埋物の庭

埋物の庭

街中にあるつい見落とされがちで埋もれてしまっているもの(=埋物、まいぶつ)を紹介します。

はにわ通信 31号 むなしい気分でゲーム

Amazon Fire TV Stick最高!!

という記事を書きます。嘘です。

 

楽天ポイントをためつつ、Amazonで動画を見て、ヤフオクでPayPay支払いをキメる……。

ポイント経済圏を統一できない三国時代島鉄です。

 

冒頭にわざわざ太字で書いた通り、島鉄は自宅でAmazon Fire TV Stick(以下Fire TV Stickと書きます)を利用しています。

 

 

もっぱら映画やYoutubeの動画再生機器と化していますが、このFire TV Stickはアプリをインストールすることで動画再生・音楽鑑賞・スマホやカメラで撮影した写真を見られる……などなど便利な一品です。

 

www.shunpon.com

しかも!

なんと!!

 ゲームまで!!!

 

できるんですねえ。

 

たまーに、島鉄はオセロをやってコンピューターに勝ったり負けたりしています。

むなしい。

 

テーブルゲーム以外にも何かないかな?

と思い、検索してみたところ野球ゲームがありました!

Baseball Gameですが野球の試合はできません


バッターが『トムとジェリー』のネズミ、ジェリーなんですが許可をとっているのか謎です。なんか不安になりますね。

子供向けのゲームなんだと何となく伝わってきます。

多言語対応

万国のわらべたちに楽しんでもらいたいのか、野球をやっているのかよくわからない国・地域の言語にも対応しています。

カザーク語……いわゆるコサックですね。ロシアにルーツのある野球選手と言えば戦前・戦後を代表する大投手スタルヒンを思い出します。

ヴィクトル スタルヒン 野球殿堂博物館

 

そんな多言語対応の「テンポが速く楽しめる現実的な野球ゲームーーEnjoy fast-paced, realistic baseball gemeーー」なのですが、評価は低め。

まあ、やってみなければ分かりません。インストールしてみましょう。

 

この野球ゲームはめちゃくちゃシンプルです。野球の試合をする、というより打者としてキャラクターを選びHRを狙う……というもの。

キャラクターは課金要素

ちなみに冒頭出てきたジェリーやアイアンマンなどのキャラクターもいるのですが、これらのキャラクターを選択しようとすると課金を促されます。

アイアンマンにするとパワーとスピードがメチャクチャ上がるとか、ジェリーは背が低い*1からストライクゾーンが狭まるとかそういうことはありません。好きなキャラクターで野球ができる……その一点のみにおいて課金したいか否か、そう問われているのです。

 

島鉄はとりあえず髪が水色でバットが妙に細い(細くて長いノック用バットみたい)デフォルトのキャラクターにしました。

 

立ち位置そこでいいの?

バッターがめちゃくちゃど真ん中に立っている!!!

野球って真ん中にホームベースがあって、左右どちらかにバッターが立っているイメージなのですが、そんなのお構いなしです。

そうそう、こんな感じ

ストライクゾーンの概念とかどこかに吹き飛んでます。

とりあえず投手の投げるボールにタイミングをあわせればいいのかな。

右に表示されるヒット数に到達すればクリア、左のミス数に達するとチャレンジ失敗。

 

なるほど、分かりやすいですね。

 

試行錯誤(3分くらい)

あっタイミング速すぎた、ひきつけすぎて振るのが遅れた……そもそもホームベースのある位置ど真ん中に立っているので、ストライク・ボールの概念はなくとにかく来た球は打ち返すほかありません。

 

これって野球ゲームなのだろーか……。

しかもミス判定がめちゃくちゃ甘いので、空振りしてもOK(振らないのはダメ)という親切設計。

これならいつかはヒットが出ますね。

 

よーし、タイミングを合わせて……。

おりゃー

やった!

ホームランです。

 

ちなみに、このゲームなぜかホームランかファウル(通常ならヒットではない)しか出ませんでした。もちろん(?)どちらもヒット扱いです。

右横のゲージの意味はよく分かりませんでした。

 

レベルが上がれば難易度も上がる……?

レベル1をクリアするとコツがつかめます。レベル2、レベル3、あっという間にレベル4へ。

レベルが上がると敵の難易度が上がる……と思いきやビミョーに違います。

 

敵チームのピッチャーの投げる球が速くなる……とか、球がとてつもない変化をする……といった敵がパワーアップする方向ではなく、クリア要件のヒット数が増える+許されるミスが少なくなる、といった要求がパワーアップする方向で難易度が上がります。(なんだか仕事みたいですね)

 

えっ、もうおわり?

レベル4をクリアするとBUYの3文字が現れます。

タダでゲームできると思うなよ、とゆー世界各国のお子様たちへの熱いメッセージですね。

ありがとう、BaseBall3D……。楽しんだのでアンインストールします。

15分くらい時間をつぶせるのでおススメ……はしません。

 

みんなもドシドシFire TV Stickで目がうつろになるゲームを集めて紹介してくれよな!!

 

こんな げーむに まじに なっちゃって どうするの、そう言われている気がします。

 

 

*1:なおジェリーの頭身は人間サイズです。大きいのこわいよ……

五反田TOCビル

五反田TOCビルが2024年3月末で閉館するらしい。

 

 

味のある昔ながらの屋上があるビルとして知られていた。

 

竣工は1970年2月、開館は大阪万博と同じ3月。

地下3階地上13階の建造物で、落成当時は日本最大の容積率であったらしい。

 

2022年6月に訪れたときの写真を載せる。

ビルで働いている人や、コスプレ撮影をしている人、遊びに来ている人たちがそれぞれのんびりと過ごしているのが印象的だった。

 

ビル外観

 

屋上入口

 

広い。右の鉄骨は「TOC」の巨大看板。

 

氷川神社

 

なめらかな布のような形のベンチ

 

とにかく広いのだ

 

暑いので日陰に人が集まっていた。高層ビル群を望む。

 

コスプレ撮影をしても日光浴をしてもいいのだ。

 

(2024/04/09追記)もうちょっとだけ続くんじゃ、ということだそうです。


はにわ通信 第30号 新しい星座をつくろう

SNS日経新聞の記事が流れてきた。

 

 

どういうつながり? と意味を考えてみる。こんなかんじになるだろうか。

 

 

 

これは「編集者が選ぶニュース3本」というシリーズらしい。他のもいくつか見てみる。

 

 

意味の洪水だ。いつまでも情報が完結しない…!

