埋物の庭

埋物の庭

街中にあるつい見落とされがちで埋もれてしまっているもの(=埋物、まいぶつ)を紹介します。

橋とトラスとファミリーマート

ど~も。いそのです。お久しぶりです。

 

いやー熱かった、8月の前半

やはり街歩きは春とか秋にする活動なのだと感じましたよ。

その点このところはなんかちょうどいいかんじですね。

 

さて、さっそく前置きを書いといてあれですが、先日の真夏日に、東京ゲートブリッジを歩いてきました。くたくたになりました。

今回の記事はその報告と、その後のいろいろについてです。

 

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 青い空に白い雲。勇気をもって踏み出した新木場駅。「調整中」の時計がいい。

 

みなさんは東京ゲートブリッジをご存知でしょうか。

 

東京湾江東区若洲と中央防波堤外側埋立地を結ぶ橋である。

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埋め立て地はみんなカクカク。                    

 

中央防波堤というのは、ずばり東京都のごみ処分場。

内側(北)と外側(南)に分かれていて、内側はすでに埋め立てが終わり、外側は今でも埋め立てが続いている。

このゲートブリッジとつながる外側くん(?)は、いわば誕生中の島であり、内側くんの弟ともいえる。実は新海面処分場というさらに新しい(かつ最後の)処分場が彼の南に造られているので、そのうち次男になるのであろうが、いまのところは東京で最も幼年の島である。島の学校があったら西之島さんと同じ学年にちがいない。

 

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国土地理院地図・空中写真閲覧サービス整理番号CKT20176、コース番号C25、写真番号43、撮影年月日2017/5/29)

中央防波堤外側埋立地。真ん中の池みたいなのいいよね。

 

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国土地理院地理院地図西之島地区、写真番号5161、撮影年月日2018/1/17)

西之島さん。なんだろうこの見ていて安心するかたちは。なかなかの美島なのかも。

 

外側くん「西之島、最近雰囲気変わったよな」

西之島さん「最近いろいろ(噴火)あったから…」

 

そんな東京ゲートブリッジに友人と行ってきた。

アクセスは今のところ(2018年8月現在)若洲側からのみである。最寄りの新木場駅からバスまたは歩いて、橋に至る。

 

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東京ゲートブリッジは「恐竜橋」とも呼ばれているらしい。たしかに草とか食べそう。

 

新木場駅からは地図をご覧いただければ分かるが、ひたすら真っすぐで、工場の並ぶ道が続く。都バスに乗ればおそらくだいぶ楽なのだが、ぼくらは乗らなかった。なんたって若いから。

 

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この道も夏もずっと続くようであった。

 

いよいよ道が終わるのは、若洲キャンプ場を抜けた先である。

本当に橋に昇れるのか?と心配になっても大丈夫である。ちゃんと案内が立っている。

 

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橋については直接案内せず、「若洲昇降施設」を案内しちゃってるところがいい。

 

そして、目の前に巨大構造物が現れる。

 

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橋と飛行機のマリアージュ

 

東京ゲートブリッジは巨大だ。

全長2,618m(陸上部アプローチ橋を含む)のトラス橋である。水面(荒川工事基準面、A.P.)から橋梁最上部の高さが87.8m、海上を跨ぐ区間の長さが1,618m(横浜ベイブリッジやレインボーブリッジの約2倍)で、RC橋脚の上部に鋼3径間連続トラスボックス複合構造の橋桁が架けられ、4車線道路が設けられている。                  Wikipedia

 

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高確率でマリアージュ

 

なんとなくぼくらは橋の端まで行って引き返してきたけど、中央防波堤側では昇降できないので注意が必要だ。降りられなかった時の落胆はそれはもう…

中央防波堤からお台場まで抜けるという野望はそうしてついえた。

 

しばらく橋の上で東京湾やら車やら羽田空港からひっきりなしに飛んでくる飛行機やらトラスやらを眺めていた。

 

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なぜか高校の頃の同じクラスの女子の話題で盛り上がる。

 

「トラス橋」という言葉が気になった。

調べてみると、三角形の骨組みをトラス構造といい、トラス構造が桁の上部に乗った橋をトラス橋というらしい。これはよいことを知った。

 

さて、新木場駅まで帰るときにはさすがにバスに乗ろうと思い、バス停に行くと時刻表があった。

 

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うわ・・・バスの本数、少なすぎ・・・?

 

30分後に発車ということが判明する。

さすがに炎天下で待機はこたえるので、避暑することに。ちょうどいいところにファミリーマートが。

 

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都バスとファミマのカラーリング・シンクロ率は8割くらい。

 

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これはいったい…

 

ん?

見慣れた緑・白・水色のボーダーに水色の文字でファミリーマートっていやちがう、「PORT STORE」って書かれている。

 

店内もFamiポート(わかりづらい)が置かれているし、商品もファミマだし、当然Tポイントも使える。やけに肌色の雑誌が目立っているが、それ以外は普通のファミマだ。

 

後日、この記事を書くときに「PORT STORE」について調べてみるとおもしろい事実が判明した。

 

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一般社団法人東京港湾福利厚生協会のトップページ(2018/8/18キャプチャ)

 

結論から述べると、今回立ち寄ったコンビニはファミリーマートであった。

店名は「Famili Mart ポートストア若洲店」。ファミマのサイトにも載っている。

 

そうすると「PORT STORE」はいったい何なのかということになる。

 

その正体は、一般社団法人東京港湾福利厚生協会が管理運営する福利厚生施設である。

この法人は「港湾労働者の福祉の増進を図り、もって港湾作業の向上に資し、あわせて東京港の振興発展に寄与することを目的」とし、「港湾労働者の食堂、給食、売店、宿舎及び休憩所等の福利厚生施設の整備拡充及び管理運営」を事業内容の一つとしている。

「Family Mart ポートストア若洲店」以外にも50か所を超える施設を管理運営しており、日々港湾労働者の福利厚生に貢献しているようだ。この記事が参考になる。一般のコンビニ(ファミマやローソンなど)と提携して、「PORT STORE」として営業していると考えてよさそうだ。

 

若洲店については2013年2月に竣工(ゲートブリッジは2012年建設)して、2017年12月に売店リニューアルがなされていることがホームページには記されている。

確かに休憩スペースも含めてきれいで居心地の良い空間であった。そして都心では考えられないほど広い。

 

ふとファミマ(ファミポ?)でくつろいでいるぼくらはなにか大切なことを忘れていることに気付いた。

…バスを待っていたんだった。

 

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あーー

 

……。

結局ぼくらは帰りも徒歩で新木場駅を目指した。

なんとも夏らしい一日であった。

 

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ららぽーと豊洲は圧倒的に涼しい。

 

(いその)