サイバー・ノーガード戦法をしていたら、迷惑メールがとめどなく押し寄せるようになりました、島鉄です。
ノーガードとは
それはさておき記事タイトルにもした「ノーガード」。
「ノーガード戦法」なるものがボクシング界にはあるそうです。
ガードを捨てて相手に攻撃させ、隙が生まれた瞬間に強烈なカウンターパンチをお見舞いする……。
要するにハイリスクなファイティングスタイルのことを指します。
特にボクシング漫画『あしたのジョー』で、主人公の矢吹丈がノーガードで両手をぶらり、と下げて棒立ちする「ノーガードぶらり戦法」は印象的なシーンとして知られてますよね。
さて、タイトルにある「ノーガードぶらりな日」の意味が見えてきたでしょうか?
……はい、全然わからないですよね。いまさっき島鉄の作った造語ですし。
これは、すなわち相手の提案に対してすべて乗っかっていく……「ノーガード」で「ぶらり」と見たり聞いたり歩いたりする日のことを指します。
ただ流されているだけでは……?
いやいや、ただ流れに身を任せるのもよい場合があるのですよ。
最近そんな日があったのでご紹介します。
映画のお誘いに乗っかる
島鉄の友人は映像好きがそこそこいる、と最近になって気がつきました。
しかもみなジャンルがバラバラなので、自分のあまり興味のない映画やドラマ・アニメを知ることができて助かっています。
こーゆー人たちのお誘いに乗っかっていくと、よく知らない楽しいことに出会えるので嬉しい。なかなか3時間以上もある『地獄の黙示録 特別完全版』とか見られないですからね。
えー、本題に至るまで長くなりました。
不肖島鉄、友人から「ウマ娘の新作映画を見に行かないか」と誘われました。
はい……。ええと……。
みなさま、『ウマ娘 プリティダービー』をご存じでしょうか?!
いまや人気スマホゲームとなっており、各方面でメディアミックスしているので、ご存じの方もそこそこいると思います。
・スマホゲームがリリースされていないのにアニメ化した。
・馬を擬人化した女の子が馬並みのスピードでシャカシャカ走る。そんでもってレース後に歌って踊る*1。
・2018年に東京競馬場(府中)に行った際、大型ビジョンに武豊騎手の広告が出ていた(当時もスマホゲームは未リリース。リリースは2021年2/24)。
……ほぼ情報なし。
折角のお誘いなので、事前に最新のアニメを視聴して映画『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』を見る約束をしました。
……正直に言うと、島鉄はウマ娘のアニメを全く見ず『ゴジラ対ヘドラ』を映画前日に見ていました。ごめんなさい。
水銀コバルトカドミウム~♪
なんてプリティでもダービーでもない情報を脳にインプットしてました。
かくして前情報なし*2で映画館へと向かったわけですが……。
結論から申し上げますと、この映画……情報ゼロで見ても楽しめます!
名レースを映画化しているからか、「走るのは苦しいけど楽しい」と伝わってくるのですよ。
映画公式サイトはやたら累計2000万ダウンロードを推していますが、そんなことは知らなくても楽しめます。知っていた方がより楽しめる可能性は大ですが。
上にリンクを貼った東スポの記事にある通り、この映画の主人公は名馬「ジャングルポケット」です。20世紀末、2000年から活躍した競走馬ですね。
https://jra-van.jp/fun/memorial/1998101786.html
上記JRAのサイトにある通り、同世代のライバルとして「アグネスタキオン」、「テイエムオペラオー」、「ダンツフレーム」がいます。
厩舎から担当厩務員まで「フジキセキ」と被っていることも競馬ファンに注目されていました。
ここらへんの歴史をまっったく知らずに映画を見たのですが、なるほど主人公とライバルの対決、先輩*3からの薫陶、イップス*4の表現……。
レースの結果も元ネタの馬の特徴も知らなかったゆえに、スポーツものとして純粋に楽しめました。競馬は何度か行ったことがあるので、レースを見ている感覚にもなります*5。
競馬にはドラマがある……このフレーズを思い出させるストーリーになっているのですよ。イヤ本当に。
