなんかいくからね。」
島鉄「いくかな~と思って、そういう下心で(笑)」
いその「連載だからこれさぁ、もしかして第一話とか書いといた方がいいのかもしれない。後で追いたい人いるじゃん。」
島鉄「そんな人いる?」
いその「いるいる!!きっといる」
島鉄「いるかもしれないですね。」
いその「この記事を読んでくれてる人と同じくらいいるから。」
島鉄「ははっ!(笑) 5人とか。」
いその「ほら一応みると、2017年から始めて、毎年記事数が増えてんだよね。」
島鉄「多分まともにやりだしたの本当にコロナになってからなのかもしれない。」
いその「割とそうなんじゃない?あ、2020年ぐらいから割とギアがかかってきた感じがすんだよな。」
島鉄「ようやくね。」
いその「ようやくね。
島鉄「そう、多分僕が東京に来たからってのもある。松本時代は全然記事書こうって気にならなかった。」
いその「そう、島鉄君は松本に最初住んでたんだよね。2017年から。」
島鉄「最初ねー。」
いその「2019年とかくらいまで?」
島鉄「そんぐらいまでいたね。」
いその「松本から東京に帰ってきてから割とこう、記事が増えた感じよね。」
島鉄「そうだね。僕も松本にちゃんとね、ちゃんとっていうか地方都市なんだけど、今思えば色々書けたんだろうけど…なんかね、全然書く…まあ、仕事を覚えるのに精一杯だったのかもしれないから…新しい土地で。惜しいことをした。」
いその「そうね、松本の記事は…おじいちゃんおばあちゃんのいる愛媛帰省の記事はあるけど松本はないからね、今のとこね。」
島鉄「まあ、松本に住んでいるというのを明かしたくないというのもあったから。」
いその「なるほどね。」
島鉄「うん、襲撃されるかもしれないから。」
いその「(笑) 襲撃ね。」
島鉄「一回その、僕の住んでたところ、襲撃されかねない部屋とか言われたからね。びくついちゃった。はっはっは(笑)」
いその「でまあ、2017、僕の方からちょっとこの、気に入っている記事とかの話で。」
島鉄「はい。」
いその「あー気に入ってる記事はちょっとまたずれるけど、お互いの記事の話になっちゃうけどこれは、あれなんだよね2017年始めたときさ、割となんか短めの記事を書いてた僕ね。身代わり地蔵とかさ、飯田橋の道路標識とか。割と単発ネタだったんだけど、結構これ、だからね、丸の内支線の記事はね、インパクトあったんだよ。」
島鉄「そうなんだ!」
いその「そうそう。これ結構、歩いて、あんまり知らない丸の内支線っていうのを紹介してるっていうのもまずいいしさ、駅から行くっていう道のりもね、歩いて。結構長めの分量もあってさ、読み応えあったんだとても。」
島鉄「あー。まあ確かにね。」
いその「それで僕ももうちょっとしっかりしたのを書こうかなという気持ちになったよ。」
島鉄「なるほどー。それ知らなかった。」
いその「まあ、これを受けて、水海道あたりからちょっとずつ長めの記事を書こうという気になってきて、」
島鉄「ふ~~~~~ん。あ、そうなんだ。」
いその「で、個人的にはこのー――、色々書いて、あれだね、東京ゲートブリッジの記事かな、『橋とトラスとファミリーマート』。ちょうどここくらいで僕、デジカメを買ったんですよ。一眼レフ買ってこのぐらいから本格的になんかいよいよ、やるぞ!っていう気持ちになってきたような気はするね。」
島鉄「川崎の記事って載せてたんだね、そういえば。」
いその「載せてたんだ、そう。VOL1、2。」
島鉄「懐かしい!もうなくなっちゃったよね。」
いその「今となってはないからね。」
島鉄「ウェアハウス…」
いその「写真なんかも多分あるよねこん中ね。」
島鉄「あるある。…いや、ないわ。意外と撮ってなかった、なんか。あのー、ね、謎解きの方にちょっと必死すぎて…意外とあんまり撮ってなかった。」
いその「(笑) あ、でも部分的には撮ってるけど、なんかそのこの時やっぱ写真もさ、今になったら割とこう同人誌とかでもさ、全体のこう分かるように撮るっていうのはさ、比較的、気にするようになったけど、写真とかも最初はね(笑)、気にしてなかったかもしれないね。」
島鉄「写真はね、僕ももう今は確かめられないからあれだけど、ウェアハウス確か撮影禁止じゃなかったかな?」
いその「そうそう。そうだそうだ、それはあったんだ。」
島鉄「だから外だけしか撮らなくて、惜しいねーとかいう話をしてたけどー、今となってはもう中を窺い知ることはできないし香港も行けないっていう・・・」
いその「歴史があるんだよなぁ、そうするとこのブログにも一応なあ。2017年からだから5年目なわけだなこれ。」
