もう今年もおしまいですね。
一年間頑張った方も、来年頑張る予定の方も、ひとまずお疲れ様です。
来年は、年初から京都文学フリマに参加する頑張り屋さん(自称)の島鉄です。
そんな年の瀬に『私に天使が舞い降りた!』通称”わたてん”最終章です!
と言いつつ映画の感想は書いていませんが……。
果たして年内にまとめられるのか……?
ブログ記事の画像用に『わたてん』を再視聴している島鉄は、立派なファンと言っていいかもしれません。
まさか今年一番見た映像作品が『わたてん』とはなあ。
『平家物語』の話を書いていた頃が懐かしい。
閑話休題。
いよいよ最後。『私に天使が舞い降りた!』第9話から第12話までをご紹介します。
あと、映画『私に天使が舞い降りた!プレシャス・フレンズ』は全国の一部映画館でまだまだ絶賛上映中みたいですよ!!
物語の舞台となった多摩センター*1でも1月半ばまで上映しています。
そんなわけで話題のカド〇ワから当ブログへは一円も支払われませんが勝手に宣伝します!
第9話「私が寝るまでいてくださいね」
これまでボンヤリ気になっていたのがいつもみゃー姉宅で3人揃って遊んでいるところ。
たまには2人でどこか出かけたりしないのかな。
そんな疑問を解消するように、今回はひなたと乃愛ちゃんが遊びにでかけます。
私服のひなた、中性的でかっこいい。
乃愛ちゃんが早起きしてひなたのためにサンドイッチをつくる、というくだりはデートのよう。
『わたてん』がコミック百合姫掲載作品だからでしょうか。
一生懸命つくったサンドイッチがグチャグチャで落ち込む乃愛ちゃんに、ひなたが美味しいぞ!と励ますシーン、良い……。
作ってくれることに感謝、の精神を忘れないでいたいものです。
ただ、ひなたの語尾の「ゾ」が気になる……!
若干クレヨンしんちゃんみたいなので……。
油断するとほっほほーい、とか言い出しそう。
その後、映画*2を見てショッピングを楽しむ二人。
ひなた、ここにいない花ちゃんへのプレゼントを購入してます。いない友達の分も何か買っていくの、えらっ……!
さらに、乃愛ちゃんが物欲しげな目で見つめていたカチューシャを密かに購入し、渡すひなた。
かっこいい(二度目)。サプライズプレゼントは嬉しいですよね。
プレゼントを取り違えると大変なことになりますが。
個人的には、ひげろー可愛いと思うんだけどな。
この世界では可愛くない扱いなの悲しい。
後半はお泊まり会。
ホラー映画*3視聴後に寝つけない花ちゃんがみゃー姉に「寝るまでそばにいてね。みやこお姉ちゃん」と話しかけてタイトル回収。
みゃー姉が「花ちゃんのパジャマもう作ってある(←採寸してないのにサイズピッタリ)から大丈夫だよ!」と話していたときは、然るべき施設に入れられるのではないか、と不安でしたが大丈夫でした。
まあ、友達のお姉さんがパジャマを作ってくれた、って親しい関係なら結構嬉しいことですもんね。
花ちゃんから夜中のトイレについてきて欲しい、とみゃー姉にお願いするシーンもありました。それくらい、みゃー姉を信頼しているのです。
トイレ手伝おうか?と言ってドン引きされてましたが……。悪質な冗談。
この回はみゃー姉が花ちゃんと少し距離を縮められたことと、頼りになるお姉さんとして振る舞う姿が見られてよかったです。
もちろん前半の友人を思い合う関係性が見られたのも良い……。
お泊まり会で、みゃー姉の黒歴史ことアルバムがひなたたちに公開される*4ハプニングもありましたが、おおむね好評でした。
いま考えてみると、小学生の頃って漠然とした制服への憧れがあったかも。
にしても、みゃー姉は一体どうして小学生にコスプレさせる人になってしまったのでしょうか……。
第10話「また余計なこと言っちゃった」
そろそろラストが近くなってきました。眠いです*5。
この回では花ちゃんがいかに不器用か、というエピソードが冒頭紹介されます。
みゃー姉の場合、ドン引きシーン→裁縫や料理でリカバリー、という流れでなんやかんやプラマイ0の評価に落ち着いてる気がしますが、花ちゃんは回が進むごとにポンコツっぷりが現れて面白いですね。
まだ小学生だから、伸びしろがあります。
どんどんチャレンジ→失敗を繰り返し、成長してほしい(←誰目線?)。
花ちゃん本人は自分がダメダメ、とは微塵も思ってなさそうなのがいいですね。
その自信を失わずに大きくなってほしいな。根拠のない自信は大切だから。
あと松本がいつの間にかみゃー姉の部屋にいる、という展開怖すぎます。
きちんとみゃー姉の親から許可を得ている*6のも、外堀から埋めていく感じがして怖いです。