あんまりネタバレしたらいけないのかもしれませんが、キャラクター評くらいなら許されそうなので書いていきます。
主人公。一人称がオレで最強を目指している、ヤンキーっ気のあるウマ娘。
どんな馬が主人公なんだろーか、と思っていたので、元気のいいキャラクターに驚きました。先輩の走り姿に憧れて勝負の世界へ飛び込む……というスポーツものの王道主人公感もよかったです。
一方で、熱血・勝負にこだわる姿勢から、ライバルに勝てない悔しさ・最強を目指しているが自分は弱いのではないか、とイップスに陥るシーンは引き込まれました。
それゆえに、引退した先輩と走り、感覚を取り戻す→ジャパンカップでの勝利、とカタルシスの得られるラストは良かった……ってこれネタバレしてますね。
もう一人の主人公、として描かれているマッドサイエンティスト風ウマ娘。研究と称してフラスコで薬品つくったりしているので、ドーピングで出走停止にならないのかハラハラしました。
ヘッドギアつけたり、手足にトラッカー装着してランニングマシーン走り続ける……みたいなスポーツ科学系のマッドサイエンティストだったら、なおよかったのに*6。
アグネスタキオンはとにかく速い。タキオンは光よりも速い架空の粒子ですが、名は体を表すと言いますか。
一度もアグネスタキオンに勝てなった……これが主人公ジャングルポケットのトラウマとして残り、イップスへつながるわけですね。
競馬ファンならば、主人公のライバルであるアグネスタキオンが当時ぶっちぎりで速かったこと、主人公の憧れの先輩フジキセキと同じくわずか4戦でターフを去る*7こととなった悲劇の名馬、と知っているでしょう。
いわば先輩とライバルがダブって見えるわけです。
そこらへんはそれとなくしか触れられないのですが、終盤にアグネスタキオンもフジキセキもそれぞれ走るシーンがあり、走るっていいもんだなあ……と思わされます。
名前にカフェが入っているのでコーヒーを淹れている。アグネスタキオンと仲が良い、病弱(元ネタの馬も病弱でした)、他人には見えない「あの子」に追いつくために走っている。
……ゲームをやっていないので、正直もう少し掘り下げてほしいなあ、とも思ったのですがタダの不思議ちゃんキャラ、とゆーわけではなく努力を重ねて菊花賞(G1)で勝利するなど頑張ってます。
前述のジャングルポケット・アグネスタキオンに比べてあまり描写がなかったのは少し気の毒に思いました。
フレーム、は炎だそうです。知らなんだ。
フジキセキやアグネスタキオンがわずか4戦でターフを去った伝説の悲劇の名馬、だとするならば、ダンツフレームはなかなか1着をとれずシルバーコレクターに甘んじ、再起を図る地方競馬でも勝てず病死する……という満身創痍の悲劇の名馬です。
そんな史実を反映してか性格はおっとりしてお人よしでした。一応2002年の宝塚記念(G1)では1着とれたんですけどね……。
主人公の引き立て役なのかな~、くらいに思っていたのですが、レースシーンで「勝ちたい!」と喰らいついていたのが個人的に好きです。
応援するなら源氏より平家、巨人よりヤクルト、京都より奈良……島鉄がそーゆー性格だからなのかもしれませんが……。
主人公の友人(ダンツフレームなど)、ライバル(アグネスタキオン)、そして先輩(フジキセキ)。
この3者がそれぞれ違う形で関わりあうことで一種の成長譚が見られるわけですが、そのなかでも先輩フジキセキの役割は非常に大きかったです。
主人公がレースの世界に飛び込むキッカケであり、イップスで走れなくなった主人公を鼓舞してまた走れるようにしてくれた存在なので。
俺は最強じゃないんだ……と悩む主人公に対して、先輩フジキセキが河原でレースを挑む王道のシーン、よかったです。
ただ、そんな燃えるシーンでフジキセキの着ていた服が「痴女なの?」と思わされるハレンチ満載だったので、思わず笑ってしまいました。後輩を見かねて現役時代の勝負服で現れ鼓舞する、って分かるんですけど、理屈で分かっていても気になるのが人のサガ。
ジャングルポケットと並走して現役時代と比べて自身が衰えたことを悟るのも、それでも走る楽しさを感じた(イップスで走ることが怖いこととの対比)のもよかったですね。
……なんかさっきから、よかったしか書いてないな。
他にもいたと思いますが、とりあえず割愛!!