島鉄「そっか!社会人的に見るとそろそろっていう時期…」
いその「やめてよ!そういう、やめてよ(笑)」
島鉄「(爆笑)」
いその「そもそも2017年、なんで二人でブログ始めたんだっけ?」
島鉄「僕もブログをやってて…やってたっけ、いその君は?」
いその「僕は単独ではやってないけど。これが最初だと思うな。」
島鉄「僕がブログやってるよー、みたいな話して、なんかじゃあこれとは別に、そう、僕が書いてたブログもやめたんですよね、ちょうど松本に行ってからは。喫茶店歩きブログみたいなの。それで、ああなんか街歩き二人とも共通して好きだからブログ作ろうかなみたいな(笑)いや、だいぶざっくりした曖昧な記憶だね。で、8月28日に。」
いその「828(はにわ)だね。」
島鉄「828ってことでなんか決めたような…記憶がありますね。もう忘れているっていう…(笑)」
いその「はにわ、あれさ、2017年の8月28日だっけ?」
島鉄「いや、8月28ってのは覚えてる。」
いその「2016かもしれないね。」
島鉄「2017から記事もう書いてるもんね。」
いその「でも2017年ってね、7月以降記事書いてないんだよな…。」
島鉄「ほんとだ。消えてんじゃない?」
いその「いやいや(笑)まじでなんかやる気を失くしたんだな一瞬。ここで終わってもおかしくなかった気がする、これ。」
島鉄「なんでだろね。なんか話してたような気がする、モチベーションが云々。まあなんだかんだね、二人とも惰性で。」
いその「2018年になって一発目、愛媛帰省があって、僕も応える形で川崎行って書いて、うまく軌道に乗って良かったよねこれね。」
島鉄「そうだね、別にね、」
いその「辞める人も結構いるだろうからね。割と5年続くとは思わなかった。」
島鉄「文フリがやっぱり一つのね、」
いその「文フリはでかいと思う。3年目の2019年に文フリね。」
島鉄「あれがやっぱり何か大きかったね。まあ別にそれが凄い売れたとかではないけど、なんとなく目標があって、それに目指していけたから良かったね。」
いその「文フリとあとあれだな、『天気の子』の記事を書いたら、滅茶苦茶バズったからね。42ユーザーこれさ、見たことない。」
島鉄「こわ。」
いその「埋物の庭の中では一番読まれてた。」
島鉄「『天気の子』でアクセスする人がいるから。」
いその「これ、もしかして3000アクセスくらいいってる説ある。」
島鉄「そんなに!?」
いその「いや、まじまじ。これ、凄かった。2000は超えてる少なくとも。」
島鉄「凄いね。」
いその「バーンてこう、グラフが伸びたのよ、見たら。はてなブックマークかなんかに載ってて、それがさ。」
島鉄「紹介されたおかげで。」
いその「これもでも自分が住んでる近くとかさ、行ったことある辺りが映画の舞台になってたから、これはもう書かないとっていう、仕事とかどころじゃない、もう記事を書くっていうことしか頭になかったね、2週間くらいは。」
島鉄「僕も南松本で観ましたよ。(笑)」
いその「いや、いたときね(笑) 次またね、新海さんがなんか撮ったら…」
島鉄「便乗する感じで。」
いその「便乗って言わないでよ!まあ、良かったら、まあね、書こうかなっていう感じかな。多分またどうせ、どうせって言っちゃいけないか、東京は出てくるだろうから。でも日本中が出てくるらしいじゃん、日本中のなんか、扉をなんかする話。」
島鉄「なんかする(笑)」
いその「なにすんだっけ?災厄を…災厄からなんか…なんかするんだよねえ・・・」
島鉄「ざっくりしてんなぁ・・・」
いその「いやよく分かんないから(笑) なんだっけなー、全然分かんないわー。」
(一同爆笑)
いその「次は2020年。」
島鉄「やりたいこと記事もね、ここから毎年書いて。」
いその「そうね、2020年に書いてから、なんかねブログ、noteとか界隈で、やりたいこと系の記事よく見るから、やりたくなって。最近のはにわ通信のさらってくるんだけど、一応街歩きブログってことでやってるけど、街歩き以外のことも書きたいなっていうね、気分。」
島鉄「欲がね。」
いその「欲あるっていうかまあそうだから、それも書いていこうということで、ちょいちょいやるようになったね。やらなかったでも?君は『平家物語』の記事とか書いてるしさ、小説も書いてるし。」
島鉄「またちょっと広がりが出てきていいなー、なんて思いはありますね。」
いその「で、他なんか考えてきたこととしては、ん~自分で気に入ってるブログ記事。自分で気に入ってるブログ記事なんか思いつく?これはなんか、書きたいこと書けたなとかさ。やりたかったことできたな、とかさ。」