あとみゃー姉の着てるジャージと同じものを量産してるのも若干怖いよ……。
ただ、松本はいい人そうなんですよね。それも含めて怖い。
そんな松本からのプレゼントは、(一方的に)知り合って2周年を記念して自作の服をあげるというもの。お、重い……。
なんやかんやみゃー姉はお出かけする時に松本の服を着ています。よかったね、松本。
そう、このお出かけが今回の最重要シーンなのです。
限定品のシュークリームを買いに出かけるみゃー姉と花ちゃん。いつもと違い二人きり。9話では「乃愛&ひなた」が二人きりデート状態でした。
みんなで遊んでいた頃*7から徐々に関係性が出来上がっていくわけですね。
みゃー姉、松本からもらった服だけでなく、7話で花ちゃんから貰ったヘアピン*8をつけてます。
贈り物が使われているの、嬉しいですね。
無事、シュークリームをゲット後にみゃー姉が花ちゃんに「一生お菓子作ってあげるから」と告白します。
若干アブナイ台詞……。
余計なこと言っちゃった、と焦るみゃー姉。
ですが!
花ちゃんはこれに応え*9、一安心。
みゃー姉の未来は明るい。
ここ、ギャグとして片付けられてますが二人の関係が「一生続く関係」であることを肯定する重要なシーンではないかと思います。
少なくとも信頼の置けない人にOKは出さないわけですから、みゃー姉と花ちゃんの関係が深まっていることは明白です。
そういえば前回もプレゼントを選ぶシーンがありました。
大切な人への贈り物が9,10話には詰まっています。
松本も贈った服を着てくれたこと、お礼にもらったみゃー姉特製クッキーが自身の血肉になることに対して喜んでました。
こわ……。
まあ、単純にお金をあげるのと物を贈るのは訳が違いますからね。
実際想いのこもった手作りの品を貰えるのは嬉しいですし、深堀りすれば、その嬉しさは他者の魂が自身の肉体と一体化する喜びなのかもしれません(無理筋なフォロー)。
この背を比べるシーンが子供らしくて可愛かったです。
いつか背丈が並んでも二人の関係は続いているのでしょうか。
第11話「つまりお姉さんのせいです」
意味深なタイトル。みゃー姉が糾弾される……なんて展開じゃないよね、と不安に思ってました。
この回は文化祭の劇の衣装を作るために、みんなでみゃー姉の家に集まるところから始まります。いつもの花、乃愛、ひなたにくわえて小依&夏音のメンバーですね。
衣装製作をたのまれたみゃー姉が「みんなの劇なんだし、自分たちで作ったら?」とまともなアドバイスをしていて驚きました。
分からないところや難しいところはサポートする、とフォローまでいれてます。
立派な大人だ……!
何故か乃愛ちゃんに心配されてました。まともなこと言うと心配される、ってどーなんでしょー。
ようやく、みゃー姉の裁縫スキルがみんなの役に立つときが来ました。
さらに!みゃー姉を慕う(一方通行)松本も応援に加わります。
背後に立ってるの怖い。
今回は松本が勝手に押しかけたわけではなく、実妹のひなたが呼んでいたようです。
着々と外堀を埋められているみゃー姉。
前回の服のプレゼント、に次いで松本の裁縫スキルお披露目です。
というわけでみんなでチクチクとお針子仕事をこなします。
ただし不器用な小依と花ちゃんは二度もクビになってましたが。
でもきっと二人の頑張りはどこかで評価されているはず……!
学芸会の衣装作成が各家庭で負担になっている、という話も聞くので今回はみゃー姉(あと松本)の面目躍如ではないでしょーか。
↑松本に相談してよかった*10ですね。
あと、松本は油断すると別室に子供を連れ出そうとするので警戒されてました。
タイトルのお姉さんのせい、の意味が明らかになります。
みゃー姉の「花ちゃん天使!」発言が、ひなたによって拡散され*11いつの間にか学校内でも「花=天使」のイメージが広まり、劇の主役の「天使」に花ちゃんが指名されたのです。
つまり、お姉さん(みゃー姉の日頃の発言)のせいで特に望んでいない主役に抜擢されてしまった、と……。
もちろん「みゃー姉のせいでやりたくもない主役をやらされた!」というだけの意味ではありません。
お姉さんのせい(コスプレ撮影会)で花ちゃんの消極的な性格が変わった、というプラスの意味も込められていました。
いい意味も含まれていてよかった……!糾弾されるみゃー姉がいないことに安堵。
一方のみゃー姉も、文化祭を見るために外出しているので、引きこもりがちな性格が変わっています。
ちなみに、みゃー姉は自分の文化祭で劇の主役が嫌で熱発して休んだ思い出があるそうです。それも踏まえると頑張ってるなぁ、みゃー姉。
そして成長してるなぁ、みんな……!(←誰目線?)
