埋物の庭

埋物の庭

街中にあるつい見落とされがちで埋もれてしまっているもの(=埋物、まいぶつ)を紹介します。

狛江についてほとんど知らない

みなさんは狛江市をご存知だろうか。

 

狛江市は東京の西のほう、調布市の隣にある。

調布の実家に帰省したときふと衝撃的なことに気づいてしまった。

 

ぼくは狛江についてほとんど知らない。

 

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野川沿いのジト目のキリン

 

中学1年生から高校3年生まで調布に住んでいたのに、隣の狛江市についてなにか語ろうとしてもなにも思い浮かばないのだ。狛江にある駅(たぶん狛江駅はあるだろう)、観光名所、市の特徴…だめだ。

 

今住んでいる近隣の新宿区・豊島区・文京区についてはけっこう詳しい。新宿区は新宿駅近くは繁華街だけど北の方は住宅街だよとか、文京区は名前のとおり大学が多いよとか。街を歩いた経験と知識が街のイメージとして頭にある。

 

一方で考えてみると、ぼくは中高生のとき実家近くでは自転車で本屋とかマックとか川に行くだけだった。街を面的に捉えておらず、ついにイメージを形成するには至らなかったのだ。

 

さてだからといって今回帰省ついでに狛江市を歩いてもみなかった。狛江についてこれだけなにも知らないのがかえっておもしろくなり、もうしばらくそのままにしておこうと思ったのだ。

 

帰省中には野川を歩いて調布の深大寺に行ってみた。深大寺に行ったのも実は初めてで、自分が高校生までいかに街に興味がなかったか分かる。

 

こうして街歩きブログを書いているぼくは本当に当時のぼくと同一人物なのだろうか。実は当時までの<ぼく>はある日落雷に打たれて死んでいて、今のぼくはその横で沼と雷の化学反応で発生したスワンプマンなのかもしれない。

 

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野川は階段を降りて川岸を歩けるのがよい

 

 

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黄色い花 (花についてもほとんど知らないな)

 

 

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神代植物公園のこんもりした丘

 

 

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人々の憩う広場

 

 

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流行りのイカのたこ

 

狛江に詳しい人がいたら、話を聞いてみたい。

 

(いその)

令和3年(2021)にやりたいこと(やらねば)

みなさん、あけましておめでとうございました。島鉄だす。

さすがに1月も半ばなので過去形で新年のあいさつとさせていただきます。

 

今年はどんど焼き左義長どんと焼きとも)の火も例年より弱めですね。

 

いそのくんが「一年の計は元旦にあり」的な記事を挙げていたので、私もなんか書こうと思いまして平たくいうとパクリ記事を書きました。

 

妙見島の記事をセコセコ書いてたのですが、そちらよりこちらのほうが書きやすそうですしね。

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2021年にやりたいこと

どうも、いそのです。

 

2021年になりました。年の初めにやりたいことを宣言すると年初からやる気がでるので今年も書きたいと思います。

 

ちなみに2020年のはこれです。

コロナがあって思うように出かけられませんでしたが、同人誌が出せてよかったです。

 


 

埋物の庭 vol.2 迂回

埋物の庭 vol.2 迂回

 

 

 

文章を書く

同人誌のなかで元家くんが小説を書いていて、それを読んでぼくもなにか書きたいと思いました。創作の物語のなかではウイルスのことを考えなくてもいいですし、行きたいところにも自由に行けます。

とりあえず短いのを書いたら出します。

 

街を歩く

東京は緊急事態宣言が出ている最中ですが、落ち着いたらぶらぶら街を歩きたいです。

今回同人誌の記事で東京縦断をしましたが、県を縦断するのをまたやってみたいです。今のところ石川県に非常に魅力を感じています。

 

 

https://livedoor.blogimg.jp/kanazawadays/imgs/0/6/060ea39c.jpg

 

音楽 弾く/作る

実は2年前くらいにシンセサイザーを買いました。Rolandのけっこういいやつです。

 


コードを練習して歌ったり、楽譜をダウンロードして弾いているのですが、独学では限界を感じています。最近はオンラインでピアノを習えるようなので、やってみたいです。

 