 

というのはネタで、「編集者が選ぶニュース3本」は以下のようなテーマでやっているコンテンツだった。

日経の編集者が厳選したニュース3本を平日夕刻にまとめて紹介します。ニュースチェックにお役立てください。

 

最近自分のなかで、こういう風に言葉が並列されている状況におもしろさを感じている。おそらくNHKの「100分de名著」でリチャード・ローティの『偶然性・アイロニー・連帯』がテーマになったことも影響している。

 

 

中点で言葉をつなげること。

並ぶ単語同士には意味が込められていることもあれば(ローティ)、まったく無関係なこともある(日経)。

 

しかし人は意味があろうとなかろうと、まずは意味を見出そうとする傾向があるらしい。Xのトレンドに並んでいる単語同士に意味を見出してしまうのも似たような現象だろう。

 

その中間的なものとして三題噺がある。
三題噺はもとは落語の話芸のひとつで、観客から3つお題を募って即興で話を考えて披露するというものだ。無理やり意味をつくるおもしろさがある。

 

さて近いつながりの言葉同士はすぐに意味のつながりがわかる。
たとえば

・湖と池
・光と闇
・紙とハサミ

 

上の事物の関係は次のどれに当たるでしょうか?
類似の概念、反対の概念、関連する動作の概念

 

就職活動の試験でよくこういった問題を解いたような気がする。

一方で遠いつながりもある。たとえば

・鉛筆とまなざし
・スピーカーと宇宙
・ランチョンマットとたぬき

 

一瞬で頭に意味のイメージが浮かばない。
しかし意味のつながりが近い場合と違って、かえってより深く言葉と事物をイメージできているかもしれない。頭が言葉からその周辺に探索範囲を広げているかんじ。


短歌には読むと(あるいは聴くと)立ち現れる情景があって上に書いたことと似ている。

 

たとえばこんな歌がある。

このラジオはいつか鳴り出す公園の鳩たちみんないなくなったら

呼吸することで世界に参加する/白い紙では飛行機を折る

新しい服をくぐった風のなか梅は花ひらくこと思い出す

いずれも平岡直子の歌集『みじかい髪も長い髪も炎』(本阿弥書店、2021年)より「みじかい髪も長い髪も炎」

 

ここでは言葉と言葉の距離が遠い。
そして遠いからこそ生まれる情景がある。

 

歌人岡井隆は以下のように書いている。

 

歌いはじめと歌い終りは──初句と結句は、無限の距離にあるべきです。(中略)初句にはじまって、第二句、第三句と進んでいくうちに、予想外の言葉があらわれてくる。そのたのしみにこそ、短歌のすべてがあります。短歌は、たったの三十一文字ですが、三十一文字の一行詩ではなくて、五つの句をもった文節的な詩であります。
『今はじめる人のための短歌入門』、角川ソフィア文庫、2011年、p.67

 

詩的な言葉として短歌もあるけれど、いちばん身近なのは曲の歌詞だろう。


Plastic Treeというバンドがある。
姉の影響で小中高のころにハマっていて、最近思い出してまた聴いている。

そのなかに「星座づくり」という曲があって、メロディも歌詞も好きだ。

 

そっと つなげて 新しい星座作るよ
ずっと変わらない想いが 夜空に残ったら 残ったら
なんかラッキー


ぜひ聴いてみてほしい(のだが配信に載っていない…!)

 

BestAlbum 黒盤

BestAlbum 黒盤

Amazon

 

詩的な言葉、あるいは言葉が強さをもつ瞬間というのは音楽以外にもある。
3月という季節柄スピーチを聴く機会が増えているが、やはりジョブズのこのスピーチは好きだ。

 



スティーブ・ジョブズの「Connecting the dots」。

大学の頃知ってから人生観に影響が大きいように感じる。今回の記事を書いているときも自分がここから意味を汲み上げ続けていることを意識した。

 

いろいろ書いてきて、テーマがどんどん移り変わっていったけれど、ずっと意味を見出すことの話をしてきた。

ぼくたちが楽しみ、そしてこのブログで書いている街歩きも、その営みのひとつであるのだと思う。街の風景に勝手に意味を見出して語ることのおもしろさ。続けていきたい。

 

最後に「星」に関連して『ぼっち・ざ・ろっく!』のライブ『恒星』を聴いていたらとてもよかったのでおすすめ。

結束バンドLIVE-恒星- at Zepp Haneda(TOKYO)

結束バンドLIVE-恒星- at Zepp Haneda(TOKYO)

  • 結束バンド
  • アニメ
  • ¥2139

はにわ通信 第29号 東京駅で写真を眺める

「サーカス団」は定住しない、土着の人々と対照的なマイノリティーに思える

こないだ東京ステーションギャラリーに初めて行ってきました。

島鉄です。

そもそも、なぜ東京ステーションギャラリーに行ったのか。

それは冒頭の写真にある「生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真」に興味をひかれたからです。

駅にあるチラシを持って帰る習性のある島鉄にとっては、稀によくあることです。

 

それほど写真に詳しいわけではありませんが、いそのくんが写真好きなので、ほんの少しだけ気になるところがないと言えば嘘になるおそれがあるかもしれない。

 

とゆーわけで東京駅までやってきました。丸の内口に東京ステーションギャラリーはあります。

ドームが特徴的な丸ノ内北口内部

東京駅丸の内駅舎は2012(平成24)年の改修で大正期の姿に復元され、まさに東京の玄関口・東京の顔ともいえるレトロ建築です。

www.tokyostationcity.com

もっぱら東海道新幹線を使うときくらいしか東京駅へ足を運ばない島鉄にとっては、駅舎も丸の内口も新鮮な気分です。

さて、ここ東京ステーションギャラリーJR東日本発足後、1年を迎えた1988年に開業した比較的新しい美術館です。館内は東京駅の中に建造されただけあって、駅舎創建当時の赤レンガや鉄骨が見え、面白いです。

 

展覧会の感想をTwitterで投稿してそのまま……とゆーのもなんだか勿体ないなあ、と思いはにわ通信でご紹介。

勿体ないと言いつつポスト(ツイート)も併用するスタイル。

 

安井仲治について

そもそも、安井仲治氏とはどのような写真家だったのでしょうか。

安井仲治は大阪に生まれ、18歳で関西の名門・浪華写真俱楽部に入会。写真家としてまたたく間に頭角を現わし、日本全国にその名が知られる存在になりました。欧米の先進的な写真表現や理論をいちはやく受容し理解した安井は、それらを換骨奪胎することで新しい表現を次々に生み出していったのです。しかし、当時の写真界で安井が傑出した理由はそれだけではありません。独自の被写体を見出す感性こそ、余人をもって代えがたい安井の魅力だと言えるでしょう。混沌とした世界の一隅にカメラを向け、そこに隠された美を抽出する安井の卓越したセンスは、日本全国のアマチュア写真家たちから高い評価を受けました。さらに戦前日本写真界のフロントラインをひた走った安井の表現は、のちに森山大道や福島辰夫などの名だたる写真家や評論家・写真史家を瞠目させます。こうして安井仲治の名は日本写真史に刻まれることになったのです。

引用:東京ステーションギャラリー 展覧会「生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真」 https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202402_yasui.html (2024年3月9日参照)

 

安井仲治氏は関西の写真界で頭角を現し、戦中に若くして亡くなりますが、戦後にも影響を表した存在だと分かります。

また、「欧米の先進的な写真表現や理論をいちはやく受容し理解した」とある通り、1926年フランス・パリで刊行された美術誌『カイエ・ダール』や日米間の外交関係が悪化し、検閲でページが切り取られているアメリカのフォトグラフ雑誌『ライフ』などが展示されています。

 

なかでもヴェルナー・グラフ「映画と写真」展(1929)の『新しい写真家がやってくる!』展示キャプションには、「映画と写真」展の写真部門が独逸国際移動写真展」(1931年)として日本に巡回し日本の写真家の多くが衝撃を受けた、とありました。

日本では1930年代から関西を中心にそれまでの絵画に影響を受けたピクトリアリズムとは異なる新興写真と呼ばれる表現運動が勃興します。

 

その新興写真の旗手となったのが、木村伊兵衛氏や安井仲治氏です。

なるほど、「独逸国際移動写真展」の衝撃が新興写真を生んだのですね。

dot.asahi.com

 

「生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真」展では1920年代、1930年代(都市、静物シュールレアリスムにそれぞれ分けて展示)、1930年代-1942年(不易と流行)の写真およびネガコンタクトプリント・資料が展示されています。

