みなさん、神に感謝していますか?日々労働していますか?
島鉄です。のっけから「玄関を開けたらいる人」みたいな文で始まり、不安を覚えた方もいるかもしれませんが、宗教勧誘とか怪文書を垂れ流す*1わけではありません(予定)ので、ご安心ください。
過去にこんな記事も書いていますが、内容はいたってフツーです。
とりあえず、無職でも神に感謝している人と働きマン(ウーマン)がこの日本の大半を占めていると思うのですが、わたくし島鉄も勤め人です。
納税してえらい!ですよね。
タイトルにある通り(?)去る11月23日は勤労感謝の日でした。
しかし!もともとこの日が勤労を感謝する日ではなく、別の祝祭日だったことをご存じでしょうか。
そう、この11月23日は元々は戦前「新嘗祭」として祭日に指定されていました(戦後、宮中行事として「新嘗祭」は行われています)。
この日は、神道的には神々に新しく収穫された穀物を捧げて感謝する日なのですね。
そんな勤労感謝もとい神に感謝する日、大田区蒲田では一風変わった行事が行われています。
神命大神宮による「神代行列」です。
ん?神命大神宮?ナニソレ??
と思われる方も多いでしょう。神命大神宮はいわゆる新宗教*2にカテゴライズされる神道系宗教で、開祖はコマツ製作所(大田区に本社のあるメーカー。建設機械で有名なコマツとは無関係です)の社長夫人である小松神擁女史。大田区を拠点としています。
精神界の母、逝く 『神命大神宮』(東京大田区)の開祖「小松神擁(しんよう)」様が他... - 原田義昭(ハラダヨシアキ) | 選挙ドットコム
(新宗教教団の連合会もあります。不勉強のため知りませんでした、反省)
島鉄は年に1度の「勤労感謝の日」に行われる教団のパレード(儀式ではありますが)、「神代行列」を一目見ようと、蒲田駅に向かったのでした。
↓↓以下HPより引用↓↓
その御神業(おはたらき)は、現人類に及ぼし実在して、その働きを御与え下されています。
何故に偉大なる神様が、この地《注:大田区》を御選びになられたのか、神様は日々の生活において肉体を以って働く人にこそ、健康な心身と体力が必要である筈、それ故に神が山の中(伊勢)に居たのでは、その力を与えることは不可能であろうと、神様の方から、人々に接するために、日本の中心、且つ働く者が昼夜の変わりなく一番人口密度の高い大田区の、そのまた最高人口のこの土地を高い天空より御覧になられて、御降臨(ごこうりん)なされたものであります。
神様は素直に素朴に努力する勤労者を見守って下さいます。神命大神宮(しんめいだいじんぐう)は、その神様の御言葉を直接に拝聴し、御指導を賜(たまわ)れる、神様の御活躍のあるお宮であります。(中略)
神命大神宮は、万人にひらかれて、いつでもご参拝ができます。また、神命大神宮の古式ゆかしいお祭りにぜひご家族揃ってご参加頂き、幸せづくりの運を頂きましょう。
だそうです。
ブルーカラー労働者に寄り添う、めちゃくちゃいい神様じゃないですか~!
なんで大田区?という疑問(やっぱりコマツ製作所の本社があるからでしょうか)も一挙に解消です。ちなみに「神命」と字は違いますが、伝統的神道でも「神明社、神明宮」は天照大神を祀っている神社のことを指します。
よーし!いっちょ神々の織り成す一大パレードをみてみましょう!!
蒲田駅前。13時からいよいよ神命大神宮・神代行列が始まりました。
駅前にいた人たちは全員「神代行列」を知っているわけではないので、物珍しさからカメラを向ける姿も多くみられました。
雅楽は若干、君が代っぽい。時勢柄、皆さんマスク着用でした(この後おいでます神々は口元の見えるマウスガード)。
このまま行列は神命大神宮本部まで練り歩きます。
しかしながら、車道すべてを占有しているわけではないので、行列の横を京急バスや普通の軽自動車も通過していきます。
なんかシュールな写真も撮影できました。神とトラック、チャリに乗ったおっちゃん……今後の人生でこの三者が並んでいる姿は見ることがないかもしれません。
日本各地の神話や昔話が行列で展開されます。
とゆーか、先導する車の案内を聞いてると最終的にマーチングバンドが出てくるみたいです。
世界平和を祈願するための行列なのだとか。世界と日本の玄関口……というフレーズは羽田空港近くなだけあってうまいですね。
個人的にツボだったのは、岩戸に手をかけながら、なかなかオープンさせてもらえない天手力男命(後で知りましたが、完全オープンにはならないみたいですね)です。
若干開いた岩戸の中はピカピカしてます。パチンコみたいですね。
天宇受売命はこの間踊りっぱなし。日本のダンシングクイーンと言えましょう。
天女?世界遺産?
となってしまいましたが富士の天女の羽衣伝説と富士山世界遺産登録について触れているのでしょう。
なぜかBGMはボカロ調でした。
続く日本武尊は迫力たっぷりです。
とゆーかBGMが勇壮で遠い昔はるかかなたの大田区で……まんまスターウォーズ。
これ、著作権的に大丈夫なんでしょーか?!とにかくカッコイイ!