2020年は藤井風を知ったのが衝撃でした

 

あと打ち込みで音楽を作りたいです。

ポップスのアレンジとか、Lo-fi Hip Hopとか、サンプリングでなにかできたらなと。

ボカロもきりたんとかNEUTRINO系の歌声合成ソフトが公開されている(しかも無料で!)ので手を出してみたいです。

 

いちおうアカウントはもうある

 

とりあえず聴いてほしい

 

本を読む

2020年はかなり家で過ごす時間があったんですが、思ったよりも本が読めませんでした。ついついネットを見ちゃうんですよね。

意識してオフラインの時間をとって積読してる本を読みます。

 

というわけで今年もよろしくお願いします。

 

 

 (いその)

【告知】埋物の庭 vol.2 出しました

2020年も終わろうとしています。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 

いそのです。

 

はにわ会(このブログはいそのと島鉄で運営しています)で同人誌を出しました。

 

 

埋物の庭 vol.2 迂回

埋物の庭 vol.2 迂回

 

 

 

 埋物の庭 vol.2です。今回のテーマは「迂回」。

 

ふつう迂回は必要に迫られてするものですが、あえてする迂回もおもしろいものです。

 

今回の記事は3つ。

 

・東京を縦断しながら旧町名を探す・・・いその

・JRを使わないで東京の日本橋から大阪の日本橋に行く・・・島鉄

・ ロスト・バゲージ(小説)・・・友人の元家くん

 

お正月のご自宅で気楽に読んでいただければと思います。

 

まだまだスペースがあるのでポスターを大きめに貼っておきます。

 

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このポスターは、締め切りぎりぎりの深夜に突然凝って作り始めた元・序文ページです。

 

主張が強いので結局本のなかでは使いませんでしたが、せっかくなのでポスターとして使うことにしました。あの時間も含めてまさに迂回ってかんじで気に入ってます。

 

それではよいお年を。

 

(いその)

ミョーケン島見記(前編)

どーも皆さん。島鉄です。

 

もう結構前になってしまいましたが、イソノくんが大島に行っていたのを

ヒジョーにうらやましく思っていました。東京の島って東京なのにアイランド

っていう意外性とお得感があるゆえにいいですよね。前半の文章意味不明ですが、なんとなく伝わりますよね?いいですよね、島。

 

っつーわけで島に行ってきましたよ!し・か・も大東京の片隅の自然島でございます。

ja.wikipedia.org

誰ですか、中州じゃん?とか言った人は。中州も立派な島なのですよ。

 

ブラジルの世界最大の中州であるマラジョ島は九州より巨大な4万㎢もの面積です。

アマゾン川流域はスケールが違いますね。

個人的には大阪中之島が好きです。

nakanoshima-daigaku.net

『島民』は必読書。都会的な親水地域って夜景も眺められるし利便性もあっていいですよね。

 

さて中州の話はその辺にしておきまして、私が今回向かった妙見島は東京都江戸川区と千葉県浦安市の境となる江戸川に位置する東西200m、南北700mの孤島なのであります。



 

 


「タモリ倶楽部」東京23区で唯一の自然島“妙見島”でリゾート気分を満喫 2011年10月14日放送【もうやん】

ちなみにタモリ倶楽部でも取り上げられていました。

 

江戸川に浮かぶ妙見島 :: デイリーポータルZ

デイリーポータルZでも取り上げられています。

リンクはわざわざ貼りませんが、東京DEEP案内なんかでも取り上げられていますね。

 

いったい何番煎じなんだ?

とも思いましたが、私にとっては初上陸なので一番でーす。

www.tt.em-net.ne.jp

新大陸発見は傲慢な言い方と改められ、一番乗りですらなかったと言われるコロンブスさんにシンパシーを感じます。コロンブスの卵的な発想の転換でポジっていきます!



まず上陸には千葉県に行かねばなりません。急がば回れ

東京ディズニーランド開園当初はここからバスで向かっていたと思うと不思議な気分です。

 

夢の国への入り口とは思えぬ駅前。

 

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アコムがお出迎えする一般的な日本の駅前。パチンコもあるでよ!

