どうも、島鉄です。
前回に引き続き今回は道後温泉と松山市内のタイムトラベルをしてみたいと思います。
唐突にタイムトラベルする、って書くとどうかしてしまった感がありますね。
タイムトラベルのルールはこちら
- 古い観光ガイドの解説に従ってGoogleマップで検索
- 現地を調べてみる
- 今と比較してみる
なんて簡単なのでしょう。これならお手軽いつでもどこでもタイムスリップできます。
それではさっそくいってみましょー
2 道後温泉
松山城が100年後も残る名所ならば、同じく愛媛観光の定番である道後温泉は100年後を見据えて作られた観光スポットといえます。
なぜなら、道後温泉本館は当時道後湯之町町長である伊佐庭如矢翁が「100年後も他が真似できないようなものを作る」という思いで反対派の声を押し切り作られた経緯があるからです。
『伊予国風土記逸聞』や『源氏物語』でも触れられているほど道後温泉自体の歴史は長いですが、観光地としてもてはやされる様になったのは夏目漱石の『坊ちゃん』や前述の伊佐庭町長らの影響も大いにあるでしょう。
そんな道後温泉ですが、現在は工事中。ドウゴオオーン、という無理やりなオノマトペやラブコメ張りの難聴聖徳太子を描いた『火の鳥 道後温泉編』が代わりにお出迎えしてくれます。
いやあ、どうでしょうこの漫画……、なんとも言い難いのでコメントは差し控えさせていただきます。
大規模修繕といえば、7年前に姫路城に行ったとき工事中でして、それを逆手にとって修繕の様子を見てもらう展示がやっておりました。当時大規模修繕工事を控えていた道後温泉も、それに倣って工事中でも工夫を凝らした観光ができないか模索していたことは想像に難くありません。
というか、実際に「姫路城モデルで修繕と展示を並立したほうがよいか?」と松山の大学生たちがアンケートを姫路城でとっていました。
もちろん快く(?)島鉄は何の気なしに回答しました。
しかしながら、薬師寺東塔に唐招提寺と奈良へ行くたびにどこかしらの古刹が修繕工事していることにガッカリさせられた思い出もありますし、これからは修繕工事とそれを生かした観光展示が並立できれば嬉しいですよね。
そういえば帰省のたびに気になっているのですが、松山市内の明屋書店の看板に書かれたドラえもん、コナン君、ピカチュウ(あとこのメンツの中では唯一忘れ去られてそうなあさりちゃん)は著作権上セーフなのでしょうか。
話が横道にそれてしまいました。早速ガイドブックチェーック!
桃山風破風造りの三層楼の木造建物。各旅館に内湯がなかった頃は、泊客は皆ここに入浴に来た。
道後温泉は結構広いですからね。入浴料も含めて中の雰囲気は銭湯みたいです。そこも庶民的でいいところなのです。ちなみに冷房がないのでお盆の時に人でごったがえす道後温泉に入ったら脱水症で死にそうになりました。ポカリに感謝のいい思い出です。
2,3階では茶と浴衣がサービスされ、最上階の振鷺閣からは朝夕太鼓の音が聞こえる。
世知辛い話ですが銭湯並みの料金ではなく課金することで、「霊の湯」というやや小ぢんまりとした大理石を壁面に使用した高級感あふれる浴場の入浴や、2・3階の休憩室・個室の使用にお茶と団子のサービスを受けられます。
人気なので休憩室使用ができないこともありますし、そもそも今は工事中なので利用はできないのですが、満足度が高いので工事が終わって一度道後温泉を訪れた際はぜひ使ってみてください。
普通に観光案内をしてしまいました。現代との違いとしては、やはり地図に載っている旅館のうち何軒かは廃業してしまっていること(ヤフオクにパンフレットが出品されている旅館もありました)、近年オープンした「飛鳥乃温泉」は当然地図に表示はありません。
さらに、このガイドブック刊行の翌年に廃園となった「道後動物園」もひっそり載っています。
シロクマのピースで一躍脚光を浴びた、「とべ動物園」はこの道後動物園の移転先として新たに作られたわけですね。
歴史の長い道後温泉ですが100年先も生き残るために、変わっていっていますね。
ガイドマップ上にある道後温泉本館近くのでっかい建造物(マーカーで囲んだところ)ですが、いまは跡形もなく市営駐車場と散歩道として整備されています。取り壊されたのは温泉センターだそうです、諸行無常ですね(ちなみにここは冠山と呼ばれ、石鏃が出土したことから縄文人も入浴していた可能性があるとか。雄大な時間の流れを感じられます)。
3 松山市内
はい。二大観光スポットを紹介しましたが、正直言って定番の観光スポットは四半世紀くらいじゃあ寂れることはあっても無くなることはまずないですね。
というわけで、松山市内の人気(当時)なお店を見てみたら時代の移ろいがみえるのでは??
