みなさんどうもー。いそのです。
ユーチューバ―ってマイ挨拶もってる人多いですよね。「ブンブンハローユーチューブ」とか「はいどうもー! バーチャルYouTuberキズナアイです!」とか。
この書きだしを書こうとして思いました。
ルーティーンって大事です。する方もされる方も安心します。
ぼくは知らない街を訪れたら、マンホールを撮ってとりあえずコンビニに入ります。
みなさんはどんなルーティーンをお持ちでしょうか。
船で来た。
久里浜へは東京湾を挟んだ千葉の金谷(鋸山のある港町)から、東京湾フェリーに40分くらい揺られて来ました。
金谷もいいとこですよ。
久里浜はペリー一行が上陸した地なので、ペリー上陸記念碑やらペリー公園、ペリー記念館などなどがあり、街全体でペリーを推してきます。
ましゅー・かるぶれいす・ぺりー(1794-1858)
まあでも彼は人気者だし、紹介はだれかがしてくれるだろうということで、今回は久里浜を歩いて気になったものを紹介していきます。
尻こすり坂通り
久里浜駅前の大きな道路を歩いていると、こんな光景に出くわした。
ん?
書かれている文字をそのまま信じることができないので通り沿いで他にも探してみる。
こんなの笑ってしまう
ここで車のリア部分が映りこんでくれたのはポイント高い気がする
本当に書いてある。なにがどうしてこうなった。
答えは通りを進んだ先に。
尻こすり坂
久里浜駅から南西に少し歩くと、通りの由来の尻こすり坂が現れる。
調べてみると、国道134号線の坂周辺3.5kmほどにこのけったいな愛称がついているようだ。
さて、そうするとそもそもなぜそんな名前が坂につけられたのだろう。その説明もちゃんと用意されている。坂を登り終えたあたりに。
長いんだなこれが。右のフェンス向こうは京急の線路。
そして現れる碑。
斯里古須利坂!「斯」は破損してしまったらしい。
「尻こすり」に「斯里古須利」と漢字があてられていて驚いた。とたんに坂の神様っぽくなったぞ。
碑には「このあたりは海と山に囲まれて交通の便が悪かったよ。だから頑張って山を切り崩して坂を造ったよ。それで記念の碑を立てたよ」といったことが書いてある。全文の翻刻文はこちら。
坂名の由来は、「坂を下るとき、坂が急で尻を擦るから」らしい。いまはそんな急でもないけどな。
頂上付近にも通りの標識がある。事情を知ってから見ると、発見時とはちがう印象をいだく。
昔は大変でした
今後、横須賀出身の人がいたらこの坂を知っているか聞いてみたいと思っている。聞き方を間違えると変な目で見られそうだけど。
魚の喋る池
尻こすり坂を登りきってから少し下ると、左手に池が見えてくる。
「可愛がってネ!」
今まで見たことのない表現だ。
「🐟」や「🏠」が日本語と組み合わさり、独特のインパクトをはなっている。
さらに、本来小文字になりえない「ネ」という表記がかえって「魚が言葉を発している」ことに妙な説得力をもたせている。
その隣には念のためか、人語の表記も用意されていた。
人間は魚以外の動植物のことも考えている
ふつうの穏やかな池だった
尻こすり坂とセットで訪れてほしい場所だ。
坂を下りてくると、並走してトンネルを通ってきた電車と合流する。
なんといってもご覧いただきたいのは「尻こすり坂通り」縦バージョン
そうなるといよいよ京急久里浜の次の駅、「YRP野比駅」にたどり着く。
デッドスペースの有効活用みたいな駅名プレートの貼り方
YRP野比駅は京急で城ヶ島とか三浦半島の方に行くたびに気になっていた。
なにさYRPって。野比って。
その答えも駅付近でちゃんとわかるようにできていた。コンパクトシティー。
野比川
のびのびと流れている
駅周辺は住所でいうと「横須賀市野比」。野比は地名だったのね。
横須賀市野比にある「国立療養所久里浜病院」に入院していた藤子・F・不二雄先生が、この地の伸び伸びしたところを気に入って「野比のび太」という名前を考えついた、という噂があるそう。
しかし地元商店街がのび太とのコラボのために藤子プロに確認をとったところ、確証は得られなかったという記事がでてきた。
まあそんなものだろう。たぶん『絶望先生』の木津千里と京都の木津も関係ない。キャラクターの名前に地名をつけるのってけっこうありがちではなかろうか。
で、YRP。これはなるほどってなった。
「ホテルレストラン」のくくりにコンビニエンスストアポプラ(④)が入っている
YRPは「横須賀リサーチパーク」。かっこいい。
今度京急ユーザーの人がいたら「YRPってなにか知ってる?」と聞いてみたい。聞き方を間違えるとちょっとウザいと思う。
電車だとあの長い坂も一瞬
(番外編)胸突坂
家の近所に胸突坂という坂があるので紹介したい。
傾斜がおわかりいただけるだろうか
尻こすり坂を登っているとき、なんだかネーミングが似ているなと思い出した。
「坂がけわしく、自分の胸を突くようにしなければ上れない」。最近どこかで似たような説明を見たぞ。
登ろうとしたとき上からスロープを自転車で下りてくる人がいてびびった。強者だ。
路面舗装。丸い模様の「真空コンクリート工法」は激坂の証らしい。
登りきった。「乗ったままの通行禁止」とあるが、いたぞ、強者。
胸突坂の序盤から中盤くらいまでは木々で鬱蒼としていて、「この先どうなってしまうんだ」感があるが、坂上は開けているので安心して登ってほしい。しかし夜はなかなかこわい。
坂について調べていて、定休日氏のブログ記事がおもしろかった。「真空コンクリート工法」という用語はここで仕入れたのでさっそく使ってみた。
胸突坂のある小石川台地には他にも味わい深い坂がたくさんある。映画やドラマを観ていても、このあたりの坂がしれっと出てくるときがあるので最近はそういう楽しみ方もしている。
読書のみなさんも魅力的な坂の世界に一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。(いその)