埋物の庭

埋物の庭

街中にあるつい見落とされがちで埋もれてしまっているもの(=埋物、まいぶつ)を紹介します。

ふらっと加古川へ

金曜日。有給を取って家で過ごしているとどこかへ行きたくなる。

旅するか。

行先を決めずに散歩に行くように家を発つ。

 

JRに乗る。通勤通学帰りの人で混む前のJR神戸線はのんびりとしている。

路線図を眺める。

 

三ノ宮は何度も遊びに来てるしな。

須磨は海に、明石は淡路島に行くときに、姫路は去年行った。

加古川は?行ったことないな。加古川線も乗ってみたい。

 

というわけで加古川で降りることにする。

電車内で今日の宿を予約する。

 

加古川駅に到着。

まずはホテルにチェックインだ。

 

ベッドに腰掛けて窓から景色を眺めてぼーっとする。

電車がやってきたので写真を撮る。1両編成のターコイズグリーン。加古川線だ。

 

有給、くつろぎ、窓辺にて。

 

街へ出てみよう。

 

加古川駅前の広場ではバンドが演奏していたりキッチンカーが出ていて賑わっている。

 

広場

 

広場はバスロータリーになっているのと百貨店ヤマトヤシキにつながっているので人通りが多い。

キッチンカーを見ていたらお腹が空いてきたので、バーガーカモネ(カモメのイラストが描かれているが"カモネ"なのだ)でハンバーガーをいただく。チーズが美味しい。

 

キッチンカーとヤマトヤシキ

 

ハンバーガ

 

棋士のまち加古川とアピールする旗のまさにその下のベンチで将棋をしている親子がいてよかった。加古川市は親子を宣伝大使に任命したらいいと思う。

 

ヤマトヤシキの横から商店街ベルデモールのアーケードが延びてるので歩いてみる。

 

ベルデモール

 

麦わら帽子の女の子のタペストリーが飾られてる。加古川南高校美術部デザインとある。いい。こういうローカルなオリジナルキャラクターからしか得られない栄養があるのだ。

 

ぼくらの夏が、始まる

 

イラストといえば加古川駅構内にいとうのいぢさん(ハルヒ灼眼のシャナでおなじみ。加古川市出身!)デザインのかこのちゃんポスターがあって豪華だった。

 

かこのちゃん

 

ヤマトヤシキに入ってうろうろしているとここにもポスターが。

加古川はローカルオリキャラが豊富な街だ。

 

楽しいをMIX!

 

並河泰平さん(加古川市出身)のイラストで、館内には他にもいくつかバリエーションがあった。作者のヤマトヤシキの思い出が書かれているものもあったりして、今回初めて知ったヤマトヤシキのことを少しだけ身近に感じた。

 

ちなみにヤマトヤシキはもともと姫路発祥らしいのだけど姫路店は閉店してしまったので、いまは加古川店だけになってしまったそうな。百貨店なくなっていくのは寂しいな。

 

ベルデモールに戻って散策しているとシャリネタSTANDというお店がある。

カジュアルに寿司を食べられるみたい。おもしろそうなので入ってみた。

 

シャリネタSTAND

 

江戸前の赤酢の寿司をいただく。

醤油をつけずにそのままスレートのお皿から手で食べるのが新鮮だった。

夕方にひとり寿司を食べていると幸せな気持ちになってくるな。

 

マグロ on スレートプレート

 

ハンバーガー→寿司と連続して食べている。はしゃいでいるぞ。

ほどよくお腹が落ち着いてまた歩く。

気温は27℃でちょうどいい。

 

ベルデモールの案内板

 

案内板の表示の仕組みがおもしろいので近づいて観察する。

白黒のオセロのような丸いチップが反転する仕組みのようだ。

 

反転は一瞬

 

磁気反転表示器というものらしい。反転動作時以外は電力消費がないのはエコだ。

白と黒の2値なので胸を張ってデジタルサイネージといってよいだろう。

 

ベルデモールが終わり、じけまち商店街の方へ来た。

商店が多いので開いているお店はあまりないのだが、居酒屋の灯りが見えたので入ってみる。ビニールカーテンで仕切られたつくり。居酒屋ちか。

 

居酒屋ちか

 

ダイナミック駐車だ

 

話しを聞くと今年オープンしたそう。

おばあちゃん、お母さん、娘さんの3人でやっていて、ちかはお母さんのお名前だった。

揚げ物とキムチ(大阪で買ってきたそう)が美味しかった。

 

本日3軒目

 

いいかんじに酔っ払って店を出て夜の街をうろつく。

すると妖しい雰囲気のある界隈にやってくる。どんどん楽しくなってくるな。

 

闇のなかの夕

 

ここはレベルが高すぎてまだぼくは入れなかった。

割烹もある。この建物の趣きはもしかして転業旅館?

 

割烹繁の家

 

居酒屋もちらほらと見えてきた。

 

ビアンテじけまち

 

ビアンテじけまちに来たぞ。いくつもの居酒屋やスナックが入る複合ビルのようだ。

勢いで飛び込んでみた。

 

電飾看板がめっちゃいい

 

1FのBar&Tapas Lino

店内は常連さんで賑わっていた。金曜の夜だ。

カメラをぶら下げていたのでマスターがそこから気を利かせて話を振ってくれる。

 

Bar&Tapas Lino

 

大阪から来たというと常連さんたちがなんで加古川に?とおもしろがってくれた。

初見でここに来るのはすごい、正解だと褒められる。楽しい。入ってみてよかった。

 

横のダンディなおじさん(以下、Fさん)と話が弾む。

Fさんが、気に入ったので加古川のおすすめの店を紹介するよということで同じビアンテじけまちにある、みやもとへ連れていってくれる。

 

みやもと

 

天井が高いおしゃれ空間だ。

鹿の角が飾ってあるなと思ってたら鹿肉が出てきた。

 

猪と鹿の佃煮

 

料理がどれも美味しかった(もうだいぶ酔って写真撮れていないけど)。鹿肉はちゃんと食べたの初めてな気がする。クセがなくて柔らかったな。オーナーのお父さんが猟師やっているらしい。

 

他の常連の方から加古川について色々教えてもらう。

古い建物が好きならニッケ社宅倶楽部公園に行ってみればとのこと。ロケ地にもなったりしているらしい。いいことを聞いた。

 

Fさんも自分もだいぶ酔っていたのでここでお開きかと思ったが、最後に1軒ということで馴染みのバーで一杯飲んで解散した。まさかの6軒目だった。

 

ふらふらで足元がおぼつかないがヤマトヤシキが見えたのでそれを頼りになんとかホテルへ帰る。ありがとう、ヤマトヤシキ

 

ヤマトヤシキの白さよ

 

というわけでふらっと加古川へ行ってみたらふらふらになるまで飲み歩くことになったのだった。

 

果たしてぼくは翌日無事に加古川線に乗ることができるのだろうか?

 

次回「加古川線 乗る」

 

旅は続く。