埋物の庭

埋物の庭

街中にあるつい見落とされがちで埋もれてしまっているもの(=埋物、まいぶつ)を紹介します。

徳島旅行

休日。どこかへ行きたい、と思って地図を眺めると徳島に行ったことがないと気づいた。

 

調べると兵庫の舞子から(あるいは三宮からでも)バスで行けるらしい。

宿を予約して一泊の旅行をすることにした。

 

JR舞子駅で下車して明石海峡大橋の上にあるバス乗り場・高速舞子まで上がる。

 

 

四国方面のいろいろなバスが出ている。関西と四国の結びつきを感じる。

予定どおりバスが来て乗る。

 

 

明石海峡大橋を渡る。淡路島を経由して四国に入るルートだ。

窓から海を眺める。

 

 

今回旅行をしたくなったのは、日々の悩みから離れたいという気持ちもあった。

人間関係の悩みだ。

 

私は在宅勤務をメインに仕事をしていて、週に1~2回の出社を除いては一日を家で過ごしている。家ではひとり暮らし。

 

通勤やオフィスにいることのわずらわしさから開放されたが、ずっとひとりでいると困ることもある。

 

一日中自分自身の思考と向き合わなければならないのだ。移動や人との関わりがある外と違って、思考が切り替わる契機がほとんどない。そうすると、なにをしていてもずっと同じことを考え続けることができてしまう。悩みがあるときはこれが辛い。

 

世の中の在宅勤務者はいったい気分転換をどうしているのだろう。だれかと(あるいはペットでも)一緒に住んでいればもっと気晴らしができるのかもしれない。ほかには同僚とオンラインで雑談するとか?散歩するとか?

 

ともかく、私の場合はまだこのひとり悩み続けてしまう問題の解決策が見つかっていない。だから旅に出たら気分が変わると思ったのだ。

 

徳島駅

 

しかし結論からいうと全然変わらなかった。悩む場所が家から旅先に変わっただけだ。旅行もだれともほとんど話すことなくできてしまうわけで。

 

徳島ラーメン

 

せっかくの旅行なのに心から楽しめていない。

『日常』で遊園地に遊びに来て財布をなくしてしまったゆっこのように。

 

glaccitta cafe

 

新町川

 

たまにこういうダウナーな気分の旅行をすることがある。

しかし旅が終わりしばらくして振りかえってみると、家にいるよりは、やっぱり旅をしてよかったと思うのだ。だから、すぐには効かないかもしれないけど。きっと。

 

宿にチェックインして街をぶらぶらしている間に夜になる。

 

虹の橋病院グループ、めっちゃ目立ってる

 

徳島駅周辺の居酒屋で夜ごはんを食べる。

 

安兵衛

 

店内はにぎわっていた。

テキパキと注文を受けたり料理をつくる店の人やお客さんを眺めながら食事をする。

 

 

かつおのたたきは高知が有名だけど徳島でも美味しかった。にんにくが大きくてガツンとくる。

 

 

ほどよくお腹がいっぱいになって、繁華街の秋田町の方へ歩く。

 

やらかしそう

 

少し元気出た

 

秋田町・紺屋町界隈には飲み屋がたくさんあった。

 

 

まだ早い時間だったからか空いているお店は少ない

早めの時間から開いているバーに入ってお酒を飲んだ。

 

BAR HIGUCHI。パッソア・グレープフルーツ

 

カメラを持っていたので、お店の人がこんなのあるよといろいろ見せてくれた。

 

ワイルドターキーの珍しいボトル

 

常連さんからのはっさくの差し入れ

 

常連さんから、坐禅を12年やってようやくなにかわかってきたという話を聞いたりした。続けることは大事だよねという結論にそのとおりだと思った。飲んでいるときのこういうあたりまえの大事さを改めて確認する話の流れがけっこう好きだ。

 

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翌日、東新町商店街近くの喫茶店でモーニングをとっていると雪が降ってきた。

 

ENFANT

 

四国で雪はたぶん珍しい。まあ降ったり止んだりだし、雨でなくてよかったと思う。

 

徳島といえば眉山阿波おどり会館からロープウェイに乗ろうとすると、

 

 

まじか

 

点検で運休していた。こういうこともある。

 

調べると徒歩でも30分ほどで登れるらしい。せっかくなら登っておきたい。

徳島眉山天神社の裏から思ってもなかった登山を始める。

 

階段

 

 

 

あ、ミッ◯ーとミ◯ー!

