埋物の庭

埋物の庭

街中にあるつい見落とされがちで埋もれてしまっているもの(=埋物、まいぶつ)を紹介します。

大阪 関東煮と子育てと観覧車

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写真は京都タワーですが

 

ぼくは大阪で生まれたそうだ。

住んでいたのは2歳頃までなので記憶はない。

 

生まれた場所と人の関係っておもしろいと思う。

たとえば、もしぼくが新潮文庫で本を出したら、著者プロフィールには

19XX(平成XX)年、大阪府生まれ。

と書かれることになる。

その文章だけならぼくは大阪の人になれるのだ。

 

どうもいそのです。

近畿によく旅に出ます。

 

近畿はとにかく移動が楽だし、何回行ってもまた行きたくなる魅力があります。

たぶんずっと行き続けるんでしょう。島鉄くんなんて毎年奈良に通ってます。

リニアが通ったらどうなるんでしょうね。ますます旅行するんでしょうかね。

 

さて、今回訪れたのは大阪・京都・奈良。

旅の思い出を記事にすることとしましょう。

 

関東煮は関西の料理

関東煮(かんとだき)という料理を知っているだろうか。

簡単に言うと大阪のおでんなのだが、その歴史が複雑で興味深い。

 

もともとおでんの原型は明治期に東京で生まれたらしい。

それが大正期に関西に伝わって改良されて「関東煮」となった。関東から来たから関東煮(諸説ある)。

 

そしてさらにその関東煮関東大震災のときに炊き出しメニュー「おでん」として東京でふるまわれた。こうして関東煮はおでんという全国的な料理となって広まりいまに至る。その一方で関西では脈々と関東煮が親しまれている。

 

下の図をごらんいただきたい。生物の系統樹みたいだ。

 

https://www.kibun.co.jp/knowledge/oden/history/rekishi/img/dengaku_flow.png

紀文 【おでん教室】「おでんの歴史」より 

 

そんな関東煮を大阪で食べた。

店は道頓堀にある関東煮の老舗「たこ梅」。

 

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ベストポジション

たこの甘露煮が名物なので一品目にいただく。

ビールと一緒に味わう。甘くて味がしみてやわらかい。うまー

 

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鯨のコロ(皮)とすじ。関東煮には鯨が入るのだ。口のなかでとろける肉よ。

 

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熱燗よりも低温(45度くらい)の上燗をいただく。錫製の器を初めて見た。

「たんぽ」というらしい。湯たんぽのファミリー。

 

注文して鍋になかった場合は新しく煮いてくれる。

煮くという表現が店員さん同士で使われていてまさに関東炊きを食べてるんだなと感じた。

 

値段を見ずにひたすら食べたので会計で驚くことになったんだけど、至福の時間だった。また来たい。

 

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翌朝はおでんを食べた。甘めの味付けが関東との違いだ

 

子育てクイズマイエンジェル3

梅田駅と地下でつながっている大阪駅前ビルというレトロスポットがある。

それも第1から第4まである。

 

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わかりやすいようでわかりにくい地図

 

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珈琲の辞書 第二章 店名です

 

もう閉じてしまった店が散見される一方で、パチンコ店とマッサージ店は盛況だ。人間の強い欲望って結局最後まで残るんだなと思う。

 

そんな駅前ビルたちだが、今回取り上げたい場所は第3ビルのなかにあるロイヤルゲームセンターだ。

 

 

ここはレトロゲームがかなり残っている。

ぼくはアーケードゲームに詳しいわけではないのだが、高校生のころに秋葉原のゲームセンターでよくプレイしていたゲームの続編を見かけたので思わずコインを入れる。

 

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ナムコの「子育てクイズマイエンジェル3 マイリトルペット」(1998年)。

 

女の子の両親となってクイズに答えて子育てをするゲームだ。

正答したクイズのジャンルや選択肢によって女の子の性格(「まじめ」とか「いろけ」とか)や将来(「チーママ」とか「ジョッキー」とか)が変わるようになっている。

 

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難易度はかなり高い。

1998年当時の時事・流行りネタが出てきたり、幼稚園の入園試験で謎のスロットゲームがあったりする。おかげで成人まで育てられた経験がない。

 

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今回は16歳が最高スコアだった

別に名作ではないだろうけど、筐体が残っているということはけっこうぼくみたいなファンがいるに違いない。

また見つけたときにはきっとコインを入れて子育てを始めてしまうんだろう。

 

観覧車

観覧車に乗るのが好きだ。

そもそも高いところが好きなのだ。

 

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天保山跡碑から天保山大観覧車をのぞむ


なので出会った観覧車にはとりあえず乗るというスタンスだ。

 

天保山大観覧車は天保山ハーバービレッジにある高さ112.5mの観覧車。

海沿いなので上がっていくと大阪湾や神戸の方まで見える。

 

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昨年訪れた夢洲が見える

今回は島鉄くんと乗ったが、観覧車にはひとりで乗ることもある。

世間的には難易度が高いかもしれないがぼくはあまり気にならない。

 

ひとり〇〇はたいていいける。

いまのところ唯一厳しいのはひとり焼き肉。とはいっても最近ひとり焼肉専門店が出てきたのでそうも言っていられない。

 

今回の旅行は2つの観覧車に乗った。

続いては梅田のHEP FIVE観覧車。

 

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写真左のCoCoはタピオカチェーン。

最近ぼくのなかで半年遅れくらいでタピオカブームがきてる。

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観覧車の直径は75mだが、建物に乗っかっているので最上部の高さは106mあるとのこと。

 

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街の中心部にあるのでまわりのビルが観察できておもしろい。

工事やってるなとか、大学の校舎あるなとか、ドン・キホーテでかいなとか。

 

観覧車がいちばん高いところに来たあたりでぼんやりと北の方を眺めていた。

 

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あれ。なにか見えるぞ。拡大してみる。

 

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観覧車が見えた。

どこのだろうと思っていたら、新幹線で広告を発見。

 

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万博記念公園にできた新しいやつのようだ。

 

観覧車に乗って観覧車を見つけるとは。

まさか大阪の人観覧車好きなのか?だとしたらぼくも同じだ。

 

次回の近畿旅行の楽しみが一つできた瞬間だった。

 

 

(いその)

 

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