島鉄「そうだねー、まあ、街歩きは基本的にどこもね、自分が行って楽しかった所をピックアップしてるから、あのコロナでちょっと外に出られなかった時期に、タイムトラベルの記事を書きましたけど。」
いその「ああ、書いてたねー。」
島鉄「あれは結構、自分としては何でしょうね、書きたかったことなのかな。」
いその「あー。」
島鉄「ノスタルジーをね、感じるっていう。メインはこの、倉庫にもありますけど、古い雑誌とかやっぱり神保町に行くと、つい買っちゃうんだけど、古い雑誌の見どころここがあります!みたいな所が今どうなっているのかっていうのを比較するっていうのが。」
いその「(雑誌に見入る)これいつのですか?『太陽THE SUN』は。」
島鉄「これね、1983年かな。まだあの、消費税とかない時でね。」
いその「そういうね、昔の街歩きの本とか雑誌とか記事とか、それを『大阪人』なんかもさ。」
島鉄「まあ、揃えてますけど。」
いその「昔の記事、まあ情報見て歩くというのもまあ面白いわなー。」
島鉄「そうそうそう…これはね、結構…ああ、つくば博のとかもあったりして、こういう。」
いその「あ~、3Dがある。」
島鉄「当時も眼鏡挟んだままこう、本屋で売ってて。今どうなっちゃってんだっうていうね、感じですけど。そうなんかね、ソ連館とかがね、昔のあれどこいったかな?あ!コスモ星丸ですよ!」
いその「コスモ星丸ね。」
島鉄「なんかね、もう今ない国もね、」
いその「ソ連圏とか確かになー」
島鉄「そうそうそう。ソ連館はやっぱり、平和―地球とすべての家庭のためにって今見るとちょっと笑っちゃう感じが。まあこの、3年後ぐらいに崩壊しますけど。この表紙のイラストは和田誠さんですよ。」
いその「あ、和田誠さんの、この前和田誠展観に行こうと思って失敗したあれ(笑)」
島鉄「そう。失敗した和田誠さん…奇しくもね、初台から乗ればここまで来れますから。」
島鉄「あ、ダイエー館もある!」
いその「ダイエーってあのスーパーのダイエーじゃなくて?」
島鉄「いや、スーパーのダイエーです。」
いその「あ、スーパーのダイエーか。」
島鉄「この頃はさ、ダイエーもまだ元気だったからね。ソニー館もある!今となってはもう…戸川純に歌わせてるっていう。」
いその「戸川さんそんなことしてたんだ。」
島鉄「この頃は1985年なんだね。戸川純ちゃんも、結構売れましたからね。」
いその「Youtubeの中の戸川純しか見てないから。」
島鉄「はっはっは!いや、僕も別に本人に会ったことないから。こういう面白味があるから、タイムトラベル系は続けようと思って買ったけど、まだ書いてない(笑) つくば万博の話、エモいから。」
いその「実際はねでもね、あれよ。つくばの現地に行ってみて、万博記念公園とか。だいぶなんか、昔の雑誌の記事を読む話にいってしまったけど、ブログに戻っていきまして。ちょっとあれだね、ブログを始めて変わったことよかったこと。まず僕からいきたいけど、まあブログのおかげで写真を始めるというのもあったから、写真撮るの楽しいし、良かったと思うねぇ~。まあ同人誌もそうしたらそうだしね。で、同人誌からね、やっぱりAdobe Photoshopとかさ、illustratorとかやるようになったし。」
島鉄「どんどんみきみきスキルを上げていって。」
いその「そういうのは、面白いよねー。あとブログやってよかった、ずっと文章書きたいっていうのはね、高校大学からあったから。」
島鉄「あ、そうなの。」
いその「そういう場がね、なんかできてよかったなーていう。」
島鉄「まあそうかもしれないね。」
いその「島鉄君はどうよ?ブログ始めて。変わった、良かった?」
島鉄「まあ、そうだね…街歩きは単なる趣味だったけど、そこから一歩進んでね、他人にこの面白さを伝えるのはどうしたらいいかなとか、後は自分で同じように街歩き好きな人がいるなーっていうのを知ることができるのはやっぱり自分から発信しない限りはないわけなので、そこはとても良かったかなー。」
いその「そうねー、文フリとかね、そういうイベント行っても、同じ街歩き好きな人のね、文章とかいっぱい読むとね、面白いと思うよね。こういう見方あるんだとかね。そうするとあれね、他のブログとかさ、他の街歩き系の人ってなんかこうさ、なんか最近どういうの読んだとかさ、どういうの見てるとかさ、なんかそういうのある?」
島鉄「街歩き系は全然ないですね(笑)」
いその「見てないか(笑) 同人誌は買ってるけどあんまりそんな頻繁にネットチェックしたりとかはあんまない?」
