正月休みの終わる日、昼過ぎに新宿御苑に向かった。
私の休日はいつも午後から始まる。
冬は日が出ている時間が短い。
15時はもう一日の終わりの気配がする。
朝から起きたほうがよかったと後悔もあるけど、この時間の儚い空気は好きだ。
カメラを首から下げて公園を歩く。
穏やかな日差し。ゆっくりと歩く人々。
太陽の光線と植物の作る影を観察する。
影は日の反対側に差す。高い木は長い影を作る。
コーヒーを買ってレジャーシートを広げて本を読む。
ときおり風が吹くと本をたたんで過ぎるのを待つ。
詩集の言葉をできる限り時間をかけて情景として思い浮かべてみる。
旅で見る光景というのは日常見慣れないものばかりなので詩と似ている。
どちらも立ち止まって解釈をしたり、あるいはそのまま受け入れたりする。
日常を異化して楽しみたい。
そのための方法として写真と言葉を使う。