京都文フリ出ます!
思わず太字でアピールしてしまいました。島鉄です。
初めての近畿(関西)での出展とゆーことで、私も記事取材(って大仰な言い方ですけど)のため大阪に行ってきました。大阪の東西南北、端の駅を巡る旅です。
宿はアベノから徒歩10分。気のいいフィジー人管理人のいるゲストハウスでした。
ここまで書くと詳しい人なら宿泊地がどこか特定できそうなものですが、なぜ宿泊したのが梅田でも難波でもなくアベノなのか。
……と言いますと、安く泊まれるとゆー金欠が第一の理由なのですが、もう一つ同人誌と関係ないようであるようでない、『アベノ橋魔法☆商店街』の聖地巡礼をしたかったからなのでした。
この作品のあらすじをかいつまんで説明すると
商店街の再開発で立ち退きを余儀なくされた主人公の今宮聖志(サッシ)
と、商店街で洋食屋を営み、立ち退き反対する祖父と北海道のホテルに引き抜かれた父をもち、夏休み後には転校する(予定の)サッシの幼馴染であるヒロイン朝比奈あるみ
の二人がメインとなり毎話パロディ満載の世界を行き来し、最終的に陰陽師のパワーで大団円を迎える、とゆー00年代のあかほりさとる主導のガイナックスのアニメ作品(ご多分に漏れずもちろんメディアミックスしまくりのアニメ――いちおー文化庁メディア芸術アニメーション部門優秀賞受賞してます)です。
いまや近鉄阿部野橋駅近くは東急不動産主導のキューズモールあべの、SHIBUYA109ABENOというなんのコッチャ、とゆー関東資本の席巻するエリアと化していますが、昔はあべの銀座なる商店街があり、全国各地の都市部においてみられる闇市の匂いの残る現代の感覚からすると古臭く、しかし地元に根ざしたお店が並んでいたのです。
↑あべのベルタは古臭い印象ですが、昔は再開発事業のトップランナーとして新進気鋭の空気を身にまとっていたのですね……。
私にとってはキューズモールあべのが開業してしばらくするとあべのベルタ地下街が壊滅していた記憶しかありません。そごうがテナントにいたからいけないのかな(←高松駅のそごうが潰れ、松山市駅の髙島屋は元気なため、そごうは疫病神という説を未だに信じる四国人並みに純朴な人間)
もっとも私も、ようやく阿倍野再開発事業ができる、くらいの頃に初めて阿倍野に足を伸ばしたので往時の雰囲気は知らないのですが……。
あべの銀座商店街 - YouTubem.youtube.com
そんなあべの銀座(アニメの商店街自体は阿倍野王子商店街もロケ地になっています)……はいまや取り壊され、聖地巡礼することができないのですがテナントとしてキューズモールあべのに入っています。
かつての、あべの銀座を思わせるテナントがまだ残っているんですね。このエリアはヴィアあべのウォークと呼ばれており、立ち呑み屋さんなんかもあります。
立呑スタイルは関西っぽさを感じられていいですねぇ~
他所酒 (ヨソザケ) - 阿倍野/立ち飲み居酒屋・バー | 食べログ
まさしく、1000べろといった雰囲気で私が入店した時もサラリーマンが一杯引っ掛けて帰る、とゆー感じでした。
アベノ橋魔法☆商店街の話に戻すと、このあべの銀座商店街にあった、洋食屋グリルマルヨシがモデルの、グリルペリカンにヒロインの朝比奈あるみちゃんがいることになっています。ヴィアあべのウォークにグリルマルヨシは移転しているので、入ってみました。
私は美味しそうな、タンシチューを注文。アニメ劇中のメニューにあったエスカルゴも値上げ(?)してますが、あります。
そして、主人公の今宮聖志、通称サッシは銭湯のボンという設定なのですが、キューズモールあべの近くには今でも銭湯があります。
この銭湯、湯処あべの橋には何回かお世話になっていますが、聖地巡礼とは関係ありません。しかし、いい湯なんですよねー。ターミナル駅から徒歩10分程度で立ち寄れるのは魅力的です。
こういうスポットは再開発されても残っていてほしいですね。
さて、ここまではかつてのあべの銀座の残り香を探してきましたが、いよいよ本格的にロケ地であり、話の要でもある阿倍野神社と阿倍野王子商店街に行ってみましょう。
ここからは大阪府で唯一現存する路面電車の阪堺電気軌道で移動します。
東京は都電が残り、大阪は私鉄が残ったのはなんとなく街のイメージにあっていて面白いですね(東急世田谷線を入れると東京も私鉄の路面電車は残ってますが)。
ガタゴト揺られること数分程度。この路面電車沿線は通天閣のふもとである恵美須町にドヤ街でおなじみ新今宮、大阪市内屈指の高級住宅街の北畠・帝塚山、とバラエティー豊かなので大好きです。住吉さんにもお参りできます。
ここから歩いて10分程度のところに安倍晴明神社と阿倍野王子神社があるようです。