 

まずいですよ

 

案内板を過ぎると一気に急な登山道になった。

 

 

 

急坂がずっと続いて息も絶え絶え登った。

このときばかりは悩みごとを考えている余裕もなかった。悩んでいるときは運動がいいかもしれない。

 

そして、頂上に着いた。

海まで見渡せる眺めが広がっていた。

 

頑張って登ってよかった

 

自販機がラッピングされている。

 

 

Fate/stay nightの桜が士郎たちと阿波おどりをしている。似合ってるし平和な光景に、彼女の境遇を思うとぐっときた。

 

徳島にはアニメーション制作会社のufotableFate鬼滅の刃などを制作)がスタジオを構えている。市内で映画館のufotable CINEMAを運営しているほか、街おこしにも関わっているようで、あちこちでポスターを見かけた。このラッピング自販機もその一環だろう。

 

Fate/hollow ataraxiaのカレン(白い髪の人)*1がいてうれしかった

 

下山するとけっこう登った(277m)のがわかる。

 


昼になったので、食事処を探すとそば屋があったので入る。

 

総本家 橋本

 

親子丼も美味しかったし、

 

 

生そば(1人前が2つのお碗)もよかった。

 

 

店から外に出ると、道路の緑地帯にヤシの木が伸びていた。

 

 

ヤシの木は、徳島駅から眉山までの徳島駅前通り沿いに続いている。

おかげで南国ムードを醸し出している。こういう雰囲気ヤシの木は全国にあって、千葉や和歌山、宮崎などが有名だ。

ヤシの木は南国/ハワイのイメージを演出するために戦後の日本で植えられてきた歴史がある。そのあたりの話はサークル綜合果汁さんの『雰囲気ヤシの木』に詳しいので興味があればご一読を。

 

 

ヤシの木は背が高いなあと眺めていると、歩道になにか落ちていた。

 

 

ヤシの木の皮だ。

これだけ長い幹だ。そりゃ皮もたくさん剥がれるわけで。

 

 

道路にもたくさん落ちていた。

 

さて、行きは兵庫からバスできたのだが、帰りは違うルートで帰ってみたくなった。

そこで南海フェリーである。

 

nankai-ferry.co.jp

 

 



南海フェリー

南海フェリー公式サイトより

 

南海フェリーは、鉄道でおなじみの南海が運営するフェリーで、徳島港和歌山港を約2時間15分で結んでいる。値段はリーズナブルで、徳島港⇔なんばの船と鉄道のセット券「好きっぷ」は2500円で販売されている。

 

案外この航路は知らない方もいるのではないだろうか。

船旅には鉄道やバスとはまた違う旅情があり、私は機会があれば乗ることにしている。

 

というわけで徳島駅から徳島港までバスで移動する。

 

フェリーには車でも乗れる

 

四国で南海のロゴを見るとは

 

悩みモードはまだ続いていて、甲板でぼーとしている。

朝から断続的に降っている雪がここにきて一段と強くなった。風も吹いてとても寒い。

 

 

フェリーが港から出発して、徳島の街から離れていく。

昼前に息を切らして登った眉山が見える。

 

 

あの頂上に行ったんだと思うと、少し誇らしい気持ちになる。

悩んでいる間もちゃんと時間は流れていて、なにか行動をすれば変化はあるのだと思った。

 

 

雪が止んで空が晴れる。現代文の情景描写のように。

気持ちはいまいち晴れていないけど。

 

 

やがて船の進行方向に陸地が見えてくる。

見渡す限り海だった寄る辺のなさと、陸に近づいた安堵感。

自分自身の孤独と、つながりを求める心のはたらき。

 

 

やがて船は和歌山港に着いて、私は日常へと帰るのであった。

*1:Fate/hollow ataraxia』は『Fate/stay night』のファンディスクで続編。2025年3月時点ではアニメ化されていない。カレンは、Fateの桜、空の境界の浅上タイプのキャラで、いそのの一推しである。