駅前にあったものをかいつまんで紹介いたしますと……。

 

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何が書いてあるのか読めない浦安地元のサッカーチーム

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ゴリラのカレー屋さん。メスゴリラはとりあえずリボン装着なのがgood

正直もうこの辺でおなかいっぱいなのですが、島に向けて歩くとさらに見つかる物件が。

 

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まごうことなき鳥小屋。なんで?

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まごうことなきガンジャ。リバティーって意味深……

浦安、駅周辺だけでこんなに濃いなんて……!妙見島につくまで身が持つのか不安です。

 

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 デーンとお出迎え


ラブホテルダイヤモンドを越えると行先案内板の通り妙見島はすぐそこです。

 

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橋を渡ると島へ行く感じでますね~。地下鉄東西線の電車や葛西臨海公園の観覧車が見えます。いよいよ妙見島の姿が見えてきました。

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川岸のコンクリート壁にでかでかと書かれたSEXの文字(犯行予告みたいで素敵)が独特の臭気を漂わせていますが、想像通りインダストリーな島ですねこれは。

 

島の案内図が親切にも用意されています。なんて親切なんでしょう。

はがれかけていますが。島の端っこに橋が架かっているんですね(シャレ?)。

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ブルワリーが気になる。基本的に工場の島だとみてとれます

 とりあえず川沿いを歩いてみますかね。

 

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こんなに小さな島だけど重機が通ります。最初は橋から降りてきたんでしょーか。

さっそく工場を見つけました。こういうところにくると大自然のスケールとは違った意味での人工物の大きさに圧倒されますよね。

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砂山あるいはボタ山のような土の山です。手前の軽自動車と比較してみるとその大きさが分かります。この土くれはいったい何に使うのでしょーか。

 

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工事が終われば元の場所に戻してくれるのがいいですね

江戸川の工事に伴い小さな祠は移動する必要があるみたいです。とはいえ誰の管理しているものなのか都も把握してないみたいですね。お顔も削れて何をお祭りしているのやら碑もないため分かりませんでした。「妙見」の名前の通り島内には妙見菩薩を祀った神社もあるのですが……。

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左側の2Lペットボトルはお供えなのだろーか。お供え物ではなかなか見ないチョイスです

祠に一礼して先を進むとある施設が目に入ります(もっとも、一本道なので最初から目には入ってますが)。

 

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おそらく勤め先があるわけでもない個人が妙見島に訪れるとすればココ、YAMAHAマリーナニューポートに用事のある場合くらいでしょう。

海の駅にも指定されている……海の駅ってなんなんだぜ?

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全国171か所も海の駅はあるみたいです。東京都は夢の島とここ江戸川の2か所

www.umi-eki.jp

 

各海の駅の紹介ページには、海からのアクセスも書かれています。海の駅ならではですね。

ボートを一艘も持っていないボンビーな島鉄は、愛船《光進丸》が炎上してしまったときの加山雄三さんの面持ちで先へと進みます。

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ぶらタモリでも取り上げられていた月島食品工業のよく目立つ銀の球形タンク。

この月島食品工業の出入り口近くに妙見神社があります。

 月島食品工業(株)は食用加工に使う食品油脂やマーガリンなどの食品素材を主に製造しているみたいです。

tsukishima.co.jp

 

ここで月島食品工業の敷地前に妙見神社があるのを発見しました。

ぜひ参拝しようと思っていたので鳥居をくぐります。

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妙見菩薩はいるのかな?神仏習合

この妙見神社は『信長の野望』ユーザーにはおなじみ北条氏と対立しまくりの豪族千葉氏、の守護神である妙見菩薩を祀った妙見堂がもととなっているみたいです。

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『新編武蔵風土記稿』巻之二十八より。もちろん自力で見つけたわけではありません。

shrine.iki-kiru.com

 

取材が無事に終わることを祈念して後を去ります。お供え物に羊羹が置いてあったけど私も何か持ってくればよかったかな。2Lのペットボトルはさすがに持ってないけど。

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一瞬お供え物かと思った。お神酒枠?ゴミは持ち帰りましょうね!