 

この展示は「僕の大切な写真」とある通り、飾られている写真は安井仲治氏自身が美しいと思ったものたちで、それはなにも特別なものとは限らないというのが良いです。

被写体の中には美しい、というイメージのないモノもありますが、必ず1枚は美を感じさせる写真があるはずです(島鉄の場合はトタン板の切れ端でした)。

 

シュールレアリスム写真もコラージュ*1は用いず、小学校の教材模型などを使い、どう超現実的な写真を撮るか工夫されていて面白いです。

bijutsutecho.com

展示されている作品のうち兵庫県立美術館所蔵のものが多かったのですが、少し前に回顧展が行われていました。こちらの記事でも安井仲治氏の日本写真界における影響や作風が伝わってきます。

 

昔読んだ『日本芸術写真史』(西村智弘著 2008年 美学出版)でも、安井仲治氏が報道写真と前衛写真どちらにも興味を持ち、社会性の高い写真(労働者や流氓のユダヤ人などを被写体)からシュールレアリスム写真まで幅広い写真を撮影していたことが記されていたなぁ。

 

 

 

画の面白さ

画の面白さ……と見出しにつけましたが、少しだけ構図の妙と言われるものが分かった気がします。

島鉄自身はふだん写真を撮るときは水平かどうかくらいしか気にしないのですが……。

 

Twitterに投稿した通り……なのですが

メーデーの写真(1931)」は手前に警官隊、奥に民衆がいる構図で、水平ではなく左斜めに傾いています。水平を崩すことで写真に動きが出て、赤旗を振る群衆の勢いが抑えられない印象を受けます。

ムンカーチ・マールトンの影響を受けている、とキャプションにありました。

同氏はスポーツ写真やファッション写真を得意とした躍動感あふれる写真を特徴とした写真家です。なるほどなあ。

 

「帽子(1936)」と投稿していますが、正しくは「海濱(1936)」でした。

奥から背を向けた二人の人物・灯台・藤のカゴが写されており、こちらも水平ではなく右に傾いているためどこか不安な印象を与えます。高い建物が斜めになっているのが不安感の原因なのかな。手前に無造作に置かれた藤のカゴは灯台と同じく傾いています。

 

「スケッチ(1933)」は水平を崩していませんが、職業あっせん所の左右の暖簾と走り去る自転車(ちょうど写真の中央に来た瞬間をとらえています)が対称にとらえられ思わず目が釘付けになる写真でした。いわゆるシンメトリー構図というやつですね。

 

他にも日本統治時代の朝鮮半島に真の労働する人々を見た、という「ネギの花」作品群や、日章旗旭日旗が振られるなかピントが一人の赤子を背負う婦人に当てられた「惜別(1939-40)」、実験動物や労働者、サーカス団などに向けるまなざし……。

なかなか興味深い写真が沢山ありました。

 

「僕の大切な写真」のなかに「私のお気に入りの写真」を見つけられる展覧会だな、と月並みな感想を抱いて1時間半以上じっくり展示を楽しんだ島鉄でした。

 

写真展の記事なのに写真がないではないか、と思われたかもしれません。

「生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真」は写真撮影禁止なので許してください。

実際に足を運んでみてもらえると幸いです。

とはいえ東京駅に近くない方も多いですし、「安井仲治 写真」で検索すると何枚か写真がヒットするので見てみて下さい。

写真作品集や図録、展覧会アーカイブなどで作品に触れることもできます。

www.kawade.co.jp

買おうかな、作品集。

 

東京駅の展示もおもろい

鉄骨架構として再利用されていたとか

東京ステーションギャラリーは、前述のとおり丸の内駅舎内にあるため東京駅の貴重な土木遺産も展示されています。

 

たとえば創建時の駅舎南北ドームの3階回廊を支えていたブラケットが月の満ち欠けデザイン、なんて知りませんでした。

このブラケット戦災復興工事で撤去されたため長らくデザイン不明でしたが、復原工事中に偶然発見されます。

こうして、現在は復原された月の満ち欠けデザインのブラケットが配置されています*2

 

たしかに短い木がつながれている

戦災復興工事では木材不足のため、ドイツの「新興木構造」と呼ばれる短い木材を金具でつなげる構法でトラス(屋根を支える骨組み)が作られていました。

このまえ取りあげた松江城の柱が木材不足で短い「通し柱」を用いていたことを思い出します。いつの時代も頭をつかって素材不足に対応しているのだなあ。

駅の周辺はこんなに変わった

東京駅周辺の変化について、ジオラマが展示されており俯瞰することができます。

最初は何もなかった丸の内が開発され、やがて東京駅を見下ろす高い建物が林立するように……。

また、よく見てみると駅前のビルが再開発後も下層部分においてはデザインが残されていることが分かります。

元東京中央郵便局のJPタワー(KITTE)や丸の内ビルディングなどですね。

 

日常生活では通過点でしかない駅ですが、ちょっと足を止めて寄り道するのも悪くない。

と、東京ステーションギャラリー誕生の意図通りの思いを抱いて帰路についた島鉄でした。

 

 

*1:様々な素材を切り貼りして組み合わせ一つのイメージを作り上げる技法

*2:この展示を見て初めて知りました

天王寺・人外魔境新宿決戦・両面宿儺

天王寺に行ってきました。

 

天王寺といえばやはり、あべのハルカス

 

 

あとなんといってもこれは外せませんね。

新宿ごちそうビル

 

ここは新宿です

 

東京の新宿区(近辺)から大阪に引っ越してきて、初めて新宿ごちそうビルを見たときの驚きといったらすごかったです。

「新宿!あるじゃん、大阪にも!」って興奮しきりでした。

 

これはブログのネタになりそうだぞとか、なぜ新宿なんだと気になっていましたが、いつも横にあるハルカスやらあべのキューズモールに吸い込まれているうちにそんなことはすっかり忘れてしまい、たどり着けないでいたのでした。

 

やっと今回行くことができましたので、レポートしていきたいと思います。

 

 

いや~いいですね。

新宿ってだけでもいいのに、ごちそうビルですからね。ネーミングが素晴らしい。

 

新宿ごちそうビルの隣のパチンコ店が入っているビルは新宿ビルです。

調べてみると、もともと新宿ビル(1940年創業。当初は旅館「新宿」があったそうです)があって、そのあと新宿ごちそうビルがオープン(1988年)したみたいですね。

 

 

で、肝心のなんで「新宿」かですが、天王寺は郊外路線が集まっていて新宿と似ているからのようです(Wikipedia)。まあたしかに。JR、地下鉄、近鉄路面電車阪堺電車といろいろありますからね。あとほかの説としては新宿のように発展してほしいとの願いも込められているようでした。

 

※回答の引用URL(新宿ビルの昔のサイト)はリンク切れ

 

新宿以外にも、天王寺(あべの)といえば、渋谷というイメージが私はあります。

ガイナックスの『アベノ橋魔法☆商店街』というアニメ作品があって、これは再開発されるアベノ橋商店街(元ネタはあべの銀座商店街)の話です。再開発された跡地に建っているのがいまのあべのキューズモールです。

 

 

1話で主人公のサッシくんのお姉ちゃんが

「ここらへん再開発するなら渋谷みたいにかっこよくしたらいいのに!」

って言ってます。

 

アベノ橋魔法☆商店街』1話より引用目的でキャプチャー

 

これがほんとに再開発が終わってあべのキューズモールのテナントとして「SHIBUYA109」が入ることになるので、予言みたいでおもしろいです。願いは叶ったのか…!?。

 


だいぶ脱線しましたね。なんの話でしたっけ。

そうでした、呪術廻戦の人外魔境新宿決戦の話でしたね。

 


いやあ、どうなっちゃうんだろうこの決戦のゆくえは。

渋谷事変のあと、次は新宿ですか。アニメ2期懐玉・玉折であそこまで破壊される渋谷と超絶アクションを観せてくれたら、新宿もどうなっちゃうんだろうって期待しちゃいますね。あとバカサバイバーもぜひ映像で観てみたい!

