タイトルがメチャクチャ。
みなさんごきげんよう。島鉄です。
池上本門寺とゆー寺をご存知でしょうか。
有名な古都である京都奈良鎌倉はともかく、住宅街の多いいわゆる観光地でない街にも意外や意外、仏ゾーン*1が形成されていることがあります。
例をあげると大阪の上町台地上にある寺町こと谷町筋の一帯や、東京では谷根千ブームのあった谷中一帯などですね。
そしてこの池上本門寺のある大田区池上も主に日蓮宗を中心としてお寺が点在しているのです。
大田区のHPによると、池上本門寺は日蓮の没後にもともと日蓮宗に帰依していた池上宗仲という人物が屋敷の一部を寄進したことから始まったみたいです。
https://www.city.ota.tokyo.jp/smph/shisetsu/rekishi/ikegami/ikegamihonmonji.html
なんでも日蓮は身延山からわざわざ、この地で亡くなられた(入滅)そうですから、池上本門寺の特別感が伺えます。
この日はとても日差しの強い日で、暑さにクラクラしながら蒲田駅から本門寺へ向けてテクテクと歩いていきました。
ここからは道中見つけたものを紹介していきます。池上本門寺にしか興味のない人*2は飛ばしてください。
母さん助けて詐欺、いつ見ても笑ってしまう。手口としてはまんまそうなんだけども、母さん助けてってなんなのよ。
このステッカーを見て気になったのが、おおしろ地蔵の存在。尻尾がついてます。
近くにピカピカ新造の石像が安置されており、なにやら説明文によると心根の優しい白いおっぽの子狐が化けた地蔵様なのだとか。
え、なにそれ。かわいい。チラリと見える尻尾にも意味があったのね。
ちなみに石像に貼ってあったメッセージは全然子狐っぽくなかったです。
いい味出してるんですけどね、この毛筆のメッセージ。
自分が好きに成らなければ相手も好きに成って呉れないよ!!
……名言です。妖狐伝説からすると狐は長生きですから、子狐とはいえ80歳くらいなのかもしれませんね。
マート飯島。懐かしい街のスーパーマーケット、って感じです。建物外観も古い鉄筋コンクリート造でグー。
全日食チェーンってなんだ?と思いましたが、CGCと同じく大手チェーン店に対抗するために作られた独立小売店同士が協力して仕入れ・流通をする仕組みなんですね。いわゆるボランタリーチェーンというやつで、ニチリウなんかもあります。
中小小売店はみんなガンバっているのだなあ。ドン・キホーテでエビスビールが190円だった!!激安!なんて言ってた自分が恥ずかしくなります。できうる限りこういうお店を応援しないといけませんね。でもエビスビール48本セット(いっぱい買ったほうがコスパいいので)買っちゃったからまた半年後ね、許して。でも今のご時世、店が半年後にあるかどうかわからないのだよな……。
うわ、ずんぐりむっくりしたオールドスタイルなピカチュウです。自転車を紹介する字もオールドテイスト。
あと、思わず声が出てしまったのがこの書道教室。生徒さんの字を見せたい思いが伝わってきます、けど一面に貼り付けてて怖いです。ヒッ、ってなっちゃいました。
同じ題でも一人ひとり違う字だと確認できていいのですけれど。
信金の手書きのポスターもよい。野良キャラゲットです。4コマ目の絵、女性職員はノリノリっぽいのに、眉毛の角度のせいか男性職員が乗り気でない風に見えて笑ってしまいました。
ここまで歩いてくると喉が渇くだけでなく、お腹も減ってきました。
なにか売ってないかな。
ちょうどお惣菜屋さんがあり、おばちゃんの誘いに負けるかたちで薄いわらじカツとピリ辛こんにゃくを買ってしまいました。お酒のつまみにもってこいな濃い味で美味しかったです。
さすがに歩きながらお酒は飲めませんけど。
買い物をするとその街の一員になった、溶け込めた気がしていいですね。
そろそろ商店街も終わりそうなくらい歩いてきました。
街に歴史あり。歩いてみると見えてくるものがいっぱいありますね。
とゆーわけで完全に忘れかけてますが、一応池上本門寺に向かってます。
門前町感がまったくないですが、ここは参詣道ではないので当然です。
陶芸教室にはストップ!!ひばりくん!でおなじみ江口寿史さんのよーな絵柄のトレンディなイラストが。素敵。
カムバック80’s!!