島鉄「しないけど、タモリ倶楽部とかはまあ…タモリ倶楽部じゃないか、最近外に出られないからあの、zoomとかで南極特集とかあの、」
いその「ブラタモリね。まあ僕もそんな、ネットで…やっぱりデイリーポータルZは大きいかなー。」
島鉄「好きだねえー。」
いその「(笑)好きだからね。デイリーポータルZね、たまにはにわ会でも投稿してるからね、たまにね。」
島鉄「そうだよね、やってる。」
いその「今年ももうちょっとね、投稿して…できたら載せられるっていうのは今後の目標かなっていう。」
島鉄「大体なんか書こうとするともうデイリーポータルでもやってるっていう…」
いその「そうそうそう。そうなんだよ。」
島鉄「辛い、悔しい。」
いその「でもやられてないとこ見つけてさ、QRコードとかエレベーターとかやられてなかったわけよ。ていうか僕が面白いと思うことが他の人が面白いと思ってないのか分かんないけど(笑)、誰にもやられてない率が高いんだよね。変わってるというかなんか、違うんじゃないかな(笑)」
島鉄絶望先生のだれも滑ったことのない雪の回みたいな」
いその「あれね、処女雪の話ね」
島鉄「あ、でも、僕はエレベーターと友だちになろう!は面白いなと思ったけど。友達になるってどういうことっていうフックがあって。エレベーターを自由に呼びつけてるわけで。彼にとっての友達観はそういうことなんだなと…」
いその「(笑)LINEの友達登録だから、あれはね。まあ、今後書きたいこととか、今後のブログについてってことで、まあどうなんだろね。うーん…」
島鉄「えっ??嘘でしょ(笑)考えてきた人が、考えてなかった。」
いその「いや一応あるよ、まあ、さっき言った通りデイリーとか、あと他の街歩き系のブログはさ、サンポーさんとかさあって、サンポーさんとか結構いろいろな人が書いていて、もし機会があったら参加してみたいなとかちょっと思ったりする。」
島鉄「なるほどね、もっと大きい。」
いその「そう、もっと大きい所で出張してね。出張記事。」
島鉄「いいかもしんないね、それは。新たな展開としてね。」
いその「ここから街歩き界隈の人と全然交流がないから、」
島鉄「街歩き界隈(笑)」
いその「Twitterでちょっと見るとかぐらいだから、まあ実際関わるっていうのもありかもしれないわけだよね。」
島鉄「せっかくだからね。」
いその「そうなー。今後、割となんだろ最近はコロナってのもあって、なんか映画の感想とかさ、本の感想とかを割と書いて…でも割とそれも面白いから書いていきたいなって感じかなー。」
島鉄「いいんじゃない。」
いその「はにわ通信もね、100ぐらいは続けたいね、これねー。」
島鉄「(笑)」
いその「意外と14だからね、もうね。」
島鉄「まあね、続いてるよね。」
いその「続いてるっちゃ続いてるよ。」
島鉄「主にほぼ、いその君がやってるけど。」
いその「はは。気が向いたら。一応、街歩き以外のなんでもだから。」
島鉄「(笑) 凄いざっくりしてる。」
いその「君は『さんぽ・まち・かんさい』の今後の展開としては…これは、大学生の人たちが、大学生活を送って、どうなっていく話なんだっけ、これね?」
島鉄「これは、僕が大学時代にやれなかったことをやらせてますからね。」
いその「あ、そういうね。」
島鉄「旅行サークルだと思って、ちょっとヤバめサークルに入って。」
いその「(笑)」
島鉄「大学一回生の時に。それ以降、ちょっとね…大学生らしいサークルって、全然入れなかったから。」
いその「自分ができなかったことを、小説の中で、やらせるという流れね。」
島鉄「あとは自分自身、大阪とか京都とかね、結構行ってるから、ただ単純に東京の街歩きと同じように記事にするんじゃ芸がないから、勝手に他人に歩いてもらおうかなっていう。それで、小説形式に。一石山鳥みたいな感じで(笑) ちょっとやってみた次第でございます。」
いその「『さんぽ・まち・かんさい』も集まったらこれ、本にするじゃあ?」
島鉄「したいですね。隣で売りたいですね、埋物の庭の。VoL.100の隣とかに。」
いその「(笑) 埋物の庭、今VOL.3だから。好評だから結構。VOL.4もあるはずですからこれは、きっと。」
島鉄「京都行ったときに、『1,2は置いてないんですか?』って話してきてくれて、やっぱり嬉しかったよね。」
いその「うれしいうれしい。まあ、そうね、だから、VOL.4出す時は3は在庫は多分あるだろうから。2冊一緒に売れるんじゃないかな。」
島鉄「VOL.1もね、一応2冊ほど在庫があるからね。」
いその「まあ、そうね、復刊してもいいしね、全然ね。」
島鉄「まあちょっとね、先は明るいぞってことですね。」
