まだ2023年7月に行った陰陽の旅*1の記事を書いていることに驚きを隠しきれない島鉄です。
そのうち山陰を飛び越えて、韓国の記事も書きたいですね。
↓前回の記事↓
松江に着いた
さて島鉄は人生初の鳥取県にて米子城跡からの絶景、境港の水木しげるロードで妖怪ウォッチ(ング)を楽しんだわけですが、ここからの隣は島根県の県庁所在地である松江市へと向かいました。
松江について知っていること
・城がある
・旧制松江高校があった
……情報量がフロッピーディスクでも余裕できそうなくらいスカスカですね。
もっと松江について知りたい、そんな思いで鈍行列車に乗り込みます。
米子-松江間は近く、30分ほどで着きました。松江は同じ島根の出雲より鳥取の米子の方が近くなのです。また松江は山陰観光の中心地であり、ホテルや旅館が想像以上に多く驚きました。
エキナカもなかなか綺麗で、高架下も飲食店となっており活気を感じます。
松江は電車を降りて早々楽しそうな街、の印象を受けてスキですね。
個人的に休憩スペースにいた人が強制的に『ちびまる子ちゃん』を見せられているさまがツボでした。テレビのチャンネルは変えられないのかな。
2024年2月現在、すでに島根県は百貨店のない県ですが、地元私鉄「一畑電鉄」の運営する一畑百貨店が島鉄の訪れた2023年当時は現役でした。
ここで最初で最後のお買い物をしたのはいい思い出です。
旅先でお歳暮買っただけなのに、冬の歳暮も案内してくる一畑百貨店、律儀だ。65年のご愛顧、ありがとうございました。 の一言が悲しい。 pic.twitter.com/QdgcaqDMNu
— 島鉄@はにわ会【埋物の庭】 (@pentaro1129) 2023年11月1日
この日は陽も傾いてきたので、黄金色に染まる空と大橋川(と、その向こうの宍道湖)を眺めたくらいで投宿。夜の松江に繰り出しました。
何を当たり前のことを、と思われるかもしれませんが日本海の育んだ山陰の魚は美味しいです。島根の誇る宍道湖のシジミやモロゲエビも美味しいのですが、海産物が何より美味しい!
日本酒にもよくあって大満足でした。
転勤族や観光客、地元民入り乱れて飲んでいるため一人旅でもフラッと入りやすく、松江の夜は心地よいものでした。
地元のスナックで深夜2時近くまで飲むとは思っていませんでしたが。
なんか最後らへんは地元の墓じまいをどうするか、とゆー話を真剣にスナックのママ、隣の店にのれん分けしたチーママ、常連さんと一緒にしていました。
あの時間は何だったんでしょうか……。米子城天守閣跡まで山を登り、暑さでヘロヘロになりながら妖怪を激写して、夜はスナックで墓じまいについて語り明かす。
島鉄的には濃ゆい一日を過ごしたわけですが、松江は前述のとおりホテル・旅館が多く、地元の居酒屋・スナックも多いので観光にはもってこいの場所だと伝われば幸いです。
松江城へ行こう
さーて、爽やかな朝がやってきました!
大橋川の深く青い水の色と空の色が素晴らしい朝です。
この大橋川沿いを宍道湖方面にテクテク歩いて、橋を渡りしばらく歩いていくと松江城にたどり着きます。
神話の国、出雲らしいイラストの描かれたみこと丸が川をきれいにしています。
出雲神話ものがたり「スサノオのヤマタノオロチ退治」 | NPO法人シャーネ・エレーテ今市
川沿いには水上バスの乗り場もあり、水都松江……な感じがして楽しいです。橋を渡るとスナックや居酒屋もちらほら。松江駅周辺以外も店があるなんて活気があるなあ。
しばらく歩くと菅笠をかぶった遊覧船の船頭の姿が目に入ります。
炎天下でも屋根付きなので(?)安心ですね。このときは歩くことを優先しましたが、時間に余裕があれば堀川を遊覧するのも楽しそう。
冬場には豆炭をつかった「こたつ船」も運航しているそうです。一回乗ってみたいな。
元お堀の京橋川を歩いていると、川のほとりにステキな喫茶店を発見しました!
遅めのモーニングを食べに中へ入ります。よく冷えたアイスコーヒーとサンドウィッチを堪能。外の暑さをしばし忘れてくつろぎます。
地元の人と観光客が入り混じっていて、観光スポット情報と地元トークが同時に得られる名店(?)です。
ちなみに地場チェーン店のようで、「珈琲館・ウィーンの森」二つの店名で山陰に6店舗展開しています。島鉄の訪れた京店店は1972年オープンの一号店でした。半世紀の歴史を感じられる……かも。
いよいよ、松江城に近づいてきました。
ここは県の中心部、官公庁が集まっています。個人的に城と公の空間が現代も残っていることが感じられる*2ので好きです。
島根県市町村振興センターでは各市町村をユーモラスかつ魅力的にPRしていました。
こういうのを見ると、今度はここに行こう!