 

さて、いつまでもサッシくんみたいな現実逃避(?)するのはやめて本筋に戻ります。

新宿ごちそうビルは名前のとおり、テナントとしては飲食店が多いようでした。

 

 

牛角とかもありですが、昼過ぎにひとりだったので、喫茶店を選択しました。

Cafe Domaniさん。天王寺の近くでこんなにゆっくりくつろげるところがあったとは。気に入りました。

 

おいしいコーヒーとケーキと、木星みたいな縞模様の柱

 

深夜には人に変な記事を書かせる魔法があるッ

 

新宿ごちそうビルを後にして、隣接してる近鉄阿部野橋駅あたりをぶらぶらします。

 

 

すると、こんな光景が。

 

 

そう、円空ですね。

いまあべのハルカスでは円空展がやってるんですね。

円空」という言葉を都市のなかで見る機会ってどのくらいあるでしょうか。10年スパンくらいな貴重な気がします。

 


というわけであべのハルカス美術館を目指しハルカス16Fへ。今回もハルカスの引力からは逃れられませんでした。

 

 

円空といえば以下写真のようなごつごつした荒削りの木の仏像というイメージがあります。しかしそれはキャリア中期以降の作風で、初期の作品はもっと精密な仕上がりだったので意外でした。

 

金剛力士(仁王)立像(吽形)

 

巨大な神仏像の前に立つと木のもつ生命力のなかから神仏が現れたかのような迫力があります。また一本の丸太から神仏を生み出す円空の熱量を感じることができ、ジャンルは違いますが一創作者として刺激を受けました。

 

今回の円空展はポスターでも絶賛推されている神仏がいます。

それが両面宿儺なんですね。

 

両面宿儺坐像

 

円空はしばしば岐阜の千光寺に滞在していたそうで、そのなかでこの地の英雄として伝えられている両面宿儺を彫ったという経緯のようです。

 

呪術廻戦フィーバーから巡り巡って円空にスポットが当たったのはなんともおもしろいものです。

 

あ、ちなみに呪術廻戦ファンの方には音声ガイドで両面宿儺役の諏訪部順一の声を聞くことができるのでおすすめです。私は東海道新幹線岐阜羽島駅に巨大な円空の一刀彫のモニュメント(どういうことだ)があるらしいと情報を得たのでそのうち見に行きたいと思います。

 

最後に、ハルカス16Fには領域展開しているあべのべあちゃんがいたので、報告しておきます。

 

あべのべあが領域展開ってコト!?

 

やっぱりかわいい

陰陽の旅~出雲編~

島根県といえば縁結び、縁結びといえば出雲大社

とゆーわけでやってきました!

 

出雲大社です。

島根県の誇る、神話の世界から続く広大で歴史の長い神社ですね。

岡山→米子→境港→松江→出雲。

ようやく陰陽の旅、完結です。

↓↓前回の記事↓↓

my-butsu.hatenablog.com

一畑百貨店

いざ出雲へ!

……と、その前に。

前回の松江編でもちらっと触れた、島根県唯一の百貨店(だった)である一畑百貨店でお買い物をしました。

www3.nhk.or.jp


www.youtube.com

記事を書くにあたって、あらためてもう無いのだな……としんみりしている島鉄

 

入店早々、65年のご愛顧ありがとうございます、の文字が目に入ります。

島鉄は一見さんなので、ひいきにしている店があるわけでなしフラフラと店内を歩きまわります。

学生服が売っているのを見て、百貨店にボーイスカウトの制服を買いに行ったことあったっけ……と懐かしい気分にしばし浸ります。

こーゆー売り場も無くなるわけで寂しくなりますね(今はもう百貨店に連れて行ってもらってもワクワク感ないかもしれませんが)。

 

実は旅行中に百貨店でサスペンダーを買った思い出があるので、島根でも買おうと企んだのですが、丁度良いサイズの在庫なし……。

親切なスタッフの方で、離れたフロアまで探していただき何だか申し訳ない気分になりました。

 

このまま何も買わないなんて勿体ない! それに何だか悪い気がします。

エスカレーターで各フロアの雰囲気を探りつつ、気がつけば最上階の催事場にいました。

初めてのお中元体験

絶賛お中元フェア開催中です。

取引先に送る、という風習も現代社会では廃れた感があります。

お世話になった方……といってもいきなり贈るのも気がひけます。

 

お中元・お歳暮に慣れてるであろう(?)祖母に贈ることにしました。

遠い山陰の名物を贈れば喜ぶはず。多分。

これぞ島根、宍道湖シジミ

「日持ちする&味噌汁の具に使える」と祖母の心理を見事に推理し「宍道湖シジミ」をチョイス。

わざわざ島根県の百貨店からお中元を贈る……不思議な体験ですね。

あのときの爽やかな若い職員さんは今もどこかの百貨店で働いているのかな……。

たまには使おう百貨店、そう思い駅へと足を運びます。

 

一畑電車~ばたでん~で行こう!

さてお買い物をした一畑百貨店はJR松江駅の目の前なのですが、JRは無視して一畑百貨店の親会社である一畑電車に乗ることにしました。

せっかくの旅行、地元の私鉄は乗っておきたいので。

路線・駅のご案内|運行のご案内|ばたでん【いちばたでんしゃ】

神殿っぽい松江市庁舎と宍道湖

松江市役所は建て替えでピカピカの新庁舎*1のため驚きました。各階層によって突き出している床面積が異なり、不思議な外観です。

宍道湖を臨む位置に建ち、ここから出雲路が始まるのだなあ、と思わされます。

 

ここが起点となる一畑電鉄松江しんじ湖温泉駅

道中に温泉タンクがあり、宍道湖のすぐ近くは温泉街であることを思い出しました。ペットボトルに温泉を詰めて車に載せる地元住民や、温泉旅行に来たであろう浴衣姿の人などを見かけました。

出雲に行く前に温泉へ寄るのもアリだったな~、と今更思った島鉄でしたがそこは我慢です。

代わりに松江しんじ湖温泉駅前の足湯に立ち寄りました。

7月に足湯を利用している人は皆無だったので、貸し切りです。やったね。

タオルなどは置いていないので持参しましょう

……暑い日に熱い湯に足を突っ込む、って何をやっているんだろう。

でも心なしか疲労が取れて血行もよくなった気がします。

出雲大社へお参りする前に足湯で穢れを祓っておく、おススメです。

 

懐かしい感じのホーム。銚子電鉄など千葉のローカル私鉄と似てる印象

島根のゆるキャラ、ピンク一色のしまねっこ電車が鮮やか……ですが島鉄はいたって普通の5000系電車*2に乗りました。京王電鉄からの改造・譲受電車だそうで、京王線に多少縁のある島鉄はちょっと懐かしく思います。

このままのんびり1時間ばかり揺られ、出雲大社へ。

 

宍道湖に緑の稲田、魅力的な車窓

1時間は長いか、短いか。人によって感覚が異なるでしょうが、車窓を眺めているとすぐに感じられます。

ここで注意! 