前言撤回。みゃー姉の人見知りはそう簡単に治せないみたいです。
……外見が怪しすぎる。案の定、不審者として空き教室に隔離されてました。
最初から保護者代わりとして同伴していれば問題なかったような……。
意外と文化祭を満喫するみゃー姉&花ちゃんず一行。
なんとなく、小学生時代にこういう出し物あったな〜(磁石とクリップを使った魚釣り、スライム作り、ペットボトルボウリング、クイズ……etc)と懐かしい気分になりました。
お化け屋敷シーン、またもやデートみたいになってます。
最近だと怖がる児童・生徒や暗がりでの接触が懸念されて、文化祭のお化け屋敷はなかなか見なくなった気がします。
これでみゃー姉と花ちゃんの関係は深まった……のかな?
さて、いよいよ次で最終話。
登場人物みんなで頑張って作った衣装を着て、どんな劇を発表するのか?!
第12話「天使のまなざし」
まさかのAパートまるまる劇中劇でびっくりしました。
なんかネットで叩かれてたのはそーゆーことか。
完全にクオリティが学芸会のそれではないです。
とはいえ、これはみゃー姉の天使フィルターを通して見たからだ、とも言えるのでそこまで文句はありません。
衣装作りを手伝ってますし、普段遊んでいる妹とその友達が劇に出てくるのですから少しくらいフィルターがかかっても仕方ないですね。
主役、なだけあって単独客席から舞台に上がる花ちゃん。この演出はかっこいいですよね、一度はやってみたい。
本番でもささやき女将状態の小依&花音。大丈夫かな……。
天使(花)と人間(ひなた)の出会い……。天使は人間と友人になりたいものの、それは天使の身では叶わぬ夢*12……。
そして天使は人間になるための試練、時の峠を越えるべく立ち向かう。
異類婚姻譚、『人魚姫』みたいでいいですね。
しかし運命は冷酷で、天使という立場を捨ててまで会いたかった人間(ひなた)は天寿を全うしこの世にいないという結果……。
種族が異なるゆえの悲哀です。
人間界で会いたかった人(ひなた)の孫(乃愛)と出会い、話を交わせたのは幸せというべきなのでしょうか。
人間と天使、両者の時間の流れは残酷にも差があったみたいです。
7話で登場したみゃー姉変身セットのカツラがしれっと小道具で使われているのが嬉しいポイント。
放映当時、この劇の内容が重すぎる、と一部で話題になったようです。
ただ、学芸会等の劇は考えさせられるストーリーだったりするので、個人的には気になりませんでした。
それより松本姉妹が劇に出演していることの方がおかしい*13のでは!?
まぁ、11話近くみゃー姉も松本も逮捕されることなく、ほんわか優しい世界で子供たちと遊ぶ……というエピソードを続けてきたので、この最終話Aパートだけ浮いてる、という意見は分かります。
シリアスな話は求めてない、原作にないエピソードを何故入れた、というファンの意見も何となく分かります。
ただ、子供たちの成長を見せる集大成、そしてその光景をみゃー姉が目の当たりにして「どう思うか」という点においてこの劇中劇は良かったのではないでしょうか。
唐突ではあるので、もうちょっと前振りや長さの調整をしてくれればよかったのかもしれません。
まぁ、制作者視点で見ると、断片的な日常エピソードを重ねる作品は最終話でオチをつけることが難しく、何らかの集大成として「文化祭の劇」を持ってきたのでしょうね。
さて、劇中劇についての言及はこの程度にして、最後みゃー姉と愉快な仲間たちは一体どうなってしまうのか、触れておきましょう。
みゃー姉は5話で小依&夏音に泣いて謝っていたように、ひなたの姉自慢から小学生の間では容姿端麗、才色兼備な人物としてかなり美化されており、尊敬を集める人物となっていました。
そのため囲み取材状態に。
メチャクチャ恥ずかしいですね。またもしれっといる松本。仕切ってます。何なのこの人……。
ただ、先生含めクラス全員に学芸会の衣装作りについて感謝されるシーンは外界との壁を作り、引きこもっていたみゃー姉に対して、救いとなったかもしれない*14、と思いました。
人は感謝されること、誰かの役に立てることで世界と繋がっていられるのです。
そして、結局場の空気に耐え切れず逃げ出したみゃー姉を探しに行く花ちゃん。
体育館裏で見つかったみゃー姉に、ここまで耐えるなんて成長したんですね*15、と話しかけます。