月島食品工業の敷地内には当然入れませんのでここで来た道を引き返すことに……。
 

団地好きとしては気になった建物。工場の職員用の社宅でしょうか、妙見神社の横に建っています。

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職住接近ですね

 

戦後すぐから60年代のような低層ではないけど80年代以降のマンモス高層団地とも昨今のタワマン型団地とも違う絶妙な高さです。

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ここも社宅っぽいのですが、扉に会社名があるので謎です

工場の外をパシャパシャ写真に収めてすごすごと立ち去ります。


さてここでインダストリアル萌えな写真が撮れたのでご紹介します。

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錆びている配管ってなんでこんなに魅力的なんだろう

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タンクに絡みつくような螺旋階段と縦横無尽に伸びる配管。素敵。

ここで働いていたら当たり前すぎてスルーしてしまいそうですが、日常生活ではめったに目にしない大きさのタンクだったり無数の配管を見るとドキドキしてしまいます。

 

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お気軽に入れるみたいですよ

工業地帯は当然ですが会社敷地内には入れません。いちおー工場見学もできるみたいです。この日は日曜日でアポなしかつ一人だったこともありお気軽に見学申し込み、とはいきませんでしたが、せっかくなので機会があればお邪魔したいですね……!

大体見るべきものは見た、という感じです。島自体が小さいうえに一般人の立ち入りができる範囲は思った以上にないですね。

 

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心配してくれるんだね。私に向けての看板ではないだろうけど。

ありがとー。気をつけて帰るよ。

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あと、このスプレーを吹き付けて作るタイプのフォントが気になります。理由はかっこいいから。

 ステンシルフォントとゆーのか。ふむふむ。

kurashi-no.jp

 

そのまま歩いていくと気になる看板が。
川沿いということもあって絶好の立ちションスポットとなっているみたいですね。

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やるな、といわれるとついやってしまうのか

めちゃくちゃ立ち小便を警戒している図と化してますね。等間隔に貼られています。

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警戒しすぎでは?と思うほどにはいるのかな、立ちショナーが。

 

 

あと個人的な感想でしかないですが、とある事業所の入り口に「笑顔」やら「意識」などの標語がWordで使うようなデフォルトのゴシック体でフツーのA4用紙に印刷されていて笑いました。

ああいう標語って毛筆かつ手書きだからこそ、短いけど重みを感じるんでしょうか。同じことが書いてあっても不思議と安っぽい印象になりますね(なにせ10秒もあれば印刷できそうですもの)。

 

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こんなくっきり残るんですね

設置するまでににめちゃくちゃ踏まれてたんだな、と察する工事用の仮囲い。

しかもこっちが表ということは裏はもっと足跡だらけなのかも。

なんだか最初のほうは圧倒されていたのに最後は脱力してしまいましたね。

 

 

さて、島の東側はこれで大体見たので西側へと向かいます。 

 

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物語を感じさせる白い原チャリ

島の反対側は入っていいのかよくわからない砂利道が続いていました。

とりあえず事業所内ではないからセーフかな?

 

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いつでも工場見学ウェルカムな東京ストマックさんの敷地だったのか

鉄骨がぶっ建っているのインパクト大だなあ。この鉄骨はオブジェなのか、これから使うのかそれとも廃材なのか。うーん謎です。

 

エノコロクサの茎が赤くなっているのは栄養不足かはたまた潮水の影響か。海の近く、ひいてはここが島なのだということを認識させられます。

 

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ハマエノコロという種が海浜植物とのことです

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これも物語性があるなあ。片割れはどこへいったのか

クロックスの片方だけが打ち捨てられている。小さな水たまりとなっているのがいい。

 

 

鉄パイプで組まれた足場を見るとテンション上がるんですよね。なんでだろう?

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とゆーか、これなんで組まれてるのかな

カラスくん。この島で初めて会った動物ですね。癒されます。

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かわいー。街中では嫌われ者なカラスですけど、工場で見るとホッとするなあ

 

妙見島へといざなう橋の下には管理事務所があります。半ば廃材置き場と化しているのですが街路樹の説明看板を見つけました。思わぬものを見つけてしまった。

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汚れで書いてる内容が分からない、そんな役目を終えた公園の案内板なんかもこういうところでひっそりと処分を待っているのかもしれません。

 

この円形のアトは何?ミステリーサークルですね

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忘れられたOS-1。撮影時は残暑がまだ厳しい時期でしたが、肌寒くなってきた今もまだ残っているのでしょうか。

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物語を感じ……しつこい?でもなんか想像してしまいます

 

最後は完全に写真の紹介と化してしまいましたが、島の西側は工場の外壁と防潮堤の間としか言いようがありません。無機物にあふれている妙見島で唯一の有機物感のある施設を最後にご紹介します。

 

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島民で来る人いるのかな?