いその「(笑)そうねー、まあ、そういう感じかなー。あと4分くらいだけど、まあそうだねー。なかなか今でもあれなんだよ、振り返って思うと、2人で更新してるブログってあんまないっていうことが分かってさ。」
島鉄「あ、そうなんだ。へぇー。」
いその「そんなないよ!何だろうこう、ちゃんと運営されてるやつらは、いろんな人が書いてるていうのあるけど、アマチュアで2人でやってるていうのあんまりブログで見たことがなくて。」
島鉄「まあやっぱ方向性の違いが…」
いその「そう、解散しちゃうかもしれないから。そうなんだよ。だから、そう、僕もさ、転勤とか転職とかしたら、東京を離れる可能性もあるし、君も、ねえ、今東京だけどさ、転勤したらさー、またこれがどっか行っちゃったらさー。」
島鉄「そうねー。」
いその「どうすんの?行った先のことも書く、そうすっと?」
島鉄「まあね、それしかないよねー。」
いその「次は身バレとか、家襲撃はないと思って信じてる。」
島鉄「はっはっは(笑) ね、まあ別に一か月に一回くらいだったら東京に来るだろうから、その時にね、記事書いてもいいし。」
いその「なるほどね。最後に、今年書きたい記事、なにか。僕からじゃあ。
やっぱり島行くっていうのはさー、一昨年かな、2020年に大島に行った記事書いたと思うんだけど、」
島鉄「ベスパでね。」
いその「そう、ベスパで廻ったやつ。島行くのはやっぱり楽しいからね、島行って記事にしたいなーっていうのはあるなー。なんかあんま人が行かない所をね、行って記事にするのは意義があるなと僕は思うからねー。」
島鉄「なるほどねー。」
いその「島鉄君はー、なんか、今年の記事の展望とかさ。」
島鉄「「そうねー、やっぱり、関西は小説で書くとして、都内だよね。結構知られてないような所とか、お寺とか神社とか、結構いっぱいあるんだよね、小さい所が。そういうところにフォーカスを当てて記事にしていきたいですねー。」
いその「なるほどねー。最近の流行りの…なんていうの?ミニマムツーリズムみたいな。」
島鉄「ああああああ~~~!」
いその「プチ旅行みたいなさ。」
島鉄「まあ今ね、情勢が情勢だけにそんなに遠出はできないですからね。」
いその「ここの倉庫の周辺もまだあんまり詳しくないし。笹塚周辺のさ、神田川沿いの公園行ってみたいんだけど。これこれこれ、和田堀公園。」
島鉄「あ~、はいはいはい。」
いその「大宮八幡宮とかさ、大宮八幡宮行ってみたいの今度。行ったことある?」
島鉄「ないない。」
いその「これ、行きたい?」
島鉄「あれ、あったっけ?和田堀公園だよね…」
いその「善福寺川沿いだから…」
島鉄「多分ね、ここはね、全体を見て廻ったことはないと思いますよ。」
いその「だったらやっぱ行きたいな。」
島鉄「うん。でかいから」 」
いその「なんかね、SUUMOもたまに街歩き系の記事あって、SUUMOでこの、笹塚のなんだい?(※南台(みなみだい))南台あたりに住んでる人のSUUMOの記事があって、結構良かったからー、面白いなと思って。そこで紹介されてたんだよこれが。南台住んでる人よく和田堀公園行くっていう記事があった。あれちょっと読んだらいいと思うけどね。」
島鉄「僕もねー、方南町の記事書いた時には全然思ってもみなかったけど、方南町のね周辺、最寄り駅でもあるからね、一応。なんかねー、でかい島忠があるからね。」
いその「ここらへんね、杉並区もあんまり行けてないとこあるからね。開拓はしていきたい。」
島鉄「ここほんと、立正佼成会のね、凄いメッカだからね。」
いその「(笑) これからメッカ(注.笹塚の居酒屋)行くんですけどね。」
島鉄「ここは本当にあの、ドン・キホーテがここの通りにあるから、チャリで区役所とか行くときも通るんだけど、それやっぱりね、交差点がでかでか佼成会のね、教会前じゃないけど。」
いその「なるほどね。あるんだ、そんなの。」
島鉄「あるから。面白いなーとは思ったねー。哲学の道とかもあるしね。哲学の道じゃない、哲学堂。 (笑) ごめんなさい。」
いその「哲学の道は僕が自転車で爆走したところ。」
島鉄「爆走してええんか…?」
いその「(笑) まあ、ということで、今年もやっていきましょう!」
島鉄「今年もというか、今年度の始まりだから。今年もう、3分の1終わってる…」
いその「まあ、そりゃいいの。ということで、次は2万回の時に、2万アクセスの時にやるか。」
島鉄「まあ、そっすね…はい。」
いその「まあ、またそこは考えます、そこはね。はい、じゃあというわけで、皆さん、さよならー。」
島鉄「(笑)」

