埋物の庭

埋物の庭

街中にあるつい見落とされがちで埋もれてしまっているもの(=埋物、まいぶつ)を紹介します。

愛媛帰省とその成果


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新年明けましておめでとうございます。

このサイトを見ている人がどのくらいいるのか謎ですが、一応ご挨拶をば。

 

タイトルにある通り、僕の実家は愛媛にあります。正確に言うと実家ではないんですが、本当の実家はちょうど17年前の年末に潰されて追い出され今では別のアパートになってますんで、僕のなかでは婆さんが住んでる愛媛の家は実家みたいなものなのです。

 

それはさておき。

年末休みを利用して鈍行を乗り継ぎ私は帰省しました。


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そのルートは東海道線をえっちらおっちら九時間半かけて着いた大阪に一泊して……


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瀬戸大橋を渡り

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松山からバスに乗り……

 

およそ十二時間かけて婆さんの家に着くというものでした。気が狂ってるとしか思えない。

帰省客の多さから座れないことも多々あり、痔主として心配だったお尻への負担は案外なかったのですが、めちゃくちゃ疲れました。眼が。

持っていった本6冊と録音したラジオ二時間はすべて読み(聴き)終えてしまいました。

 

そんな道中だったのですが、面白おかしいこともなかったわけではありません。

……面白おかしいというのは嘘です。

ちょっとクスッときたとか(大体疲れのせい)、そんなくらいです。

そんな成果物を挙げていきます。

 

・時間の止まったビル

 
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まずは朝六時に出発し夕方三時に着いた大阪にて、大阪市の肝いりで作られた大阪駅前第一ビルという駅前にも関わらずテナントがスカスカ(テナント料が高いせいだというが)、多々広告欄に空いているところが見られるわりにはテナント以外の広告を認めないという頑なな姿勢(度量が狭いとも)ゆえにポテトローンとかいうふざけた名前の金貸し広告しか見受けられなかった、という大阪の闇を感じさせるところへ向かいました。

 

再開発で活気づく大阪キタのエリア内なのにまるで時間が止まっているかのような駅前第一ビルのなかを歩いていると、いい感じの喫茶店が。

店の前の売り文句をそのまま受け止めると、なにやら店内のデザインが建築として非常に素晴らしいんだとか。よくわかんない。


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とにかく古めかしい(といっても明治のレンガ造りとか町家みたいな古めかしさではなく手の届きそうな昭和高度経済成長期程度の)内装でした。


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なにせコーヒー¥250也。

一度大阪中央郵便局に立ち寄る機会があればぜひ、訪れてみてください。マヅラ喫茶店

 ただひとつ難点をあげるとすると、大阪第一ビルはトイレに人こもり過ぎ。

綺麗に改装されたためにトイレだけ21世紀のものなのかな?といった具合なのですが、お陰で全く空いてない。

ここら辺は同じく時間の止まった感のあるニュー新橋ビルでも言えることですね。(しかしニュー新橋ビルはウンコ落ちてたからなぁ)

 

 

奈良で犬のようななにかと出会う
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わたくしは奈良県連続訪問記録というのを2012年より続けておりまして、もはや呪縛となっていることは明白なこの記録を途切れさせないために半ば義務感のようなもので昨年は12/25に、そして今年は12/28という年の瀬に奈良を訪れたのです。

そこは奈良県王寺、東京だと同音の王子が、ゲームセンターが駅前にあって都電が走ってる紙の街……といった印象です。

しかし奈良県の王寺は全く印象に残っていない。乗り換えで使ったな、という程度。たしか駅前にパン屋とショッピングモールがあったな、という典型的なベッドタウンのイメージ。

 

冒頭であげた謎の画像と題字を見てもらえば分かると思いますが、王寺はよく知らない二足歩行の犬が支配する街でした。

黒目なのが怖いですよね。安直なホラー映画にありそう。白目剥いたり黒目だけになってみたり、まるでオセロゲームか囲碁のよう。

碁盤は小さなユニバース、そうヒカルの碁にも書いてあったような気がします。

君はコスモを感じたことがあるか、そう黒い目で問いかけてくる雪丸と名乗る犬を尻目に私は夜の王寺に向かいました。

 
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ドローン形態(いわゆるビークルモード)にトランスフォームしている雪丸氏。ビーストウォーズ


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と思ったら封印されていた。

 
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呪いなのかと見紛う102A102Bの彫った文字。彫刻刀で文字を彫ろうとするとこうなるよね。(下手くそ)あと賃貸の店って何?

 

まぁどの店もこんな調子で王寺はチェーンでない飯屋はほぼ存在せず、仕方なく居酒屋でご飯を食べました。

ベイマックスをテレビで流していたのが印象的です。一人で入ったのは私だけだったので、女将さんによくしてもらいました。(食い気味で一人客だとアピールしたのも影響してるか)

ただ、なぜわりと終盤になってベイマックス視聴をやめたのかが気になるところです。

女将さんはエンドロールまで見ないタイプだったのでしょうか。

そんな思い出の街王寺、帰り際に今年はどうもありがとうございます、来年もよろしくと挨拶されたので来年もいかねばなりません。

7年連続奈良県訪問記録達成のために2018年も邁進していく次第でございます。

 