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パセラみたーい

ラブホです。やけにアジアン。

島を歩いていると、ここまで来てする人いるの?とか思ってしまいそうですが、橋から大きな看板も見えますし道路沿いという立地からして王道のラブホテルと言っていいですね。

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ラブホに始まりラブホに終わる、それが妙見島。気づけば空は晴れ清々しい心地です

 

前編と言いつつ妙見島内の散策は1時間半ほどで終わってしまいました。

後編では妙見島を今度は外から眺めてみようと思います。

 

島鉄

 

奥渋谷という文字を見ると渓谷を想像する

みなさんどうもお久しぶりです。いそのです。

 

今回は渋谷区富ヶ谷あたりの記事です。だれが言ったか知りませんが奥渋谷って呼ばれているようです。

タイトルに書いたんですが「奥渋谷」って文字でみると渓谷っぽいですよね。山奥の赤い岩肌の水をたたえた渓谷のイメージ。  

 

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Photograph by Eric Portis

 

奥渋谷は下のマップの黒っぽい部分、渋谷駅から坂を登ったNHKの奥、代々木公園の西側に位置します。

 

https://www.mapple.co.jp/old/mapple/column02/images/okusibu/map_161122_b.jpg

MAPPEの記事より

 

駅としては東京メトロ千代田線の代々木公園駅小田急線の代々木八幡駅が最寄りになります。

 

今回は富ヶ谷のチョコレート屋さんに用があってついでにぶらぶらしました。

 

チョコは飲める

ぼくは甘いものが全般的に好きで、特にチョコレートが好物です。Minimalはチョコレート界ではなかなか有名なお店らしくずっと訪問してみたかったのでした。

 

 

 

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店で飲んだアイスのショコラトルは濃厚で、カカオの香りが強く、最高でした。

普段は駅チカのゴディバのショコリキサーやリンツのチョコレートドリンク(ブランドによって呼称が違っておもしろい)を飲んでいます。

 

チョコレートドリンクっておしゃれですけど、甘さとカロリーが大変なことになっていますよね。ぼくはそういう極まった飲食物が好きです。そういえば二郎も好きです。今度好物を聞かれたらこの2つを一緒に答えたいと思います。

 

 塔を目指す

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Minimalで満足したあと富ヶ谷交差点に登ると、道路のずっと向こうに高い塔があるのが見えました。

 

都内で塔といえば、東京タワーやスカイツリー、そして区が設置している焼却炉がまず思い当たります。しかしどうやら先の尖った形や色からしてそれらには該当しません。いったいなんでしょうか。

 

気になって塔を目指してみました。

 

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Wikimedia Commons

 

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尖ってる

 

答えは東京ジャーミイというイスラム教のモスクでした。

内部は一般の方でも入ることができ、美しい装飾の建物を見ることができます。

 


実は私は大学生のときにここに来たことがありました。世界の宗教に興味があって、見学できる寺社や教会を巡っていたのです。

 

一度来たことのある場所に数年経ってからまた来ると、当時の自分と今の自分は連続した存在なんだなと改めて感じます。考えていたことまで思い出せて嬉しくなりました。こういうことがあると街を歩き続けていてよかったなと思います。

 

街の文章を鑑賞する

東京ジャーミイから代々木上原駅を過ぎると商店街がしばらく続いています。

そんななかでふと現れた電柱の案内。これは気になります。

 

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浄土真宗の應慶寺というお寺。どこかで見たことあるなと思ったら、慶應義塾大学の「慶應」の反対になっているんですね。

 

調べたところ別に大学とも年号の慶應とも関係はなさそうです。創建は1952年だそう。由来が気になります。創建者が塾生って説はどうでしょう。

 