はい、これで商店街をようやく抜けました。
にしても暑いな。川の先にお寺が見えます。なんだか小旅行気分。
ちなみに橋の向こうに見えるお寺は養源寺というそうです。本門寺と同じく日蓮宗のお寺だとか。そのすぐ隣には本門寺の僧侶の学校である南谷壇林の遺構がありました。
そして南谷壇林の遺構を通り過ぎると妙見坂と呼ばれる坂がありました。
こ、この階段を登るのか……と圧倒されます。本門寺は崖の上にあるようで、なるほど聖なる空間としての威厳を醸し出しています。
妙見菩薩を祀っているのでしょう。日蓮宗と妙見信仰は結びつきが強いのです。
妙見菩薩は豪族千葉氏が特に尊崇するものでしたが、日蓮も千葉神社を崇拝していました。思えば題目は「妙法蓮華経」ですしね。
妙見大菩薩(妙見さん)について ここが知りたい|日蓮宗尾張伝道センター
どうやらここは本門寺の一部のようです。本堂から読経の声もします。
本門寺のメイン会場(?)に繋がってないかな、と思い階段を降りていきます。位置エネルギーの無駄遣い。
繋がってませんでした。登って下ってまた登る。人生は山登り。登るごとに景色が広がる。私は麦100%、大分麦焼酎二階堂(意味不明)。
気を取り直して歩きます。
朗子会館、というのは信者さん用の建物でしょうか。
調べたらすごい名前生成器出てきちゃった。すごいぞ、すごい名前生成器。
「朗子」って池上本門寺でしか言わない名前なのかな。
どうやら鼓笛隊、合唱団、ボーイスカウトなど手広くやってるみたいです。
信者同士で集まって文化活動や学習会をするための会館なのですね。
行政の建てる文化会館は住まう地域の人々の集まる、いわゆる地縁的結合なのに対して、こちらは信仰が同じ人々の集まる宗教的結合というわけか。
と思ったけど、巡礼とかでない限り寺社に参詣するのは地域の人々がメインですね。
教会なんかでも聖書研究以外にカルチャースクールのようなことをやっていますし、宗教施設はただ単に信仰の場というだけでなく、文化を提供する場という側面があるのだと思います。
話が逸れてしまいました。しかしながらこんなに大きな信者用会館が建てられることから池上本門寺の力が伺えます。
小学校でも池上本門寺の山容を絵にして飾っているほど。さすが門前小学校なだけはあります。
個人的には、このリアル路線の地蔵の絵が一番好きです。
さて、本門寺に向かいますかね。
えっ……また登るの?予想通り高台の上に伽藍がある本門寺。また位置エネルギーを高めていきましょう。高野山も比叡山も山ですし、富士山は霊峰だし、徳の高さって位置エネルギーの高さみたいなところもありますからね(嘘)。
わー、いい眺め。眼前に広がる街並み……というほどではないですが登ってきた分嬉しさがあります。東京の街なかで手軽にアップダウンを味わえるのは、ここ本門寺周辺だけではなかろーか。
お、神仏習合してますね。境内で鳥居を見るのは四天王寺以来かもしれない。
この神社に祀られている長栄大威徳天は日蓮が佐渡配流中に姿を表し、信者・行者の守護神となったそうな。
いわゆる護法善神ですね。大黒天も祀られていましたから、仏教的色彩を帯びている神社と呼べそうです。
これが小学校の絵にあった地蔵かぁ。可愛らしいですね。木が地蔵を守るように生えているのも微笑ましい。近くの電話ボックスもなんだか情緒があって素敵です。
ここは関東最古とも呼ばれる古い建物で、慶長13年(1608)建立、二代将軍秀忠の寄進だとか。