一畑電車出雲大社へとつながる大社線出雲市中心部へとつながる北松江線に分かれているので乗り換えが必要です。うっかり忘れないよう……。

おっ! ピカピカの新しい電車だ。

乗り換えると新造の7000系電車がお出迎え。ちょっとだけ気になっていたのですが、まさかフツーに乗れるとは(たまにしか走ってないのかと思っていました)。

最新設備で旅行客をおでむかえ

Wi-Fiも自転車置き場もあるなんて、これはたすかる。

しかも! なんと! この電車には!

神さま感ある

しまねっこが鎮座しています。

どうでしょう、乗りたくなってきましたか?

この理屈で言うと志摩スペイン村のドンキーが鎮座しているから近鉄特急に乗りたくなる、ってことになりますが。

 

終点の風情を感じる出雲大社前駅

乗り換えを挟み、1時間と少し。終着駅の出雲大社前駅へと着きました。

この駅はホームだけでなく、駅ナカの雰囲気がとっても素敵なんです!

 

ドーム状の高い天井に、昔の鉄道員の道具がズラリ

ステンドグラスから淡い光が漏れ、天井が高いお陰か涼しく感じます。

駅の外観はこんな感じ。

小っちゃくてかわいい。こう見えて鉄筋コンクリート造(1930)なのもギャップがあって(?)いいですね。実は国の登録文化財でもあります。

隣には現代的な雑貨屋さん「導(しるべ)」もあり、暑さ寒さの厳しい時期はまず出雲大社前駅でのんびりするのもいいでしょう。

 

駅前の通りは出雲大社への表参道。土産物屋から出雲そば屋さんまで、なんでもござれです。

島鉄が行った時は平日だったので結構お休みの店舗が多かったですが、それはそれで観光客が少なくて歩きやすいのでヨシ!

ちなみに、持ち前の方向音痴を発揮した島鉄出雲大社と反対側の出雲物産館に行ってしまいました。

ここはここでイイのですけどね。

お土産も買えちゃう

神事から足湯、土産、ランチ……あれ? 

これ出雲大社に参拝してから寄る施設じゃない?

ようやく自分が出雲大社と反対方向に歩いてきてしまったことに気づきました。

お土産を物色して涼んでいられたのでいいですけど。

www.izumo-bussankan.jp

そう、観光に順番なんてないんですよ。

行先は未定、それが旅の醍醐味(言い訳)。

 

出雲大社

表参道を歩いて着きました! 

出雲大社です。この大鳥居をくぐって長い参道を森林浴気分で歩いていくと御本殿にたどり着きます。奈良の大神神社と比べるとやや明るいかな。

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御本殿までの道は長いですが、大社の森陰を歩いていけばそれほど暑くは感じません。

そうそう、出雲大社大国主大神を祀っており、「因幡の白うさぎ」の神話で有名です。そのためか境内にはたくさんのウサギ像が安置されています。

izumooyashiro.or.jp結構な数なので、お気に入りのウサギに出会えること間違いなしです。

島鉄的には御本殿の裏にいた祈るウサギ像がすきです。

出雲大社は前述のとおり大国主大神を御本殿で祀っていますが、その他にも神様を祀っています。たとえば日本初の力士と呼ばれ、相撲の神様として崇め奉られる野見宿禰神社

土俵とはっけよいウサギ(勝手に命名

すぐ近くには土俵があり、小さな社殿の横には狛犬ならぬ狛兎がいました。

かわいい。

しばらく参道を歩くと川が流れ、いよいよ聖域に近づいたと感じます。

izumooyashiro.or.jpさて、橋を渡り手水で身を清め、先へ進むと見えるのが拝殿と宝物殿(神祜殿)です。

まずは拝殿にてお参りしましょう。

かなり立派ですが、御本殿はまだ奥にあります

注連縄ふっと!

……取り乱してしまいました。出雲大社らしい太い注連縄がこの目で見られてだいぶ満足しています。

楽殿にある注連縄が日本一の大注連縄だそう。

jocr.jp

また、出雲大社の注連縄は太いだけではなく、縄の綯い方が通常とは異なり「左方が綯い始め、右方が綯い終わり」となっています。このことについて質問されることが多いのか公式サイトでまとめられています。

神社神道では、神様に向かって右方を上位、左方を下位としますので、一般的に神社では上位の右方が綯い始めで、左方を綯い終りとする張り方となっております。 しかし出雲大社では古来、他の神社とは反対に神様に向かって左方を上位、右方を下位としていました。(中略)古く出雲大社では一般的な神社とは反対に、向かって左方を上位、右方を下位とする習わしがあり、よって注連縄を張る際には上位である左方が綯い始めで、右方を綯い終りとする張り方となっています。

 

引用:出雲大社公式HP 「なぜ出雲大社の注連縄は左右が逆に張られているのですか?」 https://izumooyashiro.or.jp/archives/faq/7902 (参照2023年2月26日)

 

単に大きいだけではない、出雲の独自文化を感じますね。

出雲大社で祀られている大国主大神は、この地上世界の「国造り」*3を行ったのちに、天空から降りてくる天照大御神の御子に「国譲り」をしたという神話が『古事記』に残されています。

www.jinjahoncho.or.jp

また、出雲大社の境内には教派神道の一派である出雲大社教や、すぐ近くに出雲教*4もあり、出雲の地の独自性が感じられます。

 

歴史に思いを馳せつつ、御本殿へ向かいましょう。

上手く隠れている

御本殿へ向かう途中、室外機が巧妙に隠されているのを島鉄は見逃しませんでした。

だからどーした。防火用の赤いバケツも可愛いですね(←だからどーした2)。

 

拝殿からとことこ歩くこと数分。御本殿に着きました。

あれ……? 

大国主大神を祀っていると聞いたけれど、なんだか社(やしろ)多くない?

 

izumooyashiro.or.jp

いっぱいいる

御本殿以外にも周囲にいくつか小さなお社があり、御本殿内においても天之常立神・宇麻志阿斯訶備比古遅神・神産巣日神高御産巣日神天之御中主神別天神5柱の神をお祀りしているのだそうです。

なるほどね。大国主大神だけではないのかあ。

 

ここで少し補足をしますと、別天神(コトアマツカミ)は『古事記』において天地開闢の時代からいる神様です。神産巣日神高御産巣日神はどちらもムスヒノカミと呼びますね。

 

「結び」の地として出雲大社は知られていますが、神様もムスヒ……。

そして御祭神も大国主大神にくわえて、天地開闢の頃からいる別天神五柱で歴史が長いのだ、ということを感じさせます。

天之御中主神 – 國學院大學 古典文化学事業

神産巣日神 – 國學院大學 古典文化学事業

なかでも神産巣日神(カミムスヒノカミ)は『古事記』では大国主大神の国造り・国譲りの章にかかわる神様で……といった風に、御祭神について考え出すとなかなか面白いので、「神名データベース」で神様の関係性について思いを馳せてみて下さい。

 

ただ真夏に行くと思いを馳せているうちに倒れるかもしれないので、適宜木陰で休んでください。木に囲まれた御本殿の周囲はそれほど直射日光は当たりませんが。

おきにいり

なかでも島鉄の気を引いたのは彰古館と御本殿をぐるりと囲む瑞垣の檜皮葺の屋根です。

 

彰古館とは宝物殿のことで、建物は登録有形文化財に指定されています。土日祝日など特定の日は開放されており、拝観料200円で大黒・恵比寿像や出雲大社信仰の資料などの展示を見ることができます。

島鉄が訪れた日は開放されていませんでした。残念。

木造2階建ての風格ある建物を間近で見られる(休日なら中にも入れる)のは魅力的です。

 

そして「檜皮葺の屋根をじっくり見られる」という同じような理由で本殿を囲む瑞垣も好きです。たしかに檜の皮が使われておる……! 