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50mmの単焦点レンズだと道幅が狭いとき全体が撮れないのです。近代的な施設でした。

 

ぼくは宗教施設に来たら標語を確認することにしています。聖典からの引用が多いですが、中にはオリジナルの箴言が載っていることもあって楽しいです。

 

今回はオリジナルタイプでした。

 

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たしかにそのとおりです。思ってるだけでは伝わらないので、気持ちはできるだけ言葉にしたり行動で人に伝えたいですね。

 

さて「心使い」が気になってGETしてしまいましたが、なにか意味があるのか、それともうっかりなのか。

文字変換だと「心遣い」は一発で出てきますが、それだとこうして足は止めなかったし記憶にも残らなかったでしょう。自筆には誤字脱字も、字の上手い下手も出ます。そう考えると情報量が多くて鑑賞にはうってつけなんですね。

 

ついでに今回見つけた代々木八幡駅近くの喫茶店も紹介します。

 

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リトルディッパーというお店。

「煙草・・・大丈夫だ~」良いですね。ぼくは吸いませんが、喫煙者は最近条例の改正でどんどん吸える店が減って困っていると聞きます。

その不安が「煙草・・・」の三点リーダーに現れています。そして「大丈夫だ~」はそんな不安に対する店側の応答なわけです。これは心強い。おそらくA4の紙にWordで書いて印刷したっぽい手仕事がまた響きますね。きっとおおらかなお人柄なのだろうと推察します。

 

 

奥渋谷に通いたい

代々木公園駅の出口近くに代々木深町小公園があります。今回は行きも帰りもここだったのですが、この公園にはネットで話題になった透明なトイレがありました。

 

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人がいないときは透明で、中に入って鍵をすると不透明になる仕組みだそうです。ぼくは結局こわくて入れませんでした…

しかしおもしろいことを考えてしかも作ってしまうのがすごいですね。奥渋谷は今回まだ行けなかった魅力的な店やスポットがまだまだありそうです。これから通いたいな。

 

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夕日を浴びた西新宿のビル群が光っていました

 

(いその)

タイムトラベル終章

いよいよ最終回です。ここまでタイムトラベルという名の年末大掃除で出てきた書物の整理をしていたら本を読みふけってしまった……そんな現象と同等の駄文を読んでくれた皆様に感謝します。ほんとです。

 

ここからは前回に引き続き1986年(昭和61)当時の空気感を伝える貴重(でもないか)なページをご紹介します。

 

 

6 読者投稿コーナーの存在

 

このガイドブックトラベルJOYには読者投稿コーナーとして「JOY FRIEND」なるページが設けられています。なにやら「いい旅している?JOY仲間のホットな情報をあなたに紹介…」だそうです。

 

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たぬきのキャラクターも80年代感ありますね

こういうコーナーを見るとその時代の若者像が見えてきます。

写真は控えますが、読者投稿写真の若い女性、ほぼ聖子ちゃんカットです。

 

阿南海岸の大浜にある浮世絵美術館に行ったのです。(中略)特別室は心得のある方ならどうぞ、と言われて入り……。同行の叔父叔母を前に未熟者の私は真っ赤!ポルノみたいなんだものー。嫁入り前です、私。

 

ポルノという言い方も、嫁入り前というフレーズも今ではなかなか使わない気がします。秘宝館とか地方にあるちょっとエッチな展示物がある施設ってあまり見なくなってしまいましたね。エロがタブーでインターネットが普及していなかった時代の産物だからなのでしょーか。

 

2泊3日で高松-屋島-琴平-鳴門と旅行しました。(中略)ただうず潮は“ごう音”を立てるほどの迫力が時季が悪く、ありませんでした。(中略)高松の銘菓“母恵夢”は、すばらしいおいしさでした。

掟破りかもしれませんが四半世紀の時を越えてツッコませていただきます。

母恵夢”は松山の銘菓です!!!!