 

 

 

【小説】さんぽ・まち・かんさい――決起さかんなお年頃

1万アクセス近い、とゆー話をいそのくんから聞いたので写真もなし、絵も描いてませんがアップします。許してつかあさい(?)

my-butsu.hatenablog.com

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

ここは大阪南の玄関口、天王寺駅からほど近い新宿ごちそうビルの地下にある某居酒屋。

ようやく腰を落ち着けることができた、とのんきなことを放つ男性陣に対して、待ちぼうけを食らっていた女性陣はややオカンムリ……というか主に副会長が会長に対して怒りをぶつけている、といった方が正しいか。

17時にアベノ集合、という話があれよあれよとズレこみ、時刻は19時近くとなっていた。

 

「自分から今日は、はよ集まる言うてたのに、集まるの遅いわ!!」

またもや会長がなじられている。

遅すぎてスマン、とどこか誠意の見えない謝罪をしている会長と、眉間にしわを寄せ睨む副会長。

 「女の子に会えるで~」という楽し気な雰囲気は全くなく(ついでに新入生を歓迎する雰囲気もなさそうだった)、会長が吊るし上げられ、総括されるのを見守る会という様子だ。

 

四人掛けの席二つが並び、真ん中から時計回りに会長、副会長、自分、新入女子部員第1号、周、空席、岸里センパイ……そして岸里センパイの隣には、大きなパステルピンクのシュシュで髪を束ねている(サイドポニーというやつだろうか)、何だかこのサークルには不釣り合いなセンパイが座っていた。

 

何も知らない人からすると右と左の席が同じ団体所属なのか、判別がつかないに違いない。

左側は華やか大学生のオーラ漂う男女に、ハルカスのテンション冷めやらぬ周がきゃいきゃい話している。

一方、自分の座る右側の席には副会長に絶賛吊るし上げられ中の会長。

そして呆然と見つめるモジャモジャ頭と、「借りてきた猫」という表現がぴったりの新入女子部員1号2人が、お通夜のような雰囲気で伏し目がちに飲み物をストローですすっていたからだ。

 

 「まあお説教はそのくらいにして、とりあえず乾杯しません?」

副会長は、まだ自己紹介も終わってへんし……、と宥めすかす岸里センパイを一瞥すると

「ほな、そーしよか。オホン、ではK大・関西・勝手に・観光案内サークル(KKKK)の益々の発展と、新規入会してもらった前途ある若人の健勝を祈って……乾杯!!」

 

 「KKKK万歳!!」滑り込みで謎の合いの手を入れた会長はまた副会長に睨まれていたけど、約束の17時から大幅に遅れてようやくKKKKの決起集会、という名の新入部員歓迎会が始まったのだった。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 えーと、あの、わたしは……。

モジモジしてなかなか始まらない新入部員紹介。

共感性羞恥、という言葉があるけれど、おそらく今自分はこの場の誰よりもそれを感じているのではないかと思えた。

自己紹介はいくつになっても恥ずかしい。とはいえ早く言ってしまえば楽になれるのに。

 

 本人が自己紹介する前から口走る会長のおかげで田舎から出てきた、という話は聞いていたけれど、こんなに引っ込み思案の子もいるんだな。

見知らぬ土地に進学する人は皆一様に積極的な性格だと思っていた(←完全に偏見)。

いや、自分も大阪が地元の人からすれば、なぜか出てきたトーキョーモン、と映るのだろうか。ああ、また恥ずかしくなってきた。

 

 なかなか自己をさらけ出してくれない新入部員1号は、ようやく「鶴見……千代て言います、よろしくお願いします」と絞り出した。ボブカットにカチューシャ、やや時代的な気もするけど、最近は大きめのカチューシャをつけた80年代風ヘアスタイルも流行ってるんだっけ。全部周の姉貴の受け売りだけど。

よれよれのパロディTシャツコーデ(どの時代でも異形と判断されること間違いナシ)の会長は大きくうなずいている。

 

 「おお~よろしくなあ千代ちゃん。出身愛媛なんやったっけ?」

会長ももう少し早い段階で彼女に何か助け舟を出してやればよかったのに。

「あ、はい松山に高校までいて……。あっ!会長さんも愛媛出身なんですか?」

「いや、全然。」

ひどすぎる。助け舟、泥船。

 

 「あ。でも縁がないわけと違うで「会長のことはどうでもええから、次に北浜くんのいとこの神路くん、よろしく」

副会長の見事なぶった切りっぷりに慄きつつ、さて何を話そうか、そもそもさっきの千代ちゃんは名前しか言ってなかったぞ……とフリーズする自分。

 