と思えるのでいいですね。松江城に向かっている人はリピーターになる確率高いと思いますし。
島根JAビルの前にあった島根の牛乳をPRする野良キャラもいい感じです。
松江城は日本でも12しかない現存天守*3です。12天守のなかでも国宝に指定されている城は5つしかありません。
ちなみに島鉄はここ松江城と彦根城は訪れたことがありませんでした。チラ見すらないのは松江城が唯一です。
それゆえにドキドキしていたのですが……。
城の敷地内はアホほど広いです。しかも太陽を遮るものはあまりないといってよいでしょう。
夏場は熱中症対策を万全にして訪れることをおススメします。
なにせ現存12天守は貴重な反面、冷房設備が貧弱なので……。
汗をふきふき歩いていくと天守が見え、石垣が綺麗に積まれていて惚れ惚れします。夏は陽を遮るものがなく暑いのですが、時折日本海から(多分)冷たい風が吹き心地よいです。瓦で雨水路を作っているの面白いな。
さてここで、暑さに耐え切れなくなった方*4向けの避暑スポットをご紹介!
2階建ての櫓です。格子窓で日光があまり差し込まないた天守ほど高くはないですが、城下を眺められてよい……。
め涼しいです。またそして、もう一つのスポットはというと……。
元は明治時代に造られた松江市の工芸品陳列所、ときの嘉仁親王(のちの大正天皇)が泊まられたという由緒ある建築物です。
この施設のいいところは一言で表せませんが、実用的ないい点として冷房がついている所が挙げられます。
ほら、それなりに大きい冷房設備が見えますよね?
天守まっしぐらな方が多いのか、館内は空いていました。興雲閣をスルーするのは勿体ない!
バルコニーに出て櫓や松江城内公園を一望できるのも嬉しいポイントです。
すぐ横には対照的な和風建築である松江神社があります。個人的に松江神社建立年と興雲閣完成年がそれほど離れていない*5ことは面白く感じました。
えーと、天守についてそろそろ触れておきましょう。
白鷺城と称される国宝姫路城とは異なり、松江城は黒い外観。松本城もそうですが雨水の浸透を防ぐ雨覆板が使われているため黒い外観だそう。
天守内部には城攻めに備えた狭間*6や石落としなどの設備はもちろんのこと、柱を補強する役割の包板や、木材不足を理由に天守閣までを貫く大きな柱ではなく、2階分までの短い通し柱が使われるなど、建築上の工夫が見られます。
家紋の瓦なども展示されているので、冷房がないとか言いつつ長居してしまいました。
また、松江城の天守からの眺めは爽快です。四方から気持ちのよい風が吹くなか、宍道湖や松江の町並みを見られます。
海もいいですが、湖が見られる城とゆーのはいいものです。
松江城の近くにはかつての町の趣を残す武家屋敷も建ち並んでいるので、タイムスリップ気分で散策してみるのはいかがでしょうか。
……と言いつつ、島鉄は武家屋敷を無視してある施設に向かいました。
そう、松江の有名人物「小泉八雲」の記念館へと。
小泉八雲を知る
松江城内公園は散策にはもってこいで、小泉八雲も散歩していたとか。
いいですねえ。
この城山稲荷神社には小泉八雲の気にいった石狐がたくさん祀られているとか。
想像の10倍くらい石狐が安置されていました。なかでも巨大かつ屋根つきで祀られている石狐が小泉八雲のお気に入りのものです。
これだけあればアナタの推し石狐*7も見つかるハズ。
おっと、石狐に夢中になりましたが、八雲さん*8を感じる旅はまだ始まったばかりです。
お堀を渡り、武家屋敷を眺めつつ歩いていくと、小泉八雲記念館にたどり着きます。
ちなみにここは改修されており、子供にも親しみをもってもらうためか八雲怪談の動画コーナーもありました。
八雲さんを知ってほしい、そんな思いが伝わってきます。
他にも小泉八雲ライブラリーがあるので、展示を一通り見終わったら怪談の世界に浸るのも悪くないです。色んな意味で涼しくなりますし。
島鉄的には小泉八雲が地球半周くらいの距離*9を転々とし、最後には日本の松江に着いたことが興味深く、世界各地の不思議な話を収集したことの分かる展示が面白かったです。
あと、新宿になぜ小泉八雲記念公園があるのか不思議だったのですが、館内の展示を見て小泉八雲が早稲田大学で教鞭をとり、大久保に居を構えていたことを知りました。なるほど。
ここ小泉八雲記念館は怪談だけでなく「八雲さん」の人生を追体験できる施設なのです。
そんな記念館の隣には……小泉八雲旧居が保存されています!