ま、当時21歳の東京から来た観光客ですからそこらへんは仕方ないかもしれません。

いま55歳の彼女は、いまだに高松の銘菓は母恵夢だし、渦潮は宣材写真に使われているものが大きいのであって、大潮の時期でないとがっかりするということは全く知らなくて、うっかり助詞の「が」を一文で2回使ってしまう(油断するとついやっちゃいますよね)……という若さゆえの失敗をどう思っているのでしょうか。

 

こういうことを指摘すると30年後にこの記事が攻撃されそうなのでやめておきます。なにより編集部は投稿文を直したりしないのでしょうか。原文ママのスタイル、それもヤングの素直なセンテンスでGoodじゃない、とゆーことなのか。

 

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この頃のヤングはいまや50代ですが、この頃の高齢者は……。

一辺の旅行者、家の者というワードが、お歳を召した方だと気づかせてくれます。そうです、JOY FRIENDはヤングだけじゃあないのです。しかしながら当時68歳ということは、ご存命なら今年で102歳……。お元気でいてほしいですね。

 

 

7 まとめ

 このガイドブックが発行された1986年近くは昭和末期ということもあり、戦後日本の転換期となった時代でもあります。戦前や高度経済成長期までの『旅行本』は、現代と断絶しているように思います。しかし、80年代に出版されたこのガイドブックは現代への連続性をある程度保持しているのではないでしょうか。

(まあ1986年はバブル景気の入り口、冷戦期でもあるので完全に地続きなイメージもないですが) 

 

国外では1986年の重大事件として 

・チャレンジャー号爆発(毎年続いていたスペースシャトル打ち上げがこれ以降途絶える)

チェルノブイリ原発事故(INES評価で初のレベル7事故)

・イランコントラ事件(アメリカ政界を揺るがす、レーガン政権最大スキャンダル)

 

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国内では1986年付近といえば

・85年のプラザ合意以降急速に円高が進む

・85年より日本電電公社および専売公社が民営化、現在まで続く民営化・規制緩和の系譜

・86年第38回衆議院議員総選挙にて自民党大勝

・間接税(消費税)導入について中曽根内閣で検討、87年に売上税法案提出

・86年末からバブル景気が始まる(実感が伴うのは87年以降)

・二公社に続き国鉄が87年民営化、88年に宇高連絡船青函連絡船が廃止


中曽根元総理の遺産「民営化」 加藤綾子【3分でわかる】問題と解説は進学塾・サピックスが出題

などなど。

 

そういう目線で見てみると、古い表現や今はなきお店がどうしても目を引きますが、現代(2020年)につながる風光明媚な風景、レディメイドではないその土地の名産品、などを再発見できます。

たとえば土産として竹や木で作った素朴な民芸品がイチオシされているのは、最近のガイドブックであまり見ない印象です。

 

 これは個人的な感想にすぎませんが、ガイドブックに載っている若者の間での流行や服装、旅の楽しみ方……これらすべては儚いもので、35年ほど経過した現代の目線で見ると古臭く感じます。

 時の移ろいというものは残酷ですね。しかしその「古臭さ」や「格好悪さ」によってか、その時代を生きていない人間にも郷愁や懐かしさを与えてくれます。

 いま生きているこの時間もしばらく経てば変色し、やがて思い出になっていく。どれが不変のものでどれが色褪せていくものなのか?こればかりは分かりませんから、日々の記録をとって時々思い起こすことが必要なのでしょう。

 

 

というわけでインスタントに旅行と郷愁を味わえる『古いガイドブック』を使った『バーチャル旅行』いかがでしょうか?

 暇をもてあますと人間は過去を振り返るものなのかもしれませんね。

でも結局こういう郷愁とかって「あの頃若かった=美しき思い出」に過ぎないのかも……なんて。それに浸るのはとても心地よいのだけれど。

 

 

ぼくたちの失敗 森田童子ベストコレクション

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あの日にかえりたい

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上の2曲は若かりし頃の失恋と過去へのノスタルジアを感じさせる名曲ですが、どう自分の過去と向き合って今を生きるか、これは不変的な人生の命題ですね。

(と言いつつ思い返すと大した過去がないことに戦慄しています)

 

 つまりですね、なんというか、ますます旅行に行きたくなっちゃいました。

 

あー、そろそろ旅行も解禁されそうだし、さてどこへ行こうかな。

終わり。

 

 

 

 

 

 

 

 

島鉄