「えー(←この時点で半音外している)、神路ィ公喜と申します、この度はなぜか東京からはるばるK大に、しかも山奥のキャンパスに通うこととなり、マルチまがいの勧誘を避けつつ、気づいたらこのサークルに迷い込んでいました、もうダメです。なにとぞよろしくお願いいたしまスゥ……」

 

考えうる限りで話さなくていいことを4つほど盛り込んで挨拶してしまった。

 

「ダメじゃないよ!いいよ!!」

周、よくわからないあいさつに対するよくわからないフォローをしてくれてありがとう。

 

 スッと会長の隣に座る副会長が立ち上がった。

 「ほなら、こっちも自己紹介しよか。副会長の九条 みどりです。ここのサークルはK大の人ばかりですけど、わたしは市立大通ってます。普段は、千里のK大キャンパスになかなか行けへんけどよろしく。あ、会長とおんなじ2回生です」

 

「おんなじ、ではないやろ。こっちは2浪1溜してんねんで、いわば人生のセンパイや」

会長はこのセリフを恥ずかしげもなくスラスラ言えるからすごいと思う。

 

「アホの会長が何か言うてますけど、このサークルのええところは色んな人が自分の好きなトコに人を連れてくとこやと思います。どんどん関西の色んなところを歩いて好き、を見つけていきましょう」

副会長はスラスラと立派なことが言えてすごいなあ。

 

副会長が座る間もなく、岸里センパイの隣のセンパイが立ち上がった。

「もー、なんちゅーか、かたいわァ~副会長は。ウチは今までヒラやったけど、新しく広報担当引き継ぐ、桜川さくら言いますゥ~。あ、ウチも2回生ですゥ」

よろしく、と言わんばかりに首をかしげてニコリと笑うと、桜川センパイはそのままお手洗いへと消えていった。

 

 お手洗いへの移動速度、外れの合コンを引いた女子の如し。そんな思いが頭をよぎった。

それにしても、なぜあんな感じのセンパイがあんな感じの会長のいる、こんな感じのサークルに加入したのだろう。謎は深まるばかりだ。

 

「あの、いま席外してるから言えんねんけど、さくらちゃんなァ……その、悪い子ォではないんやけども、そのいろいろ誤解っちゅうか勘違い?させやすいタチでな。まあサークラのさくらという異名を持っているとかいないとかで、サークル流浪の民だったとこにウチに来てくれたんや」

会長がしどろもどろで話す。テキトーなことばかり言っている印象の会長がここまで言葉を選びつつ話す、ということは、さっそくトイレへと消えた桜川センパイがサークルを転々としているのは真実なのだろう。

 

「来てくれた、んやのうて呼んだんと違うんか。あそこ借りられたんも桜川のおかげやろ」

副会長が呼び捨てにしていることに驚きつつ、会長の顔を覗くと苦笑いしている。

隣の千代ちゃん(はやくも下の名前呼び)に至っては苦虫を噛み潰したような表情でうつむいている。

なるほど、桜川センパイは会長と違ったベクトルで問題を抱えているヒトなのだな。

「ま、さくらちゃんには感謝というか恩義もあるから仲ようしたってな、副会長は。評判悪いけど、見た感じそこまで悪人、って感じでもないし新入生は桜ちゃんをどんどん頼ってええねんで」

せやんな周くん、とこの場を収める要員として話を振られた周は「はあ……。まあ、ええ人ではありますよね」と何とも言えない反応をみせていた。

 

 「よし!とにかく飲むかー!!!来月からの活動予定については副会長から話があるから、よう聞いといてな」

「あ、その前に一点。自分、来月第2土曜にスタジオ貸し切りで練習はいってもーたんでムリっすわ」

「わたしもレポートあるから無理やわ、会長なんとかしてな」

 皆さん多忙なようだった。会長の人望がないわけ……ではないハズ。

 

「桜川おそいな、また終われへんエンドレスLINEしてるわ絶対」

 

いい感じに雰囲気がゴタゴタしてきた。まだ私は入部すると言っていない。周には悪いけど2次会あたりでサクッと切り上げてしまおう。このサークルのメンバーは悪い人ではなさそうだけど、濃ゆい。どうもずっといると大変なことになりそうだ。

ちらり、と周のほうを見てみる。

私はビールを2杯ほど飲んだけど、向こうは成人前だからウーロン茶をちびちび飲んでいるようだ。良かった。周が何かの間違いで酒を飲んで酔いつぶれてしまってはアパートに帰れなくなりそうだから。まだまだ大阪の地理には疎い。

とはいえ、ビール2杯くらいなら自分だって前後不覚にはならないハズだけど。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

「ぜーんぜん!酔ってないですって!」

上記の台詞を吐く人間の多くは正気を半分くらい失っているので、絶対に信じてはいけないと伝え聞いている。

 