住宅街をここであってるのかな?と不安になりつつたどり着いたのが、安倍晴明神社。こじんまりとした社殿ですが、羽生結弦の陰陽師衣裳効果か参詣する人が多くいたことを絵馬から読み取れました。
ほうほう、と思いながら歩いていると、聖地巡礼スポットである阿倍野王子商店街も見えてきます。
安産祈願の絵馬が多くみられました。うーん、私には全く縁がないのでとりあえず同人誌の刊行が無事できるよう祈って阿倍野王子商店街へ。
この写真から分かる通り、テナントの面する商店街入口があまりにも漆黒に包まれているので不安でいっぱいだったのですが、予想通りテナントの元気がほぼない商店街でした。
アベノ橋魔法☆商店街の最終話付近で見せつけられる「現実の(活気のない)商店街」を思い出して切なくなります。
大阪の商店街はわりかし元気なのですが、やはり時勢の波か苦労しているトコもありますよね。
『アベノ橋魔法☆商店街』ではEDソングとして中山千夏の『あなたの心に(1969)』が流れるのですが、この商店街でも流れてそうなくらい時の滞留を感じます。
ラピスあべの、というこの商店街では比較的大きなテナントも閉まっていました。悲しい。ここに再び大きなテナントが入ることはあるのでしょーか……。
一番びっくりしたのは、アーケード商店街の照明がLEDになっていたことでしょうjか。
省エネ、時代の趨勢を感じます。細々と営業しているお店もあります。
ザ・下町な商店街を抜けると桃山学院大学の校舎が現れます。大阪あるある、筋を違うと異世界、っていうモン(東京だとカラーの異なる地域は地形で分断されていることが多いので初見だとびっくりするのです)でしょーか。
ここからは大阪市営地下鉄……じゃなかった大阪メトロに乗って梅田へ帰ります。
この日とは違う上に別の聖地巡礼ですが、ウルフルズのトータス松本が働いていたことで有名な梅田の隣駅、中津の喫茶店カンテグランデにも行ってきました。
ここ中津エリアも梅田に近いこと、うめきた再開発の波でニョキニョキとタワマンが屹立するエリアですが、昔と変わらず本場インドのチャイを出している姿にホッとしました。時短営業で長居できないのは残念ですが、トータス松本棚もあることから、ファンの人は一度行ってみる価値大ありです。
梅田駅から歩かず一駅だけど切符を買って中津駅で降りればそう遠くないです。ウルフルズ『大阪ストラット』の歌詞の通りですね(私は切符代をケチって歩いて行ったのでえらい時間がかかりました)。
(トータス松本若ーい)
……あれ?なんの話でしたっけ。『アベノ橋魔法☆商店街』の話だったよーな気がしたのですが。
私はパワフルな大阪下町が大好き!というわけでもないのですが(幼少期を東京下町で過ごしただけでもおなかいっぱいなので)、なんだかんだ元気のある商店街がないと寂しいというか、キューズモールはキレイで素敵なのですが、ちょっぴり寂しい気がするのです。
まー、なくなったからこそ郷愁にかられているだけなのかもしれませんが。
ゲストハウスのフィジー人管理人は「刺身みんな嫌がる。でも一度食べさせると美味しいって言う。サメの刺身も生け捕りすぐならおいしい」と話していました。
なるほど、なにごともチャレンジできるうちに取り組んだほうがいいのかもしれません。
阿倍野は様変わりしてしまいましたが、難波もうめきたも、たった今変わろうとしています。その変わり目である今こそ貴重な映像が撮影できるチャンスなのかも。
ちなみに商店街のイメージから停滞しているイメージを持たれたことも多いかもしれませんが、電停そばには倉庫を改造したようなお洒落な喫茶店(サンドイッチ美味しゅうございました)、晴明神社脇にもかわゆい雑貨屋さんがありました
個人的な好き嫌いではありますが、再開発=大手資本ではなく、こういう個人店が頑張る街づくりができると嬉しいですね。
関西近郊の皆さん、阪堺電車に乗る機会はあまりないかもしれませんが……昭和町付近には社宅も多いですし、大阪が初めて、の人を誘って街案内はいかがでしょうか。
関西圏外の皆さんも通天閣やあべのハルカスから数十分でやや濃ゆい地元のステキなお店が立ち並ぶアベノ以南エリアに足を運んでみてはいかがでしょーか。
えーっと、『アベノ橋☆魔法商店街』についてほぼ触れていない気もしますが、とにかく映画・SF・初期ギャルゲー・アニメ・恐竜……そんなモノが好きな人は一話でも見てください!おそらく(あー、こーいうのあったな)とゆー気分になること請け合いです。
話の筋としては冒頭と最後以外は毎話オムニバスみたいなものなので、ぜひ時間があれば視聴してみて下さい。きっとお気に入りの回が1話はあるはず?!です。
感想としてはこの方の記事がおもしろかったので、全話見た方は読んでみて下さい。
あってあるこの世のもの、天尊神・地尊神すべてがあるようにあれ、急急如律令!
(島鉄)