八雲づくし。
小泉八雲記念館に展示のあった「小泉八雲カスタムの机」が置いてあり、八雲さんがここにいたんだ……とゆー気分になること請け合いなので必見です。
外観・内装ともに伝統建築といった風情ですが、ネタバレになるので当記事には載せません。キミ自身の目で確かめてくれ!
季節や時間帯によると思いますが、島鉄訪問時は他に見学客がおらず、畳に座って庭を眺め、アンケートをのんびり書けるほどくつろげました。
この小泉八雲旧居は記念館と併せて(2館共通券)大人560円で入場できます。
松江城を見たあとは武家屋敷散策に、小泉八雲のたどった道を歩く。
松江観光のゴールデンルートですね。
最後は島根大
さあ、ここまで行ったらフツーは松江の観光スポットをある程度まわって満足なのですが、島鉄には行くべき場所があります。
それは……。
島根大学です!
せっかく島根に来たのだから島根大に行かないとね。
あのofficial髭男dismのメンバー(4人中3人)の母校ですし、以前より島根大への注目も集まっているハズ。
武家屋敷の並ぶ観光ゾーンから、住宅地へと入ります。地元の八百屋さんを見つけて、島根大に近づいている確信を得ました。ここまでの道中、2本飲み物を買った*10ので夏場に島根大へ訪れる際は熱中症に気を付けてください。それか素直にバスを使いましょう。
こまめな水分補給だいじ。
予備校やラーメン屋、カラオケ店にファストフード店など大学周辺には必ず存在する定番スポットを見つけテンションが上がります。
もしかしたら島鉄は、地元だけどヨソモノもいる大学特有の空間が好きなのかもしれません。
だから旅行中に大学構内を歩いていても、そこまで居心地が悪くないんですよね。
……いや、あんまり居心地よくない。よく考えてみると大学生時代に好きな空間は図書館とゼミの教室、クラブハウスくらいでした。
母校ですら居心地よい空間が少ないのだから、何の縁もない大学はなおさら気まずいです。
なんで大学キャンパス巡りしてるんだろ?
「何かよくわからない持論を展開して、自分で完結する時間浪費トークを見せつけられた……」とお思いの読者の皆さん。
島根大学を見て一緒に盛り上がりましょう。
どうですか?
ちょっと盛り上がりましたよね。
そーでもない??
……立派な建物ですよね。
学生憩いの場があります。いいですね。人が沢山いて近寄りがたい憩いの場も、いまなら憩い放題です*11。
まっすぐな構内の道をときたま自転車が走り抜けていきます。
いいね、国立大学はこうでなくちゃ。
広い駐輪場もあります。
この時期はちょうど休日かつ定期試験前なので、普段は駐輪場に自転車がギッシリ停まってそうです。
興味深いのは高低差があること。階段を上がっていくとキャンパスが一望……とゆーほどではありませんが眺められますし、生協や食堂の脇を歩いているといつの間にか高台に着いたり、と発見があるので楽しいです。
しかも遺跡もあります。歴史が深い。
島根大学の母体となった旧制松江高校時代の寮の址が高台の上にありました。
ここからしばらく歩いていくとクラブハウス棟が見えます。
う~ん、大学って感じ!
図らずも岡山大、島根大と大学キャンパス巡りをハシゴしてしまいました。
島根大学のロゴマーク(学章)が個人的に好きなデザインなので共有します。
水引きの丸結びのようなデザイン。島根県といえば出雲が「縁結び」スポットなので、そのことも影響してそうです。
島根大学のロゴマークをリニューアルしました | 国立大学法人 島根大学
知の結び、だそう。
学生がいそうでいない公園と自転車小売店を通り過ぎ、さすがに歩き疲れた島鉄はカットのみの格安理髪店前のバス停で、人と車を飲み込む広大な地場スーパーを眺めながら一息ついたのでした。
大学生じゃないのに大学をうろうろするのが結局楽しいだけなのかもしれません。
思えば大学時代も友達の大学へ行ったときは楽しかったし。
松江編が思った以上に長くなりました。
岡山や米子も楽しかったけど、松江が一番スキだからなのかもしれませんね。
松江に一度行ってみて下さい。後悔はさせません(←誰目線なんだ)。
あ、まだ出雲編があります。陰陽の旅、長いですね。
出雲の方がメジャーな観光地なのに後回しとゆー。それも埋物らしい……。