結局、教団本部まで神々とともに歩いてしまったのですが、先述の神命大神宮・神代行列の先導車のセリフを何回も聞き「2時間近くも同じ事繰り返し言うの大変だな……」と思いました。
車道にこんなに塩撒いてるの、初めて見た。
雪国くらいじゃないですか?道路に塩を撒いてるの。
めちゃくちゃシャボン玉を発生させてます。山幸彦と海幸彦の話は東南アジア諸国にも似た神話があり、弟神の山幸彦が兄の海幸彦の釣り針を失くしたエピソード、いわゆる釣針喪失譚、「釣り針型神話」とも呼ばれています。
めちゃくちゃザックリかみ砕くと、兄貴に頭の上がらない弟が海神の娘(豊玉姫)と出会い、海神のスゴいアイテムを使って兄貴を従える……という話です。
いやー、スッキリする話ですね。
朝廷と隼人(九州南部の朝廷に従わない集団)の戦いを神話に落とし込んだ、とも言われています。
浦島太郎(海の底へ行き、陸に戻ると時間が経過していたという点が類似)の元ネタとして紹介されていました。玉手箱ってシャボン玉発生装置だったんですね。
こちらのBGMはお洒落なクラブミュージック。統一感が全くない神代行列。ユルくていいですね。
日々の練習の成果を見せています。寒いけど頑張れー。
もはや神代行列とはなんなのか分からなくなってきました。でも、一度はやってみたいよね、パレードとあらばやっぱりマーチングバンドでしょ!
そんなノリな気がします。ユルい。
「かぐや姫」の竹取の翁の家、なぜか表札にかぐや姫って書いていることと、竹から出てくるベイビーが日本人離れしたお顔立ちなことが笑えます。
環八は車線減少してるみたいなんですが、このまま神代行列の皆さんは神明大神宮本部まで練り歩くのですね、大変そう。
ちなみに神々のみならず、フツーのお祭りと変わらない(?)神輿も練り歩いています。担ぎ手の皆さんはイチ、イチ、と声を合わせて歩いておりました。あれ、大変ですよねぇ。私はチビなので肩に毎回木が当たって青タン作って以来神輿担ぎたいと思ったことはないですが……。
因幡の白兎、かなり後ろの方に離されちゃってるな……。
子どもたち(小さなうさぎとサメ)も一緒に踊ってます。楽しそう。
サメとうさぎが踊ってるのですが、後半になるにつれて元気がなくなってました。特にサメはだんだん力がなくなり、行列開始から1時間半後には岩に手をついて休んでいました。
ガンバ!サメ!!寒い中小さなうさぎとサメもがんばってます。
あと、桃太郎の赤鬼がウエストポーチ(赤いやつ)しててかわいい、との声が沿道から漏れ聞こえてきました。ああいう小道具しまうウエストポーチ、必須ですよね。
途中で桃太郎のイヌが頭脱いでたんですが、やはりそのユルい感じが好きですね。2時間も被りっぱなしじゃムレるものね。
岩戸がピカピカ、でおなじみ天の岩戸で2時間近く踊り続けていたアマノウズメにも脱帽です。まさしくオドループやん。寒い中お疲れ様でした(神は疲れないかもしれませんけど)。天手力男命も2時間ずっと開けようと奮起していました。お疲れ様です。
ちなみに那須の神命大神宮の別宮には巨大な黄金の天手力男命(あまのたぢからおのみこと)神像があるみたいです。うーん、ゴージャス。
サルタヒコが歩いています。某漫画のせいで天狗の面を見ると、「判断が遅い」とビンタされそうでビビッてしまいます。教団本部近くに来ると神々は各自曳き物から降りてそぞろ歩いていくのですね。
京急線の踏切を神々が歩いて本部へ向かうのは、なかなかシュールです。
うーん、近くの神社と見比べるとやっぱり教団本部の大きさはダンチですね。
歩いているとキリスト教の教会を発見しました。大田区糀谷、なんらかの聖地なのかもしれないですね。
教団本部には歩き切った神々(と子どもたち)に対して暖かい汁物がふるまわれていました。
思えば私も幼いころ、1月の新春パレードで30分ほどですが車道をそぞろ歩き(半袖半ズボンで!寒くて嫌でした)、早くパレードを終えたい、そして暖房の効いた部屋でふるまわれるカレーを食べたい、と切望したものでした。
2時間も歩き切った(とゆーか曳き物に引かれた?)神&人々には畏敬の念を覚えます。
なんだかんだ楽しみながら神代行列についていき、最終的に神命大神宮の教団本部までたどり着いたわけですが、皆さんも祭りをやってる一体感を手ごろに味わえ、非日常感にクラッとする「神命大神宮・神代行列」を一度、沿道から見てみてはいかがでしょーか。
来年の神代行列まであと346日かあ……。覚えていたら勤労感謝の日の午後に蒲田駅へ行ってみて下さい。来年も私は見に行くかもしれません……。
【島鉄】