映画の感想を一言でまとめるならば……。
走るって苦しい、でも楽しい……
何より勝ちたいんや!
走って競馬場に行きたくなりました。
あとマキバオー読み返したくなりました。あれもアツい漫画なので。
馬を見に行く
そんな興奮冷めやらぬなか、京都競馬場に来てしまいました。京阪電車に揺られて、淀駅へ。京都競馬場までの臨時出口があり直結しているので便利です。
なんで京都競馬場に?
と思われるかもしれませんが、当ブログを共同でやっている、いそのくんがいつか行かねばならない場所(約束の地みたいでかっこいい響き)と話していたので、ついていきました。
またしてもノーガードぶらり。
……いや、めちゃくちゃ綺麗なんですけど!
びっっくりしました。東京競馬場もリニューアルしていたので、古くて汚いイメージはなかったのですが、京都競馬場は「競馬場として」綺麗なのではなく、「アミューズメント施設として」綺麗でビックリしたのです。
なんか馬がいるイオンモールだよ、と言われても信じてしまいそう。
そう思ったのは、客層が老若男女それぞれいて家族連れも目立ったからでしょう。
次レースで走る馬がパドックを周回している様子を見て、ようやく競馬場とゆー実感が湧きます。
あ、パドックとは「園田競馬ビギナーズガイド2024」にある通り、馬の体を見てなんか色々分かった気になれる場所です。馬って大きいなあ、瞳がつぶらだなあ、と感じられるのでレースに賭けていなくても見ていると楽しいですよ。
当記事と関係ありませんが、「園田競馬場ビギナーズガイド」は競馬場に行く前に見ておくと雰囲気がつかめるのでオススメです。
パドックの向こう側には名馬たちの像が並んでいました。こういうのを見ているだけでも何だかワクワクするんですよね。
ちなみに、競馬場は入場料さえ払えば賭けずともレースを見られるので、「馬が走る姿をとりあえず見たい!」とゆー方もお気軽にお越しになれます。
馬券を買っていなくてもフードコート等には入れるので、ひとまずかすうどん*8を食べます。美味しい。
ますますイオンモールじみてきた気が……。
うどんを啜りながら、パドックで見た馬たちのレースを眺めます。特に波乱は起きず人気の馬がフツーに勝っていました。馬券買わなくてよかったぁ。
せっかくなので次のレースは間近で見てみよーっと。
レース前、ちょろっと走る馬*9を眺めただけでだいぶ満足した気分でしたが……。
いざファンファーレが鳴ってレースがスタートすると、芝を蹴る馬の足音、風が運ぶ芝の匂い、ゴール直前の白熱した観衆の声(させー、抜けー、とかですけど)……た、楽しい!
この迫力を感じられるのは、競馬場の良さだなあと思いました。
レースの予想が的中すると気持ちいいですが、馬が何頭も走る姿をぼーっと眺めるのも楽しいものです。
あと、アイドルホースと呼ばれる人気馬が各時代にいるわけですが、野球やサッカーのファンショップのようにグッズ類が売られています。
競馬場は単なるレースに賭ける場所から、馬と触れ合えるテーマパークに変わったのだな、と感じました。
ビールとメチャでかクレープも食べられますしね。
なかなか楽しい休日を過ごせますよ!
結論、のようなもの
なにそれ知ら~ん、興味な~し。
と思っても、乗っかってみると案外おもしろかったりするものです。
ボクシングの「ノーガードぶらり戦法」にリスクがあるように、ノーガードぶらり散歩をすると「時間のムダだったな……」と思うリスクがあります。
『地獄の黙示録 特別完全版』は長すぎるし、今から長期シリーズの作品を全部見る*10のはしんどいし、走るのは疲れるし……。
やらなくてもいいことは沢山あって、時間は有限・タイパ重視、倍速視聴で生きてもいいわけですが、別に遠回りしてもいいじゃない。
ノーガードで一日過ごしてもいいんじゃない。ムダなことしたっていいじゃない。
とゆーわけで、みなさん……。
馬券購入は20歳からですが、競馬場入場に年齢制限はないから一回行ってみてください!
あと、たまには走ってみるのもいいかもしれません。