埋物の庭

埋物の庭

街中にあるつい見落とされがちで埋もれてしまっているもの(=埋物、まいぶつ)を紹介します。

新年初歩き~大田区で文学散歩~

明けましておめでとうございます。

ことしは月2回くらいはブログ記事を書きたいな、と考えている島鉄です。

 

書きたいけどあとでいいかな~。

と思ってるうちに記事書くタイミングを見失ってしまうので。

書く・即・ッターン*1

で2025年は行きたいと思います。

 

では街歩きブログらしく(?)新年歩いてみたところを記事にしてみますかね。

 

 

大田区を歩こう

新年そうそう行くところが大田区って……。

そう思ったそこのアナタ!

 

大田区は広いんですよ! 高級住宅街の田園調布、羽田空港、下町情緒あふれる蒲田……。色々な顔をもつ街がひとつになっているのです。

 

なにせ大田区とゆー名前も大森区蒲田区の合併でつけられた名前ですしね。

時代をさかのぼること70年前、1949年の大田区は大いに揺れていた。

大田区は1947年に大森区蒲田区が統合して誕生。新たな区名は、それぞれから“大”と“田”を一文字ずつとって大田区とした。

(中略)

今般、大田区は町工場の街、羽田空港門前町といったイメージで語られることが多い。それは平成の30年間で強くなったイメージであり、昭和50年代までの大田区はものづくり産業だけではなく、商業地域としてもにぎわい、海苔の養殖なども盛んだった。なにより、高級住宅街が広がる住民自治意識の高いエリアでもあった。

最近では羽田空港による恩恵もあって、区の中心的な役割はJRの蒲田駅京急蒲田駅一帯に移りつつある。しかし、昭和50年代までの大田区で、街のにぎわいを牽引したのは大森駅周辺だった。大森駅一帯には、ダイシン百貨店(現・MEGAドン・キホーテ大森山王店)や2019年5月に営業を終了したばかりの高級スーパー・カドヤ食品が軒を連ねていた。そうした高級店が並んでいたことからも、往時の一端を窺える。

引用:東洋経済オンライン2019/07/07 小川 裕夫『かつて大田区の中心は蒲田でなく「大森」だった』https://toyokeizai.net/articles/-/290604(2025年1月5日参照)

 

大田区の記事を書くのは神代行列の記事書いた時以来かもしれないなあ。

 

my-butsu.hatenablog.com

とゆーわけで、大田区に行きました。あてもなく馬込まで。

なぜ馬込かとゆーと、いままで行ったことがないからです。

馬込に詳しくない方に分かりやすく説明しますと、都営地下鉄浅草線の終着駅周辺です。

押上はスカイツリーで全国的に知られましたね

 

文人の街、馬込

思い立ったのが午後なので明るい写真は一枚もありません。思い立ったが吉日です。

さて急に住宅街の一角を撮影した写真を見せられて、読者諸賢におかれましては当惑されているかもしれません。

島鉄Googleマップで”ここ“を見つけたときは当惑しました。

 

なんとここ……! あの……!!

ほんとに……?

三島由紀夫先生*2の邸宅があります。

 

三島由紀夫記念館は山中湖にあるし、同姓同名……いやそんなわけはない。

調べてみると本当に三島由紀夫の邸宅でした。

 

三島由紀夫の家

この写真集のまんまです。明るいうちに行けばよかったな。

ちなみに一般公開されているわけではない(住んでいる方がいます)ので、あまりジロジロと眺めることはできません。

ふーむ、大田区文人が多く住んでいるのかな?

 

地元小学校にて

おお! 小学校の金網にも文化人についてまとめられたシートが!

宇野千代のクイズ、「何人の男の人とけ結こんしてりこんしたでしょう」なのちょっと面白いですね。島鉄も、宇野千代氏の奔放な生涯を知って驚いた記憶があります。

 

こんな感じで大田区界隈を歩いていると色んな文人の紹介をする碑が建っているので、その気がなくとも文学散歩できます。いやはや、知らなかったなあ。

 

公園に神社!? 

なんと、公園に神社が!

いや、神社の境内を公園にしているのかな?

池の外が公園、池を渡ると神社。

伊勢神宮もそうですが、水によって神域と俗世界を分けるとゆーことなのかな。

https://www.tripadvisor.jp/LocationPhotoDirectLink-g1066454-d11808108-i457063879-Sanno_Hanashimizu_Park-Ota_Tokyo_Tokyo_Prefecture_Kanto.html

調べてみると山王厳島神社、だそうで弁天池なんですね。

なるほど、上野の弁天様も不忍池に囲まれていますし、広島厳島神社の弁天様も小さな池に囲まれてました*3

 

さらにテクテク歩いて大森駅まで行ってみましょう。

大森駅まで

大森は文学フリマの帰りに寄った時以来でしょうか。

下町情緒あふれるステキな街だったと記憶しています。

面白いかたちの建物を発見!

文人の邸宅……ではありませんが、興味を惹かれますね。

http://www.nissokanzai.com/paotube.htm

調べたところ、デザイナーズマンションでなんとホンモノの水道土管を用いているそーな。住んでみたいですが、空きはなさそう。

 

こんなところに……

大森駅にそろそろ着くかな、と歩いていたら駐車場の一角に「和辻哲郎」の石碑が!

ここに住んでいたのですねえ。

 

和辻哲郎といえば、日本の古建築・古美術を記した『古寺巡礼』や、地域によって異なる自然環境が文明の発達・そこに暮らす人間像に影響を与えるという説を投げかけた『風土』などで知られる戦前を代表する哲学者です。

UTokyo BiblioPlaza - 和辻哲郎の人文学

そんな人の石碑が駐車場にあるなんて……。旧居、記念館か駐車場になりがち。

 

ちなみに和辻哲郎の生まれた家の石碑は姫路市の山中、播但線の近くにあります。

とゆーことは兵庫縦断をしたいそのくんは訪れているかもしれませんね。

 

 

inumachi.stores.jp

露骨なオノレの同人誌紹介をしてしまいました。

『埋物の庭』はAmazonだとまとめ買いもできるんだなあ(←知らなかった)。

 

閑話休題

大森駅に着いた~!!

いいですねえ、下町かつアーケードあり。

駅前には文人の街であることをアピールする銘板もありました。

蒲田とはまた違った趣が大森にはあります。

 

なぜこんなに馬込・大森周辺に文化人が集まったのかとゆーと、関東大震災後に移り住んだからなんですね。散歩して大森駅へたどり着き、解が分かる……粋ですねえ(グーゼン)。

www.magome-bunshimura.jp

でかい

あと巨大団地もあったので島鉄的にすきポイントが高い街です。

懐かしい雰囲気のある駅ビル、RaRaには「いそ野」とゆー店がありました。

島鉄はありませんでした。残念。

3Fのテナント、絶対音感・総合音楽教室が個人的に気になります。

なんかやたらサロンやらマッサージ屋さんが集まっているフロアもあるし。

 

大森の団地を見て2023年に行った韓国ソウルのアパートメント群を思い出した島鉄でした。

次はどこを歩こうかな。

*1:Enterキーをカッコよく押した音

*2:実際の事件を元に書いた小説『金閣寺』や舞台・ドラマ化された『豊饒の海』などで知られる。市谷駐屯地で自衛隊にクーデターを呼びかけたのち割腹死を遂げたことでも有名

*3:広島の厳島神社は宮島なのでそもそも海に囲まれていますが