花ちゃんから「一生懸命なひたむきさ」について嫌いじゃない、と言われるみゃー姉。
第1話の印象から、花ちゃんのなかの「みゃー姉観」が良くなっていると分かります。
それは日々の積み重ねあってのもの。
「これからもよろしく」と二人が手をつないで物語は終わります。
よかった……!無事に終わって。
この作品、子供がいっぱい出てきますが、実はみゃー姉の成長譚だったのですね。
まあ、主人公はみゃー姉だし当然か。
全話を見終えて……
意外とまとまっていて面白かった、です。
大河のような一つの大きなストーリーが貫くような作品ではなく、一話に複数のエピソードが集まっている回もあるので……。
ほぼ引きこもり状態で家の中にしか居場所らしい空間のなかった、みゃー姉が妹のひなたとその友達を通じて、少しずつ変わっていく姿が全12話のなかで描かれていました。
みゃー姉に同年代の友人*16が生まれたのも第1話と比べて大きく変わった点かもしれません。
人混みにも、学校にも苦手だけど我慢して行ける*17ようになりました。
そして、他のキャラクターも少しづつ変化しています。
ひなたは姉べったりでしたが、二人で遊ぶほど仲の良い*18乃愛という友人ができました。
乃愛は……朝早起きして弁当を作るのもいとわない友人ができ、クラスメイトや友人のために力を貸すことを惜しまない*19ようになりました。
そして、花はややクールすぎるきらいもありましたが、明るくなり自分のできない部分をさらけ出しても平気な、いい性格に成長しています。
松本は、すごい。その一方通行な熱量がついに伝わったのですから。
報われるかはさておき。
えーと、小依&夏音は末永く幸せになってください。
12話のシーンによると小依は天使などメではない大統領を目指すみたいです。
特段ツッコミをいれることもなく「すごいねー」と肯定する花音。
……ぜひ二人は大統領と首席補佐官を目指してください。
ちなみに小依の成長した姿は映画に出てきました。必見(?)です。
なんだか通信簿みたいになっちゃいました。
実際に私は、通信簿ではないですが、ボーイスカウトで1年の活動を通じて講評を行うことがあります。
もちろんどのスカウト*20も成長しています。些細な点かもしれませんが、失敗しても不貞腐れなくなったり、後輩に教えることを覚えたり、消極的だけど自分の主張をするようになったり……。
『わたてん』は架空のお話です。でも、ちょっとずつ成長して失敗する姿が微笑ましく嬉しい、ということを再確認できるいいアニメでした。
ただ、記事を書くにあたって一時期スマホの画像が『わたてん』だらけになり、ボーイスカウト活動中にスカウトからスマホを奪われたときは心臓が止まりそうになりましたが。
……いや、やましい写真は一枚もないハズなんですけどね。
みゃー姉の気持ちが分かりました。
映画の感想もすぐに、年内には上げようとおもいます。
センパイとの約束なので……!
わたてんは永久に不滅です。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ……。
*2:ひなたのチョイスは話題の恋愛もの……ではなく女児向けアニメでした。みゃー姉の影響かな
*4:中・高時代の若干イタい写真が見られるの嫌すぎる
*5:当時22時からぶっ続けで視聴していたため。この時は深夜1時くらいでしょうか
*6:不法侵入は犯罪なので当然ですが……
*7:みゃー姉の年齢とかはこの際置いておきましょう
*8:大事にしまっているみたいで、使ってくださいよ、とツッコまれてました
*9:主に一生お菓子食べ放題という観点で
*11:ひなたは姉自慢したいので基本的に何でもかんでも話します。困る……
*12:みゃー姉と花ちゃんの間にも種族ほど大きな障壁ではないものの、年齢という壁がありますね
*13:これはギャグなんでしょーけど
*14:そんな壮大な物語ではない?
*15:ちょっと情けないのがみゃー姉らしいです
*16:若干ストーカー寄りですけど
*17:もちろん無理に行く必要はないのですけどね。ただ苦手なことにチャレンジする姿は胸をうつのです
*18:二人の関係をどうとるかは様々な見方があるでしょうから百合、という表現は避けておきます
*19:まあ、私が一番カワイイって自負だけで元から協調性ある性格でしたが
*20:子どもたち