ところどころ草が生えている檜の皮で葺かれた屋根をまじまじ見られる経験はなかなかないですよ。

もちろん、御本殿やそのそばにある素鵞社なども檜皮葺なので「きれいだなあ」とは思うのですが、近くで見られる点がいいな、と。

nittokusin.jp

さらば御本殿

さて御本殿をぐるりと一周して、島鉄はもう一つの宝物殿(神祜殿)に向かいました。

ここは前述の彰古館とは違って開放されていたので嬉しい。しかも冷暖房完備です。

ますます嬉しい。

ここは300円

2017年リニューアルオープンしただけあって内装はとても綺麗で、中でも目玉展示の「古代御本殿心御柱」は杉を3本まとめた巨大な柱です。

うーむ、古代出雲大社高さ48mある巨大建造物だった説のロマンを感じますね。

www.kokugakuin.ac.jp

他にも勾玉などの装身具・祭具や国宝「秋野蒔絵手箱」など美術工芸品が展示されています。境内を出てすぐ近くには古代出雲歴史博物館もありますし、夏冬の厳しい天候の日はこういった施設に立ち寄るのも悪くありませんね。

宝物殿は写真禁止なのが辛いところですが……。

 

出雲市へGO

てなわけで、島鉄は東京へ帰る前に、ばたでん*5に乗って電鉄出雲市駅を目指します。

別に出雲大社から空港までバスは出ているんですけど……。

せっかくだから一畑電車全線乗りたい!!

とゆー気持ちがあったんですね。大社線から北松江線へ乗り換えて……。

終端駅(ターミナル)感あるな

出雲の中心として栄えるJRも乗り入れる一畑電車ターミナル駅出雲市駅へ着きました。

松江ではJRと一畑電車は離れていたのでなんだか不思議な気分。出雲では一緒になるんだなあ。

 

出雲市駅は出雲大社を思わせる壮麗な入口でお出迎えしてくれます。

これで出雲大社の最寄り駅だと間違える人いそうだなあ。

川が流れてる。最高

ま、でもなにより島鉄のハートをがっちり掴んで離さなかったのは、この出雲市駅の高架下にある土産屋兼ショッピングモールのアトネスいずもなんですけどね。

sakurahonten.com↑↑冒頭から「神々の地出雲へようこそお越しくださいました。とあるのがツボ。

いずもハッピー情報局に、富士通のパソコンは出雲生まれ*6という謎のアピールをする看板、高架化後の出雲市ジオラマ……。

謎空間

地元愛に溢れている素敵な空間じゃないですか!

しかしその一方で土産物もフツーに売られている。なんなんでしょう、このギャップ。

観光客と地元民が両方楽しめる施設……。明らかに地元民向けの東館(暮らしの広場)の方が大きいですが、少し古くて安心感のあるゆるーいショッピングモール。

個人的には落ち着きます。すき。

 

地元のラーメン

そんな出雲のエキナカでラーメンを食べてお別れです。出雲そば食べてないんかい、と言われそうですが完全に忘れていました。また今度食べます。

でもほら、ラーメンをよーく見て下さい。

出雲のヤマタノオロチを倒したときにドロップした*7草薙の剣を模したかまぼこが入っているんですよ!

出雲要素を感じますよね。

 

うん。じゃあ。

ありがとう、出雲。

ありがとう、山陰。

山陽(岡山のみ)もありがとう。

縁ができてよかった。

~陰陽の旅・完~

 

野良キャラまとめ

はい。松江~出雲で出会った野良キャラ*8を上げていきます。

ポ〇モンみたい

ポケ〇ンみたいなうさぎ。出雲大社にて採取。進化すると面影が無くなるやつですね。

 

バス停に貼られているのが素敵だな

サンマにスイカ入道雲、桜、かき氷、雪の結晶……を背景にバスの車内で吊革をつかむセーラー服の少女。

一見、夏っぽいですが、春夏秋冬すべての要素が詰まっています。

通年でバスを利用する学生と四季折々を描いたよい野良キャラですね。

バス停クリーンアッププロジェクト 〜こどもたちの絵をバス停に!〜-プロジェクトゆうあいからのお知らせ

↑↑こーゆー取り組みの一環なのかしらん。

 

何者なんだ……?

お湯かけ少女です。

これは小泉八雲さんの紹介してくれた妖怪……ではなく、工藤夕貴のCM「お湯をかける少女」のリメイク版でもなく、松江しんじ湖温泉のお湯かけ地蔵尊にちなんだイラストもとい野良キャラです。

ここまでくると野良キャラと呼んでいいモノか悩みますが、野良にいたのでいいでしょう。

そういえば島鉄の浸かった松江しんじ湖温泉駅前の足湯にひっそりとお地蔵さまが祀られていました。ちらっと映っています。

 

温泉娘*9の「松江しんじ湖しじみ」とゆー名前がなんかアレなキャラも温泉を盛り上げています。松江二大温泉看板キャラと呼んでも差し支えないでしょう。

 

なんだかノスタルジックな気分になるいい野良キャラです。

 

野良キャラとゆーか神ではないか

ヤマタノオロチスサノオノミコト。かっこいいので。

野良キャラとかそんなどーでもいいじゃありませんか。かっこいいんだから。

 

最後は縁で締めます

最後は高架下に突如出現する「縁」です。

神話の国出雲っぽさが感じられていいですね。縁キャラ。

帰りの空港連絡バスに乗る直前に出会えたのも縁を感じます。

縁ってなんでしたっけ……。だんだん分からなくなってきました。

 

こうして縁ができたし、山陰・山陽にはまた今年(2024)も行きたいな。

一畑電車の魅力はこういう駅にあるのかもしれません

エニシング縁。

*1:2023年5月8日に第一期工事完了

*2:柱のミラーに若干映ってます

*3:ちなみに奈良の大神神社にいる大物主神と共に国造りを行いました。大神神社出雲大社、どちらも古く歴史のある神社です

*4:出雲大社神社本庁所属、出雲大社教出雲教は単立宗教法人……詳細な歴史的経緯は省きますが別法人なのです

*5:おなじみ地元私鉄の一畑電車のことですね

*6:富士通グループの工場の一つである島根富士通がある

*7:ゲーム脳

*8:なんか街中にいるキャラクターたちの総称

*9:温泉をモチーフにした擬人化キャラクター。調べてみると土地神様設定。意外と壮大……

陰陽の旅~松江編~

まだ2023年7月に行った陰陽の旅*1の記事を書いていることに驚きを隠しきれない島鉄です。

そのうち山陰を飛び越えて、韓国の記事も書きたいですね。

 

↓前回の記事↓

my-butsu.hatenablog.com

 

松江に着いた

さて島鉄は人生初の鳥取県にて米子城跡からの絶景、境港の水木しげるロード妖怪ウォッチ(ング)を楽しんだわけですが、ここからの隣は島根県の県庁所在地である松江市へと向かいました。

 

松江について知っていること

・城がある

・湖がある(宍道湖シジミが有名)

・旧制松江高校があった

 

……情報量がフロッピーディスクでも余裕できそうなくらいスカスカですね。

 