すぐ近くには幸田露伴のお墓もあります。幸田露伴といえば、小説『五重塔』。もしかしてこの五重塔がモデルでは……なんて思ってしまいますが、モデルは谷中感応寺の五重塔でした。
さらには力道山のお墓もあります。
有名人のお墓めぐりもできてしまうとは、本門寺恐るべし。
いよいよ大堂に向かいます。玉砂利が敷き詰められた広々した境内は、京都の大寺院にも負けない貫禄があります。なにせ、この大堂は本門寺で一番大きな建物なのです。
画像では伝わりようがないですが、境内にはお経を詠む声がずーっと響いているのでより荘厳さを感じます。
安心安全、コロナ対策もバッチリな本門寺。
それもそのはず、この大堂ではコロナウイルス調伏を祈っているのですから当然の備えと言えます。
やっぱり疫病には読経でしょ。
男は読経、とはよく言ったものですね。
いや女人は読経ができない、悟れない、などというのは差別的でした。
老若男女すべての人に寺院は開かれているはずです、これからは男も女も読経こそ一番と教えねばなりません。
www.chugainippoh.co.jp↑白人女性僧侶の感じた仏教界でのジェンダー不平等。どの集団にもこういった不均衡は存在するのですね。
ダジャレがウケなかったから説教に切り替えるという、最悪な上司みたいなことをしてしまいました。すみません。
女も男もLGBTも、度胸も愛嬌も全部必要です!この世界を形作るものすべて、みな等しく大切です。
……何の話でしたっけ?
そうでした、コロナウイルス調伏の話でした。このように大堂はアルコール消毒液完備、ウイルスをシャットアウトすべく冷蔵倉庫のようなビニール幕も備わっております。安心安全に参拝できますね。
新しい様式の参拝、浸透していくといいですね。
ちなみに本門寺前には朗氏会館の隣に日蓮宗宗務院もありましたが、掲示板にオンライン唱題行と手洗いうがいマスク励行ポスターが貼ってあって現代チックだなー、と感心しました。
南都仏教や平安仏教と比べて後発の日蓮宗は、現代文化にマッチするよう工夫をするのがうまい印象です。
しっかり新型コロナウイルス感染症が収まりますように、あと世界平和、ついでに生活が楽になりますように*3、とお祈りしておきました。
この立派な大堂ですが、もちろん創建当初から残っている建物ではありません。
昭和39年、復興した日本の姿を世界に印象づけた東京オリンピック開催の年に、奇しくも戦災によって失われた大堂が再建されました。
2005年頃にも大屋根の改修がなされたようです。こうやって文化が新たな手を加えられつつ連綿と次の代へ受け継がれていくのはいいことですね。
そしていまさらながら気づいたのですが大堂奥に本殿がありました。大堂の存在が大きくて忘れてしまったのですが、本殿は別にあります。
また寺宝を公開している博物館の霊寶殿や多宝塔も行けずじまい。
サクッと2、3時間で見て帰ろうなんて考えが甘かったです。
そうか、ここ本門寺は一大テーマパークなのだ、一日かけてじっくり見て回るものなのだ……と悟った半日でした。
再訪を誓い、後ろ髪をひかれながら本門寺をあとにしました。
本門寺を参詣するために造られた池上線は3両しかないし、大したことないんだろーなー、なんて池上本門寺の凄さを知らなかった数時間前の自分に喝をいれたいです。
喝だ!!
(長野県民にはお馴染みの水、活)
それではこの辺で。アデュー……。
(島鉄)