おまけ


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いわゆる西成のドヤに¥700で泊まったのですが(安心してください、楽天トラベルで楽天ポイントを¥1,000分使ったのでこの価格なのです。3桁の本格的ドヤに予約なしで行くほど私は勇敢ではないのです。)、目の前に廃墟と化したホルモン屋がありました。しかも道端に酔っ払ったおっちゃんが倒れてらっしゃるのでビビりました。

怒られないかな?と思いつつシャッターを切ったのですが、おっちゃんは無反応でした。

今思うと毛布を被せてあげればよかったのかもしれません。

 こうして、三畳一間の部屋に潜り込み一夜を明かしたのでした。

 

実家の近くは廃墟パラダイス


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西成のドヤを朝六時に発ち、ようやく夕方の七時半に実家へとたどり着きました。

長かった……。

親戚一同が集うわけでもなかったのですが、正月に帰ったことは今までなく(こういうと薄情なように聞こえますね、東北とか静岡長野に親戚が住んでる人はいいですが、めちゃくちゃ金と時間がかかるので四国に行けなかったのだと思ってください、お願いします。)、暖かかった実家は室内気温13度を1度も上回ることのない隙間風の入ってくる家と化していました。

寒い。エアコンなぞという軟弱なものは当然ありません。家は夏を旨として作れと誰かが言っていましたが、アレは間違いです。

夏涼しく冬暖かいを旨として作るべきです。

よく分かりました。

しかも台所と居間の仕切り戸が壊れたとかで薄っぺらいカーテンだけになってるし、大きな窓が多いわりに日は全く差さないし……。

風呂場の洗い場と浴槽の大きさの比率(よくて8:2)がおかしいことは前々から承知していましたが、この家を建てた大工は相当腕がアレだったのではないか……と改めて思いました。

そんな家にも正月は来ます。紅白歌合戦が職場の有線ともろ被りで仕事してる気分になったり、芸能人格付けチェックでGacktが連勝している姿を婆さんと見守ったりしている間に新年はやって来たのです。

 

ようやく正午、すなわち元旦とは呼べなくなった頃合いに私と母と妹と伯父さん(無職)は初詣に向かいました。

初詣先の家のすぐ裏手にある神社は昨年執り行った爺さんの葬式でも世話になった由緒あるところです。

この神社は城跡に建てられているからなのか、およそバリアフリーの観点からは遠いめちゃくちゃ段数多い上に段差があるわりに急、という階段を登らねばならず、新年初膝壊しといった風情でした。

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商店街は正月休みなのか永久に休みなのか判別のつかない店が立ち並び、ちょっとお茶でもしようと歩いてみるもほとんど店がないばかりか、住宅街ですら廃墟と化す始末。

 

冒頭の写真はそんな廃墟の多い街のなかでもいち早く廃墟となった映画館です。

猫のすみかとなってました。幸せな余生と言えるでしょう。


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可愛らしくちょこんと映画館の入り口で出迎えるミラー。真正面には廃車が。素敵なカップルですね。


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忘れ去られた街、といった風情のところにはいささか皮肉めいた看板です。

廃墟に残された写真や家具、着物……思い出を拾ってくれる人はどれくらいいるのだろうか?(実家に大量の段ボールでまとめられた母や伯父の本、通信簿やらはおそらく廃墟となってもそのまま残りそうだと感じました。)

 


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 新作映画。いつの……なんでしょうか。

2002年公開のものばかり、最近だ!と思いましたがもう15年以上昔。

平成もすでに30年。15年もあれば満州事変を起こしたのちに中国と一戦交えてアメリカに奇襲をしかけ、原爆投下、新憲法公布くらいはできるくらい時が経ったわけです。

感慨深いですね。

 

とかく、時間のうつろいというものは早く儚いものでございやす。

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しかしながら、幼き頃母と歩いたこの川は変わっていないなぁ……


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と思ったらでっかいフジができてました。

中四国住まいでない人むけに話すと中四国地域では最大手と呼べるスーパーで、中四国最大級のショッピングモールのエミフルを作ったことで有名なのがフジなのです。レストランといえばジョイフル、スーパーといえばフジとマルナカ。それが四国。)

 

そんな廃墟と変わりゆく町並みを見ながら温度計が9℃をしめす部屋で眠りに着いた翌日、去る一月二日の朝九時に爽やかな空気の伊予の奥地をあとにしたのでした。

 

あぁ、寒かった。

 

今年の初マイブーム

- YouTube

JR松山駅前には温泉、カラオケ、ボウリングといった老いも若きも楽しめるキスケBOX(高田馬場にもそんなBOXがありましたね。)なる施設があるのですが、そこの元締めたる株式会社キスケのCMが年末年始テレビで流れておるわけです。


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そこに出演されていたキスケ応縁大使たるレ・ロマネスクさんが完全に脳裏に焼きついて離れなくなったのでこの場をお借りして紹介させていただきます。(え、レ・ロマネスク知らなかったの?という人もなかにはいるでしょうが。)

 

 CMで歌詞を変えて使われていた、「祝ってやる」もさることながら、ご本人たちのビジュアルもなかなかインパクトが強い……。

ボーカルのTOBIさん(細長い方)はほぼ日でコーナーをもっていたので、ご興味あればぜひ見てください。いかにひどい目に遭ってきたかということがわかりますので。

 

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今年一年おめでたいといいなぁ。

長々とすみません。

おわり。

島鉄)