もっと松江について知りたい、そんな思いで鈍行列車に乗り込みます。

さらば米子……

米子-松江間は近く、30分ほどで着きました。松江は同じ島根の出雲より鳥取の米子の方が近くなのです。また松江は山陰観光の中心地であり、ホテルや旅館が想像以上に多く驚きました。

スタバだ~! 旅先でスタバ撮る習性あり

エキナカもなかなか綺麗で、高架下も飲食店となっており活気を感じます。

松江は電車を降りて早々楽しそうな街、の印象を受けてスキですね。

 

待ってるだけだしいいのかな

個人的に休憩スペースにいた人が強制的に『ちびまる子ちゃん』を見せられているさまがツボでした。テレビのチャンネルは変えられないのかな。

2024年2月現在、すでに島根県は百貨店のない県ですが、地元私鉄「一畑電鉄」の運営する一畑百貨店島鉄の訪れた2023年当時は現役でした。

ここで最初で最後のお買い物をしたのはいい思い出です。

 

この日は陽も傾いてきたので、黄金色に染まる空と大橋川(と、その向こうの宍道湖)を眺めたくらいで投宿。夜の松江に繰り出しました。

 

何を当たり前のことを、と思われるかもしれませんが日本海の育んだ山陰の魚は美味しいです。島根の誇る宍道湖シジミやモロゲエビも美味しいのですが、海産物が何より美味しい!

日本酒にもよくあって大満足でした。

このあと隣の方と意気投合して行きつけの店に連れて行ってもらう

転勤族や観光客、地元民入り乱れて飲んでいるため一人旅でもフラッと入りやすく、松江の夜は心地よいものでした。

地元のスナックで深夜2時近くまで飲むとは思っていませんでしたが。

なんか最後らへんは地元の墓じまいをどうするか、とゆー話を真剣にスナックのママ、隣の店にのれん分けしたチーママ、常連さんと一緒にしていました。

あの時間は何だったんでしょうか……。米子城天守閣跡まで山を登り、暑さでヘロヘロになりながら妖怪を激写して、夜はスナックで墓じまいについて語り明かす。



島鉄的には濃ゆい一日を過ごしたわけですが、松江は前述のとおりホテル・旅館が多く、地元の居酒屋・スナックも多いので観光にはもってこいの場所だと伝われば幸いです。

 

松江城へ行こう

さーて、爽やかな朝がやってきました!

今日もいい天気

大橋川の深く青い水の色と空の色が素晴らしい朝です。

この大橋川沿いを宍道湖方面にテクテク歩いて、橋を渡りしばらく歩いていくと松江城にたどり着きます。

神話の国、出雲らしいイラストの描かれたみこと丸が川をきれいにしています。

出雲神話ものがたり「スサノオのヤマタノオロチ退治」 | NPO法人シャーネ・エレーテ今市

 

川沿いには水上バスの乗り場もあり、水都松江……な感じがして楽しいです。橋を渡るとスナックや居酒屋もちらほら。松江駅周辺以外も店があるなんて活気があるなあ。

 

風情ある水路

しばらく歩くと菅笠をかぶった遊覧船の船頭の姿が目に入ります。

炎天下でも屋根付きなので(?)安心ですね。このときは歩くことを優先しましたが、時間に余裕があれば堀川を遊覧するのも楽しそう。

www.matsue-horikawameguri.jp

冬場には豆炭をつかった「こたつ船」も運航しているそうです。一回乗ってみたいな。

 

元お堀の京橋川を歩いていると、川のほとりにステキな喫茶店を発見しました!

遅めのモーニングを食べに中へ入ります。よく冷えたアイスコーヒーとサンドウィッチを堪能。外の暑さをしばし忘れてくつろぎます。

地元の人と観光客が入り混じっていて、観光スポット情報と地元トークが同時に得られる名店(?)です。

coffeekan.jp

ちなみに地場チェーン店のようで、「珈琲館・ウィーンの森」二つの店名で山陰に6店舗展開しています。島鉄の訪れた京店店は1972年オープンの一号店でした。半世紀の歴史を感じられる……かも。

 

いよいよ、松江城に近づいてきました。

ここは県の中心部、官公庁が集まっています。個人的に城と公の空間が現代も残っていることが感じられる*2ので好きです。

島根県市町村振興センターでは各市町村をユーモラスかつ魅力的にPRしていました。

こういうのを見ると、今度はここに行こう!

と思えるのでいいですね。松江城に向かっている人はリピーターになる確率高いと思いますし。

島根JAビルの前にあった島根の牛乳をPRする野良キャラもいい感じです。

しまね牛乳娘と命名

ついに来た! 国宝松江城

松江城は日本でも12しかない現存天守*3です。12天守のなかでも国宝に指定されている城は5つしかありません。

ちなみに島鉄はここ松江城彦根城は訪れたことがありませんでした。チラ見すらないのは松江城が唯一です。

それゆえにドキドキしていたのですが……。

城の敷地内はアホほど広いです。しかも太陽を遮るものはあまりないといってよいでしょう。

夏場は熱中症対策を万全にして訪れることをおススメします。

なにせ現存12天守は貴重な反面、冷房設備が貧弱なので……。

 

綺麗な石垣で暑さもふっとぶ(嘘)

汗をふきふき歩いていくと天守が見え、石垣が綺麗に積まれていて惚れ惚れします。夏は陽を遮るものがなく暑いのですが、時折日本海から(多分)冷たい風が吹き心地よいです。瓦で雨水路を作っているの面白いな。

 

さてここで、暑さに耐え切れなくなった方*4向けの避暑スポットをご紹介!

 

こういう櫓が点在しています

2階建ての櫓です。格子窓で日光があまり差し込まないため涼しいです。また天守ほど高くはないですが、城下を眺められてよい……。

そして、もう一つのスポットはというと……。

 

和洋折衷な建築

島根県有形文化財の興雲閣です!

元は明治時代に造られた松江市の工芸品陳列所、ときの嘉仁親王(のちの大正天皇)が泊まられたという由緒ある建築物です。

この施設のいいところは一言で表せませんが、実用的ないい点として冷房がついている所が挙げられます。

ほら、それなりに大きい冷房設備が見えますよね?

天守まっしぐらな方が多いのか、館内は空いていました。興雲閣をスルーするのは勿体ない!

この気品ある内装をじっくり見られる(冷房有)のはよい……

バルコニーに出て櫓や松江城内公園を一望できるのも嬉しいポイントです。

すぐ横には対照的な和風建築である松江神社があります。個人的に松江神社建立年と興雲閣完成年がそれほど離れていない*5ことは面白く感じました。

 

えーと、天守についてそろそろ触れておきましょう。

白鷺城と称される国宝姫路城とは異なり、松江城は黒い外観。松本城もそうですが雨水の浸透を防ぐ雨覆板が使われているため黒い外観だそう。

www.matsue-castle.jp

天守内部には城攻めに備えた狭間*6や石落としなどの設備はもちろんのこと、柱を補強する役割の包板や、木材不足を理由に天守閣までを貫く大きな柱ではなく、2階分までの短い通し柱が使われるなど、建築上の工夫が見られます。

家紋の瓦なども展示されているので、冷房がないとか言いつつ長居してしまいました。

また、松江城天守からの眺めは爽快です。四方から気持ちのよい風が吹くなか、宍道湖や松江の町並みを見られます。

海もいいですが、湖が見られる城とゆーのはいいものです。

松江城の近くにはかつての町の趣を残す武家屋敷も建ち並んでいるので、タイムスリップ気分で散策してみるのはいかがでしょうか。

……と言いつつ、島鉄武家屋敷を無視してある施設に向かいました。

そう、松江の有名人物「小泉八雲」の記念館へと。

 