- ピザハウス六本木
ピザのことなら、おまかせという店だけあって、組み合わせは好みで選べる。ジャズレコードの数もかなりのもので、お酒も楽しめる松山の有名店。
ここ実は入ったことないのですが、やっています。隠れ家的なお店でジャズファンが集うということは今更知りました。外観だとぱっと見食べ物屋なのか分かりにくいのですが……。
http://sue.jp/smillytama/matuyama-jazz.htm
上記のサイトの記述によるとオーナーは変わってしまったそうですが、現存しているとなんかホッとしますね。島鉄がピザハウス六本木を発見したときは、お昼に家族が入れるお店を探してさまよっていたのですが、夜に訪れれば入れたかもしれません。惜しまれます。
- プランタン
教会を買い取り室内を改造した珍しい店。店内は広々としてゴージャスなムードいっぱい。
ここは残念ながら潰れていました。正確には移転した、といったほうがいいですね。現在はニュープランタンとして市坪駅にお店があります(坊っちゃんスタジアムの最寄ですね。市内から郊外へ移ったわけです)。
教会だったという店もいまでは何の変哲もないビルになっています。中心街のカドにあるというのも移転の圧力になったでしょうね。ちなみに向かいの紀伊国屋書店も紆余曲折を経てジュンク堂書店になっています。街角にデーンと教会があって中は喫茶店、だなんて今も残っていれば原宿や表参道にも匹敵するオシャレスポットになりそうなのに、世知辛いですね……。
これはお店ではないけども一応触れておきます。
松山観光港に近く、港に出入りする船を眺められるあたりにある遊園地。(中略)園内にはジェットコースターなどをはじめとするレジャー施設がある。
(起伏に乏しいジェットコースター。園全体の雰囲気も伝わってきますね。)
ここは2009年に閉鎖されており、現在は開園当時から展示されていた坊っちゃん列車がたたずんでいます。ジェットコースターは見る影もありません……。ちなみにここ梅津寺パークの最寄り駅である梅津寺駅は織田裕二主演のドラマ『東京ラブストーリー』最終回のロケ地でもあります(なんで“東京”なのに?!と思いましたが、織田裕二演じる主人公カンチは愛媛出身だからなのですね。詳しくはDVDを見てください)。
海に近い駅ですし、同じ県内なので18きっぷポスターで使用されて話題のJR下灘駅といっしょに回ってみるのもいいかもしれません(どちらの駅も路線沿いから鉄道車両を間近で撮影できますし、鉄道ファンも楽しめそうです)。
- 禿たん
おでんと日本酒の店、ということで隠れた名店(紹介されている時点でどーなんだ、というのはご愛敬)として紹介されています。
まあ、当然といいますか閉店なさっています。今はHOJAKEN大街道という名の商店街振興組合の事務所として使われているみたいですね。
https://kaiten-heiten.com/hagetan/
「体力の限界」って御年74歳ならば当然のセリフですが、千代の富士の引退会見のコメントのせいかどうしても脳裏にウルフこと千代の富士の影がちらついちゃいますよね。一度は言ってみたいセリフです(思うことは多々あれど口にできるほど頑張ってないので)。
こうしてみていくとやはり飲食店というのは競争も激しいので数年でなくなる店もあれば、長く続いていても移転や廃業する店もある、とあらためて思わされますね。
観光地なら気になれば絶対入る、地元の店も素通りせずにたまには顔を出す、これ重要ですね。
結構長くなってしまいました。次回はメジャーな観光地を離れて多分どなたも存じ上げない観光地と紙面の紹介に移りたいと思います。
(島鉄)