「せやんなあ!!女将、芋のロックお代わりもらえますぅ?」

「ちょ、声大きいわ、少しは静かにできひんの?」

「ふくかいちょーっれえ、もォのしゅごく酒によわひから、見て!これウーロンハイ4杯目!」

「よっ!ウーロンウーマン!ウーロンクイーン!!」

「ひゃひゃ、QUEENてなんですかァそれ、もええしゃんどん飲むひとォ?くふふっ」

「ちょ……っと、二人とも声のボリューム下げへんとお店の人にも他のお客さんにも迷惑やろ、静かにしてえなあ……」

「ギアファイブ~♪」「ウーロンくふふふふっ……」

 

色々あり席を交代した結果、完全にできあがってるチームと、お会計を早々に済ませてこの地獄から逃れたいチームに分かれてしまった。

「じゃ、俺明日のバイト早いしここらで抜けるわ。今日は歓迎会来てくれてありがとうな。ほなまた」

逃げ台詞のように感謝の辞を述べると、岸里センパイはテーブルに5千円札を置いて帰路についた。

 

期せずして千代ちゃんと周とそれから自分、1回生3名が同卓を囲む形となった。

隣はベロベロの会長&桜川センパイという狂犬二匹と、それを御す副会長の卓なので一回生は避難したのであった。

 

 

 ……避難したのはいいが、お互い話すこともない。自己紹介は、だいぶ前にしてしまったことだし。

「あの、お二人は関西が地元なんですか?」

そんな話もしていなかった。いや、東京からはるばる出てきた話をしたような気もするが、山奥のキャンパスに通いつつ、マルチまがいの勧誘を受けダメになったエピソードが強すぎて記憶に残らなかったのかもしれない。

 

「いや僕は東京出身、あ東京って言っても23区じゃなくて多摩なんだけどね。となりのあま、北浜くんはいとこで奈良出身だけど!」

めちゃくちゃ早口でしゃべってしまった。恥ずかしい。もう少し酒が入っていたら、知ってた?TMNのTって多摩なんだよ、でもたまのボーカルは川口市出身で……、とか余計な情報を付け加えていただろう。危ないあぶない。

 

「へー!東京なんですか!!すごいですね、有名人にあったことあります?」

「いやあ……ジョイマン高木っぽい人に会ったことあるかも……」

「すごいな~。ウチはプレバトの夏井いつき先生くらいですよ、みかけたの」

「ええ?!羨ましい!ジョイマンてナナナナー言うてるだけの人やろ?」

ジョイマン高木に対して失礼すぎる。たしかに俳句を添削してもらう方がためにはなりそうだけど。ジョイマン高木はいきなり出てきても謝ってくれるし。ナイスガイ、違いない。

 

「どうしよう、隣はグダグダだし……このまま抜け出しちゃう?」

言ってみたいセリフランキング2位(1位は「俺のことはいいから、先へ行け!」)のセリフが思わず口をついて出る。

「あ、ごめんなさい。ウチ、いま寮住んでて門限がそろそろなんで帰ります」

「ボクも帰るわ、明日一限からやし」 

……二人ともごめんね。

 

「お、なんや帰るんかァ~?!足元気いつけてな」

一番立っちゃいけない人が他人の足元を心配している。さすがに会長の器である。

「ほな、私が駅まで送ってくわ。お会計、ここ置いとくわ。えっと周くんは生駒で、千代ちゃんは上新庄の女子寮やんな?」

 副会長が二人を送りつつ、見事にこの場を去る動きを見せた。残された3人で手を振り見送る。

……ん?3人?

 

「よし!そんなら2次会は3人で行こうやないかい!」

「さんせ~い!」

「……え?」

 

アベノの夜はまだまだ続く……。アレ?今回、街歩いてないな。

 

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・新宿ごちそうビル

アベノで店さがしに困ったら、とりあえず立ち寄る飲食店街ビル(島鉄調べ)。

地下2階から9階まで、ランチに居酒屋、スイーツまであらゆる食を楽しめるグルメの聖地と言っても過言ではない、なんと20店舗もテナントがあります(2022年4月現在)。

ごちビルともゆーらしい。ほんまに?

 

歴史は古く、なんで天王寺なのに新宿?というとJR(旧国鉄省線)と私鉄、地下鉄・チンチン電車(旧南海、現阪堺電車上町線)のターミナルが蝟集している天王寺は混雑具合が第二の新宿になるであろうと目されていたからなのでした。

今でもJRに近鉄、大阪地下鉄、阪堺電車のターミナルが連なる繁華街ですね。

www.lib.kobe-u.ac.jp

 

元々は旅館「新宿」が母体で、現在のビルになったのは1988年バブル期から。2Fにしかトイレがないとゆー驚きのつくり。しらなんだ。

 

天王寺の新宿、「新宿ごちそうビル」には何があるのか。【阿倍野区】 | こべかつ!

 

  

 

地下2Fにある「おじさん寿司」が個人的にツボです(どーゆー店名?)。

 

島鉄