小泉八雲を知る

松江城内公園は散策にはもってこいで、小泉八雲も散歩していたとか。

いいですねえ。

なにやら幽玄な雰囲気

この城山稲荷神社には小泉八雲の気にいった石狐がたくさん祀られているとか。

きつねがいっぱい

想像の10倍くらい石狐が安置されていました。なかでも巨大かつ屋根つきで祀られている石狐が小泉八雲のお気に入りのものです。

これだけあればアナタの推し石狐*7も見つかるハズ。

おっと、石狐に夢中になりましたが、八雲さん*8を感じる旅はまだ始まったばかりです。

 

お堀を渡り、武家屋敷を眺めつつ歩いていくと、小泉八雲記念館にたどり着きます。

 

ちなみにここは改修されており、子供にも親しみをもってもらうためか八雲怪談の動画コーナーもありました。

yakumokai.org

八雲さんを知ってほしい、そんな思いが伝わってきます。

他にも小泉八雲ライブラリーがあるので、展示を一通り見終わったら怪談の世界に浸るのも悪くないです。色んな意味で涼しくなりますし。

 

島鉄的には小泉八雲が地球半周くらいの距離*9を転々とし、最後には日本の松江に着いたことが興味深く、世界各地の不思議な話を収集したことの分かる展示が面白かったです。

あと、新宿になぜ小泉八雲記念公園があるのか不思議だったのですが、館内の展示を見て小泉八雲早稲田大学で教鞭をとり、大久保に居を構えていたことを知りました。なるほど。

 

ここ小泉八雲記念館は怪談だけでなく「八雲さん」の人生を追体験できる施設なのです。

そんな記念館の隣には……小泉八雲旧居が保存されています!

八雲づくし。

外観・内装ともに伝統建築といった風情ですが、小泉八雲記念館に展示のあった「小泉八雲カスタムの机」が置いてあり、八雲さんがここにいたんだ……とゆー気分になること請け合いなので必見です。

ネタバレになるので当記事には載せません。キミ自身の目で確かめてくれ!

お庭も素敵。

季節や時間帯によると思いますが、島鉄訪問時は他に見学客がおらず、畳に座って庭を眺め、アンケートをのんびり書けるほどくつろげました。

この小泉八雲旧居は記念館と併せて(2館共通券)大人560円で入場できます。

松江城を見たあとは武家屋敷散策に、小泉八雲のたどった道を歩く。

松江観光のゴールデンルートですね。

 

最後は島根大

さあ、ここまで行ったらフツーは松江の観光スポットをある程度まわって満足なのですが、島鉄には行くべき場所があります。

 

それは……。

島根大学です!

 

せっかく島根に来たのだから島根大に行かないとね。

あのofficial髭男dismのメンバー(4人中3人)の母校ですし、以前より島根大への注目も集まっているハズ。

www.shimane-u.ac.jp

いい……

武家屋敷の並ぶ観光ゾーンから、住宅地へと入ります。地元の八百屋さんを見つけて、島根大に近づいている確信を得ました。ここまでの道中、2本飲み物を買った*10ので夏場に島根大へ訪れる際は熱中症に気を付けてください。それか素直にバスを使いましょう。

 

島鉄とほぼ同じ状態の草

こまめな水分補給だいじ。

 

予備校やラーメン屋、カラオケ店にファストフード店など大学周辺には必ず存在する定番スポットを見つけテンションが上がります。

もしかしたら島鉄は、地元だけどヨソモノもいる大学特有の空間が好きなのかもしれません。

だから旅行中に大学構内を歩いていても、そこまで居心地が悪くないんですよね。

 

……いや、あんまり居心地よくない。よく考えてみると大学生時代に好きな空間は図書館とゼミの教室、クラブハウスくらいでした。

母校ですら居心地よい空間が少ないのだから、何の縁もない大学はなおさら気まずいです。

なんで大学キャンパス巡りしてるんだろ?

 

「何かよくわからない持論を展開して、自分で完結する時間浪費トークを見せつけられた……」とお思いの読者の皆さん。

島根大学を見て一緒に盛り上がりましょう。

 

うおおおおおお!! 島根大学だあ!

どうですか?

ちょっと盛り上がりましたよね。

そーでもない??

……立派な建物ですよね。

 

学生憩いの場があります。いいですね。人が沢山いて近寄りがたい憩いの場も、いまなら憩い放題です*11

 


まっすぐな構内の道をときたま自転車が走り抜けていきます。

いいね、国立大学はこうでなくちゃ。

国立大学らしい風景

広い駐輪場もあります。

この時期はちょうど休日かつ定期試験前なので、普段は駐輪場に自転車がギッシリ停まってそうです。

 

図書館も立派

興味深いのは高低差があること。階段を上がっていくとキャンパスが一望……とゆーほどではありませんが眺められますし、生協や食堂の脇を歩いているといつの間にか高台に着いたり、と発見があるので楽しいです。

しかも遺跡もあります。歴史が深い。

旧制高校時代を伝える石碑

島根大学の母体となった旧制松江高校時代の寮の址が高台の上にありました。

ここからしばらく歩いていくとクラブハウス棟が見えます。

う~ん、大学って感じ!

図らずも岡山大、島根大と大学キャンパス巡りをハシゴしてしまいました。

島根大学ロゴマーク(学章)が個人的に好きなデザインなので共有します。

水引きの丸結びのようなデザイン。島根県といえば出雲が「縁結び」スポットなので、そのことも影響してそうです。

島根大学のロゴマークをリニューアルしました | 国立大学法人 島根大学

知の結び、だそう。

 

学生がいそうでいない公園と自転車小売店を通り過ぎ、さすがに歩き疲れた島鉄はカットのみの格安理髪店前のバス停で、人と車を飲み込む広大な地場スーパーを眺めながら一息ついたのでした。

学生いないなあ……

大学生じゃないのに大学をうろうろするのが結局楽しいだけなのかもしれません。

思えば大学時代も友達の大学へ行ったときは楽しかったし。

 

松江編が思った以上に長くなりました。

岡山や米子も楽しかったけど、松江が一番スキだからなのかもしれませんね。

 

松江に一度行ってみて下さい。後悔はさせません(←誰目線なんだ)。

 

あ、まだ出雲編があります。陰陽の旅、長いですね。

出雲の方がメジャーな観光地なのに後回しとゆー。それも埋物らしい……。

 

 

 

*1:岡山・鳥取・島根旅行のこと

*2:大阪城と府庁、松山城と県庁みたいな

*3:江戸・明治時代の廃城や空襲の被害を受けず、現代まで残っている天守のことです。姫路城や松本城などが有名です

*4:この記事を2月に書いているのは致命的な過ちですね

*5:松江神社は明治31年、興雲閣は明治36年に建てられました

*6:鉄砲や弓を放つ小さな窓

*7:言いにくいこと、この上ない

*8:陰陽の旅~岡山編~のときも、竹久夢二が夢二さん呼びされており地元民からの愛を感じましたが、山陰陽の文化なのでしょうか?!

*9:ギリシャアイルランドアメリカ→マルティニーク島→日本

*10:自販機がどこにでもある日本っていい国ですね

*11:島鉄の学生時代は空き教室が憩いの場でした。悲しいですね