埋物の庭

埋物の庭

街中にあるつい見落とされがちで埋もれてしまっているもの(=埋物、まいぶつ)を紹介します。

気軽に京都に行く

土曜日に昼ごはんを食べたあと映画を観たくなった。

 

上映中の『リバー、流れないでよ』がおもしろそう。
公式サイトをチェック。京都の貴船が舞台のタイムリープものらしい。

 

映画の上映館を調べる。近畿で大阪っと…

あ、京都で観ることもできるのか。京都舞台だし、よいアイデアでは?

そうだ。映画観に京都、行こう。

 

反射京都タワー

 

気軽に京都に来てしまった。大阪からJRの新快速で30分かからなかった。

 

東京出身のぼくにとって京都はこれまで旅行で遊びに行くところだった。日常から遠く離れた、歴史があって、学生が多くて、鴨川の流れる素敵な街。

 

それが大阪に引っ越してきたことで、電車で気軽に行くことができる地になったのだ。まだ東京の頃の意識が抜けていないのでこうしていざ京都駅に降り立つと不思議な感覚がする。

 

映画は夕方17時台なので時間がたくさんある。ぶらぶらしよう。あてどなく。旅行じゃないからなんとも気軽だ。

 

烏丸通を歩く。1ブロックゆくと大きなお寺が見えてきた。東本願寺だ。

 

いいこと言ってる。「生ききる」という言い方がいい。

 

境内に入る。小雨だけど傘をささないで立派な建物を眺める。

 

御影堂。親鸞聖人の御真影を安置している。

 

御影堂に上がる。檀家さんが集まって前で祈祷を受けている。
畳に座ってその様子をゆっくり眺める。まわりにも人が座って同じようにしている。
横の欧米系の観光客らしい中年の夫婦が真剣なまなざしで長い時間座っていて印象に残った。

 

烏丸通を渡って東へ進んでみる。
法蔵館がある。仏教系の出版社だ。学生時代に読んでお世話になった。

 

1Fは法蔵館書店になっている。法蔵館に限らず仏教書全般を扱っていた。親鸞関係の本が豊富!


ぼくは大学のころ宗教学専攻だった。卒論は毘沙門天像の変遷で、法蔵館の本をいくつも読んだ覚えがある。

最近はまるっきり関係ないことをしたり考えているけど、あの時間はいまもこうして思い出せるよ。

 

そのまま東へ進むと大きな庭が現れた。
渉成園東本願寺飛地らしい。

 

 

www.higashihonganji.or.jp

 

日本庭園が広がっていて、京都タワーが後ろに立っている様子が珍しくておもしろい。
ぼーと歩いていると、池に落ちた。

 

そんなことある?と思われるかもしれないが、藻が密に生えていて、地面のように見えたんだよ…

 

事故現場

 

地面っぽく見えない…?

 

被害状況。水深15cmくらいだったのでこれで済んだけど、1mとかあったらすべてが終わってた。

 

幸い怪我もなく、管理人の方のご好意で洗い場を使わせていただいた。申し訳ない…。

 

蛇口と靴とそれから私

 

びしょびしょになった靴と靴下をどうしようか。小雨だったから防水のゴアテックス製の靴を履いていたことが裏目に出て、靴の中の水が外に出ていかない。ゴアテックスは水蒸気は通すが雨は通さない。今回はその反転術式ってやつだ。自然乾燥はできなそう。

 

呪術廻戦の2期おもしろい

 

ではどうするか。コインランドリーを探そう。近くにあった!靴乾燥機(←わりとレア)もあって助かる。

京都でコインランドリーで靴を乾かすことになるなんて思ってなかったよ。

 

くつ乾燥機

 

 

靴が乾いたら喉も乾いてきた。

近くにあったカフェに入ってみる。

 

Walden Woods Kyoto

 

www.walden-woods.com


白いペンキで統一された内装がきれいだった。屋根に銅板があるから古い建物かなと思ったら大正の建築みたい。コーヒーを飲みながら安部公房の『方舟さくら丸』を読む。

 

自由を感じてほしいから白らしい

 

主人公が強力な吸引力の便器に片足を吸い込まれてしまったくだりが妙に自分の境遇と重なって笑えてくる。滑稽な毒のある物語とおしゃれなカフェとの落差がすごい。

 

 

映画館へ向かう。四条烏丸京都シネマだ。
シアターの入るCocon 烏丸には初めて来た。植物店、家具店、美術作品の展示会場がある。空間中がいい香りがする。

 

 

『リバー、流れないでよ』はおもしろかった。

旅館で働いている主人公たちが2分間をタイムループし続ける話。2分間がコメディにも、恋愛ドラマに、ホラーにもなる。未来への希望があって、観終わったあと気分が軽くなっていた。

 

Cocon 烏丸の地下でラーメンを食べる。京都はラーメンも美味しいお店がたくさんあるから巡って食べたいな。

 

天天有 四条烏丸

阪急京都線で大阪へ帰る。堺筋線とつながっているのがありがたい。

 

こうして京都はぼくの日常と地続きになっていく。これから楽しみだ。